19 / 277
連載
24の少し前 手紙
しおりを挟む
やあ父さん、学院での研究はすすんでいるかな?
僕の新しい職場はまるで天国だよ。
大図書館ほどじゃないが、なかなかのものだ。
いや、比べるのは間違ってるな。あそこは完成された図書館だし、ここの書庫には今から育てる楽しみがある。書物の積み上げられたその光景は何だって素晴らしいものだ。書庫に貴賤があってはいけないな。
雇い主の少年はなんだかんだで書物に目が無い。チョロ、いや、若いのに見上げた少年だ。
彼の持つ知識を筆記し新しい書物にするというその仕事もとても興味深いものだ。僕の手によって新しい書物が生まれる…なんていう素晴らしい体験だ。
ここの書庫に並んだ書物は、~
~以下略~
~そんな訳で、その書物の背表紙についてはまた今度説明するよ。
ということで楽しくやっている。王都に行ったら寄らせてもらうよ。じゃあ。
追伸
頼んでおいた王室の宝物殿にある呪物の件、今度詳しく。
-------------
父さん、母さん、そして兄さん達。元気でしょうか?教区の皆さんは変わりないでしょうか?
王都での一年は私にとって決して楽観出来るものではありませんでした。将来を憂い途方に暮れたことも1度や2度ではありません。
ですがようやく私も自分の居場所を得られたような気がしています。
私の新しい勤め口、それはリッターホルム公爵家です。私は現在その屋敷で執事見習いとして仕事に励んでいます。
私の上役には執事のオスモと実に利発な少年がいます。
その少年は若き公爵ユーリウス様の私設秘書のようなお方です。私設秘書の業務内容に添い寝があるとは知りませんでしたが、彼は公爵の安眠を毎夜監視し維持しておいでです。彼は毎日とても勤勉なのです。公爵の為の朝食を毎朝手作りし手匙で食べさせています。自分の食事を後回しにしてまで公爵の健康管理に余念がありません。
彼はまた私に対しても、業務においての立ち回り方などとても親切に教えてくださいます。その助言の一つ一つが実に有益でためになります。
そのかいあって初めて他人と揉め事を起さず半年を超えることが出来ました。こうして手紙を書こうと思えるほどに私はいま邸内の皆から快く受け入れられています。どうかご安心ください。
そういえば彼から頼まれたことがあるのです。王家の毒の扱いに関し知っていることがあれば教えて欲しいと。毒の管理には確か、本聖殿の大神官が関わっていたはずだからと。私の知識では心もとないですが力になれればと思います。
見習いの文字が消え筆頭執事となった暁には一度顔を見せに戻ります。その時をどうか楽しみにしていてください。
あなたの息子。ヴェストより。
-------------
ヘンリック、いきなりの僕の退学、随分心配かけてしまったようだね。
だけどそんな心配はいらないよ。僕は今リッターホルム公爵の家庭教師をしているんだ。
彼との縁は君が繋いでくれたも同然なんだよ。王都での最後の夜会、君の誕生日に僕は彼と出会ったんだ。
ほら、公爵と手を繋いで嬉しそうに笑っていた、あの素朴な少年アッシュ君だよ。
彼が僕を公爵、そして大公に紹介してくれた。そして僕に教師の仕事をくれたんだ。そのうえ大公は家族の住む王都の屋敷を買い上げたうえ、考えられないほど破格の賃料で貸し与えてくれたんだよ。
父は反省して今は大人しくしているよ。その父にも大公は仕事を与えてくれたんだ。父は大公の関わる商会で目利きの手伝いをしているよ。父には鑑定系のスキルがあるからね。生活が安定した事で母と弟も帰って来たと喜んでいた。弟は無事貴族学院への入学を果たせたよ。
その節は君にも君のお父上にも迷惑をかけてしまったね。いつか必ず償いをするつもりでいるよ。
公爵邸の裏庭にはとても素朴で温かな花壇があるんだ。まだ半分も仕上がってはいないのだけど、アッシュ君が公爵の為に丹精込めて手入れをしている、それはそれは可愛らしい心のこもった花壇なんだ。
花壇と花壇の間には素焼きのレンガを敷き詰めた可愛い小道が出来てきたよ。そしてその小道の向こうには大きなユーカリの木があってね、アッシュ君はいつかその木の下で公爵と大の字になってお昼寝をするのだって息巻いているんだ。僕はそれをとても素敵だと思う。
公爵は訳あって裏庭に出ることが出来ないでいる。いつか彼が裏庭でお昼寝をできたら…その時こそ本当の再生になるんだ。ごめん、何のことだか分からないよね。
花壇の手入れをするアッシュ君の姿を公爵はいつも見つめているよ。とても熱く、そして嬉しそうなのに切ない目でずっと姿を追っているんだ。そしてね、そんな日の午後の授業はやっぱり少し気もそぞろになるんだ。
そんなアッシュ君にふるまう為に公爵はお茶を集めだしたんだ。趣味らしい趣味は今まで無かったみたいだから、高尚な趣味が出来て良かった。お茶は貴族の嗜みだからね。
そうだ。君が以前見せてくれた古き神聖国を描いた〝郷愁”という名の絵画があったろう?今度もう一度見せてもらえるかな。美術の授業で使う題材にぴったりなんだ。我が家の美術品はもうあまり残っていなくてね。
どうかな?少しは先生らしくなってきたかな?
