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45の少し後 手紙
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やあエスター、書庫の整理はすすんでいるかな?
成長した公爵様はお元気かな。
おちびさんに頼まれた依頼は問題なく済ませられたよ。
おかっぱの生徒は倒れた書棚の後ろの壁に、ほんのわずかなへこみを見つけ(見つけるよう示唆したのだが)さも大発見をしたかのように、その隠し庫から地図を引き出した。
あれでも16なのだろう?ずいぶんと落ち着きのない口数の多い若者だったが。これでいいのだね?
石板の解読は8割がた完了している。そちらはどうかね?
リッターホルムに戻ったノール君はまだ解読をがんばっているだろうか?ヒントをやろうと言ったのだが頑なに拒否されてしまってね。
ああ、エスター、お前も協力していたね。まだまだお前も未熟者だ。精進しなさい。
さて、以上のことから私には例の魔剣を手にする資格が既に出来たように思う。
おちびさんにはいつ取りに行けばいいか、一日も早くこの手にしたいと、そう伝えてくれないか。
おっと、おちびさんに危ないから一人で行くなと、それを言い聞かせることも忘れずに。
それにしても古の魔剣…。伝承で聞いたことはあったが…なんたる幸運。
そもそも魔剣とは~
~以下略~
~そんな具合に、祈祷と共にその呪物は粉々になったのだ。
続きはまた会った時にでも話してやろう。
ああ、古代ミチュペチュの呪物は手に入ったかい?ヘイチの呪物でも構わないのだがね。いずれ楽しみにしているとおちびさんにそれも伝言を。
追伸
子爵とは初めて会った気がしないほど意気投合したよ。
ノールや、先だっては長期の滞在、家族が皆揃いとても有意義な時間が過ごせたと思う。
心の澱となっていた公爵様への対面も叶い、ようやく重荷が降ろせた心地だ。
私のこの愚かな行いを一笑に付すことも咎めることもなく、あのお小さき御仁が関心を持たれるとは青天の霹靂であった。
しかし、父はお前に釈明する機会を与えられ胸のすく想いであったよ。
これでお前から勉学の機会を奪ったことの理由になるとは思っていないが。
優しいお前はそれでも父の立場を心配してくれるのだね。
だが大公閣下の口利きでもらった鑑定の仕事、今日まで打ち込んできたが美術工芸品に囲まれたその仕事は、世間の声さえ気にしなければ私にとって有意義なのだよ。
多少目の毒ではあるが、入用の品が値打ちに買えるという利点もあるのだ。
それでも仕事を減らして社交界に復帰せよと、いくら調査のためとはいえ、借財を全て肩代わりしてくださったあの小さき御仁には感謝しかない。
彼は一体どこのご子息なのだね?
ブッケ教授はとても気さくな、そして博識なお方だった。ああ、お前のほうがよく知っていたね。
私たちはすっかり友人になってしまったよ。
壺のこと、そして絵画のことを話したら教授は非常に強く関心を持たれた。
今は二人で協力して、あの壺の行方、あの壺が描かれた絵画、そしてあの壺の描かれた絵画を飾っていた家門について調べているところなのだよ。
コーネイン卿、そしてご子息にもお礼を言わねば。私とお前の他家への訪問に口をきいて下さったことを。
お前にも無理をさせたね。借財の返済という名目でいくつもの家を訪ねてはその絵を目に焼き付け、屋敷に戻っては模写をする。どうかね?疲れはすっかり癒えただろうか?
ああ、もちろんブッケ教授はとても口が堅い。そうでなくては呪物など扱えぬからね。スキルの秘匿については何も心配いらないよ。
分かったことがあればすぐにそちらへ文を送る。何かの役に立てばいいのだが。
繰り返しになるが、どうかあの小さき御仁、それから公爵閣下に心からの礼を伝えてほしい。
お前の幸せをいつも祈っている。父より
成長した公爵様はお元気かな。
おちびさんに頼まれた依頼は問題なく済ませられたよ。
おかっぱの生徒は倒れた書棚の後ろの壁に、ほんのわずかなへこみを見つけ(見つけるよう示唆したのだが)さも大発見をしたかのように、その隠し庫から地図を引き出した。
あれでも16なのだろう?ずいぶんと落ち着きのない口数の多い若者だったが。これでいいのだね?
石板の解読は8割がた完了している。そちらはどうかね?
リッターホルムに戻ったノール君はまだ解読をがんばっているだろうか?ヒントをやろうと言ったのだが頑なに拒否されてしまってね。
ああ、エスター、お前も協力していたね。まだまだお前も未熟者だ。精進しなさい。
さて、以上のことから私には例の魔剣を手にする資格が既に出来たように思う。
おちびさんにはいつ取りに行けばいいか、一日も早くこの手にしたいと、そう伝えてくれないか。
おっと、おちびさんに危ないから一人で行くなと、それを言い聞かせることも忘れずに。
それにしても古の魔剣…。伝承で聞いたことはあったが…なんたる幸運。
そもそも魔剣とは~
~以下略~
~そんな具合に、祈祷と共にその呪物は粉々になったのだ。
続きはまた会った時にでも話してやろう。
ああ、古代ミチュペチュの呪物は手に入ったかい?ヘイチの呪物でも構わないのだがね。いずれ楽しみにしているとおちびさんにそれも伝言を。
追伸
子爵とは初めて会った気がしないほど意気投合したよ。
ノールや、先だっては長期の滞在、家族が皆揃いとても有意義な時間が過ごせたと思う。
心の澱となっていた公爵様への対面も叶い、ようやく重荷が降ろせた心地だ。
私のこの愚かな行いを一笑に付すことも咎めることもなく、あのお小さき御仁が関心を持たれるとは青天の霹靂であった。
しかし、父はお前に釈明する機会を与えられ胸のすく想いであったよ。
これでお前から勉学の機会を奪ったことの理由になるとは思っていないが。
優しいお前はそれでも父の立場を心配してくれるのだね。
だが大公閣下の口利きでもらった鑑定の仕事、今日まで打ち込んできたが美術工芸品に囲まれたその仕事は、世間の声さえ気にしなければ私にとって有意義なのだよ。
多少目の毒ではあるが、入用の品が値打ちに買えるという利点もあるのだ。
それでも仕事を減らして社交界に復帰せよと、いくら調査のためとはいえ、借財を全て肩代わりしてくださったあの小さき御仁には感謝しかない。
彼は一体どこのご子息なのだね?
ブッケ教授はとても気さくな、そして博識なお方だった。ああ、お前のほうがよく知っていたね。
私たちはすっかり友人になってしまったよ。
壺のこと、そして絵画のことを話したら教授は非常に強く関心を持たれた。
今は二人で協力して、あの壺の行方、あの壺が描かれた絵画、そしてあの壺の描かれた絵画を飾っていた家門について調べているところなのだよ。
コーネイン卿、そしてご子息にもお礼を言わねば。私とお前の他家への訪問に口をきいて下さったことを。
お前にも無理をさせたね。借財の返済という名目でいくつもの家を訪ねてはその絵を目に焼き付け、屋敷に戻っては模写をする。どうかね?疲れはすっかり癒えただろうか?
ああ、もちろんブッケ教授はとても口が堅い。そうでなくては呪物など扱えぬからね。スキルの秘匿については何も心配いらないよ。
分かったことがあればすぐにそちらへ文を送る。何かの役に立てばいいのだが。
繰り返しになるが、どうかあの小さき御仁、それから公爵閣下に心からの礼を伝えてほしい。
お前の幸せをいつも祈っている。父より
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