前回王都へ帰った時は君が不在で残念だったよ。領地に行っていたんだってね。機会があれば会いたいな。聞き上手な君に話したいことがたくさんあるんだ。ここでの暮らしはとても楽しい。公爵の従者、アレクシもとても親切にしてくれる。
そういえばもうすぐ試験だろう?睡眠をしっかりとって頑張って。
親愛と友情を込めて。ノール
僕の新しい職場はまるで天国だよ。
大図書館ほどじゃないが、なかなかのものだ。
いや、比べるのは間違ってるな。あそこは完成された図書館だし、ここの書庫には今から育てる楽しみがある。書物の積み上げられたその光景は何だって素晴らしいものだ。書庫に貴賤があってはいけないな。
雇い主の少年はなんだかんだで書物に目が無い。チョロ、いや、若いのに見上げた少年だ。
彼の持つ知識を筆記し新しい書物にするというその仕事もとても興味深いものだ。僕の手によって新しい書物が生まれる…なんていう素晴らしい体験だ。
ここの書庫に並んだ書物は、~
~以下略~
~そんな訳で、その書物の背表紙についてはまた今度説明するよ。
ということで楽しくやっている。王都に行ったら寄らせてもらうよ。じゃあ。
追伸
頼んでおいた王室の宝物殿にある呪物の件、今度詳しく。
-------------
父さん、母さん、そして兄さん達。元気でしょうか?教区の皆さんは変わりないでしょうか?
王都での一年は私にとって決して楽観出来るものではありませんでした。将来を憂い途方に暮れたことも1度や2度ではありません。
ですがようやく私も自分の居場所を得られたような気がしています。
私の新しい勤め口、それはリッターホルム公爵家です。私は現在その屋敷で執事見習いとして仕事に励んでいます。
私の上役には執事のオスモと実に利発な少年がいます。
その少年は若き公爵ユーリウス様の私設秘書のようなお方です。私設秘書の業務内容に添い寝があるとは知りませんでしたが、彼は公爵の安眠を毎夜監視し維持しておいでです。彼は毎日とても勤勉なのです。公爵の為の朝食を毎朝手作りし手匙で食べさせています。自分の食事を後回しにしてまで公爵の健康管理に余念がありません。
彼はまた私に対しても、業務においての立ち回り方などとても親切に教えてくださいます。その助言の一つ一つが実に有益でためになります。
そのかいあって初めて他人と揉め事を起さず半年を超えることが出来ました。こうして手紙を書こうと思えるほどに私はいま邸内の皆から快く受け入れられています。どうかご安心ください。
そういえば彼から頼まれたことがあるのです。王家の毒の扱いに関し知っていることがあれば教えて欲しいと。毒の管理には確か、本聖殿の大神官が関わっていたはずだからと。私の知識では心もとないですが力になれればと思います。
見習いの文字が消え筆頭執事となった暁には一度顔を見せに戻ります。その時をどうか楽しみにしていてください。
あなたの息子。ヴェストより。
-------------
ヘンリック、いきなりの僕の退学、随分心配かけてしまったようだね。
だけどそんな心配はいらないよ。僕は今リッターホルム公爵の家庭教師をしているんだ。
彼との縁は君が繋いでくれたも同然なんだよ。王都での最後の夜会、君の誕生日に僕は彼と出会ったんだ。
ほら、公爵と手を繋いで嬉しそうに笑っていた、あの素朴な少年アッシュ君だよ。
彼が僕を公爵、そして大公に紹介してくれた。そして僕に教師の仕事をくれたんだ。そのうえ大公は家族の住む王都の屋敷を買い上げたうえ、考えられないほど破格の賃料で貸し与えてくれたんだよ。
父は反省して今は大人しくしているよ。その父にも大公は仕事を与えてくれたんだ。父は大公の関わる商会で目利きの手伝いをしているよ。父には鑑定系のスキルがあるからね。生活が安定した事で母と弟も帰って来たと喜んでいた。弟は無事貴族学院への入学を果たせたよ。
その節は君にも君のお父上にも迷惑をかけてしまったね。いつか必ず償いをするつもりでいるよ。
公爵邸の裏庭にはとても素朴で温かな花壇があるんだ。まだ半分も仕上がってはいないのだけど、アッシュ君が公爵の為に丹精込めて手入れをしている、それはそれは可愛らしい心のこもった花壇なんだ。
花壇と花壇の間には素焼きのレンガを敷き詰めた可愛い小道が出来てきたよ。そしてその小道の向こうには大きなユーカリの木があってね、アッシュ君はいつかその木の下で公爵と大の字になってお昼寝をするのだって息巻いているんだ。僕はそれをとても素敵だと思う。
公爵は訳あって裏庭に出ることが出来ないでいる。いつか彼が裏庭でお昼寝をできたら…その時こそ本当の再生になるんだ。ごめん、何のことだか分からないよね。
花壇の手入れをするアッシュ君の姿を公爵はいつも見つめているよ。とても熱く、そして嬉しそうなのに切ない目でずっと姿を追っているんだ。そしてね、そんな日の午後の授業はやっぱり少し気もそぞろになるんだ。
そんなアッシュ君にふるまう為に公爵はお茶を集めだしたんだ。趣味らしい趣味は今まで無かったみたいだから、高尚な趣味が出来て良かった。お茶は貴族の嗜みだからね。
そうだ。君が以前見せてくれた古き神聖国を描いた〝郷愁”という名の絵画があったろう?今度もう一度見せてもらえるかな。美術の授業で使う題材にぴったりなんだ。我が家の美術品はもうあまり残っていなくてね。
どうかな?少しは先生らしくなってきたかな?
前回王都へ帰った時は君が不在で残念だったよ。領地に行っていたんだってね。機会があれば会いたいな。聞き上手な君に話したいことがたくさんあるんだ。ここでの暮らしはとても楽しい。公爵の従者、アレクシもとても親切にしてくれる。
そういえばもうすぐ試験だろう?睡眠をしっかりとって頑張って。
親愛と友情を込めて。ノール
1,002
あなたにおすすめの小説
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
なぜ処刑予定の悪役子息の俺が溺愛されている?
詩河とんぼ
BL
前世では過労死し、バース性があるBLゲームに転生した俺は、なる方が珍しいバットエンド以外は全て処刑されるというの世界の悪役子息・カイラントになっていた。処刑されるのはもちろん嫌だし、知識を付けてそれなりのところで働くか婿入りできたらいいな……と思っていたのだが、攻略対象者で王太子のアルスタから猛アプローチを受ける。……どうしてこうなった?
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も皆の小話もあがります。
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください
わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。
まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!?
悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。
【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺
福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。
目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。
でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい…
……あれ…?
…やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ…
前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。
1万2000字前後です。
攻めのキャラがブレるし若干変態です。
無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形)
おまけ完結済み
キュートなモブ令息に転生したボク。可愛さと前世の知識で悪役令息なお義兄さまを守りますっ!
をち。「もう我慢なんて」書籍発売中
BL
これは、あざと可愛い悪役令息の義弟VS.あざと主人公のおはなし。
ボクの名前は、クリストファー。
突然だけど、ボクには前世の記憶がある。
ジルベスターお義兄さまと初めて会ったとき、そのご尊顔を見て
「あああ!《《この人》》、知ってるう!悪役令息っ!」
と思い出したのだ。
あ、この人ゲームの悪役じゃん、って。
そう、俺が今いるこの世界は、ゲームの中の世界だったの!
そして、ボクは悪役令息ジルベスターの義弟に転生していたのだ!
しかも、モブ。
繰り返します。ボクはモブ!!「完全なるモブ」なのだ!
ゲームの中のボクには、モブすぎて名前もキャラデザもなかった。
どおりで今まで毎日自分の顔をみてもなんにも思い出さなかったわけだ!
ちなみに、ジルベスターお義兄さまは悪役ながら非常に人気があった。
その理由の第一は、ビジュアル!
夜空に輝く月みたいにキラキラした銀髪。夜の闇を思わせる深い紺碧の瞳。
涼やかに切れ上がった眦はサイコーにクール!!
イケメンではなく美形!ビューティフル!ワンダフォー!
ありとあらゆる美辞麗句を並び立てたくなるくらいに美しい姿かたちなのだ!
当然ながらボクもそのビジュアルにノックアウトされた。
ネップリももちろんコンプリートしたし、アクスタももちろん手に入れた!
そんなボクの推しジルベスターは、その無表情のせいで「人を馬鹿にしている」「心がない」「冷酷」といわれ、悪役令息と呼ばれていた。
でもボクにはわかっていた。全部誤解なんだって。
ジルベスターは優しい人なんだって。
あの無表情の下には確かに温かなものが隠れてるはずなの!
なのに誰もそれを理解しようとしなかった。
そして最後に断罪されてしまうのだ!あのピンク頭に惑わされたあんぽんたんたちのせいで!!
ジルベスターが断罪されたときには悔し涙にぬれた。
なんとかジルベスターを救おうとすべてのルートを試し、ゲームをやり込みまくった。
でも何をしてもジルベスターは断罪された。
ボクはこの世界で大声で叫ぶ。
ボクのお義兄様はカッコよくて優しい最高のお義兄様なんだからっ!
ゲームの世界ならいざしらず、このボクがついてるからには断罪なんてさせないっ!
最高に可愛いハイスぺモブ令息に転生したボクは、可愛さと前世の知識を武器にお義兄さまを守りますっ!
⭐︎⭐︎⭐︎
ご拝読頂きありがとうございます!
コメント、エール、いいねお待ちしております♡
「もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!」書籍発売中!
連載続いておりますので、そちらもぜひ♡
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。