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第三夜
第三夜、幕開け
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音がする。毒々しい触手が床を這う音。粘液が床に落ちる音。それと、あいつの諦めたような笑い声。
俺はそれを傍で見ている。傍で見ているのに、何もしない。ただ呆然とその惨劇を見ていた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
『おはようございます。無事三日目の朝がやってきました。参加者の皆様はあと10分以内に会議ホールにお集まりください』
「……は、」
俺は飛び起きる。……寝た記憶が無い。昨日最後の記憶は襲撃のカウントダウンを見たってとこまで。
……強制的に眠らされていた?思えば初日、あのビデオを見ている途中でも記憶が途切れている。
「……昨日、どうなったんだ」
生き残ったという感情と共に、一体誰がと気持ちが早る。俺は寝起きの心臓を速くしながらまだハッキリしない目を擦りパソコンを見た。
『昨晩の犠牲者はいませんでした』
……犠牲者がいない?俺は昨日のメモ用紙を見てジワジワとぼやけた頭を回転させた。
ああ、なるほど……。普通嬉しいことだけど、これは手放しには喜べないかもしれないな……。
備え付けの洗面台で顔を洗って鏡を見る。前よりコケた頬と目の下にクマが出来た自分の顔。だが自分でも驚くほど目が座っていた。……戦いはまだ続いている。俺はメモ用紙に一文書き加えると、ポケットにしまい込んで部屋を出た。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「おはようございます」
部屋の前の席に着く。もう会議ホールには皆が揃っていた。左隣の雪話さんの軽い会釈と、右隣の薬師丸さんの「ああ」という素っ気ない返事だけが帰ってくる。
昨日の“処刑”を目の当たりにした参加者はもう会議の残酷さを知ってしまった。これから蹴落とし蹴落とされる“敵”に愛想良くなんて出来るわけない。
『皆さん着席されたようですので、会議を始めさせていただきます。』
またテーブルの底から砂時計がせり上がってくる。明らかに昨日より緊張感と殺伐とした雰囲気が流れる会議ホールに、砂が落ち始める音が小さく響いた。
音がする。毒々しい触手が床を這う音。粘液が床に落ちる音。それと、あいつの諦めたような笑い声。
俺はそれを傍で見ている。傍で見ているのに、何もしない。ただ呆然とその惨劇を見ていた。
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『おはようございます。無事三日目の朝がやってきました。参加者の皆様はあと10分以内に会議ホールにお集まりください』
「……は、」
俺は飛び起きる。……寝た記憶が無い。昨日最後の記憶は襲撃のカウントダウンを見たってとこまで。
……強制的に眠らされていた?思えば初日、あのビデオを見ている途中でも記憶が途切れている。
「……昨日、どうなったんだ」
生き残ったという感情と共に、一体誰がと気持ちが早る。俺は寝起きの心臓を速くしながらまだハッキリしない目を擦りパソコンを見た。
『昨晩の犠牲者はいませんでした』
……犠牲者がいない?俺は昨日のメモ用紙を見てジワジワとぼやけた頭を回転させた。
ああ、なるほど……。普通嬉しいことだけど、これは手放しには喜べないかもしれないな……。
備え付けの洗面台で顔を洗って鏡を見る。前よりコケた頬と目の下にクマが出来た自分の顔。だが自分でも驚くほど目が座っていた。……戦いはまだ続いている。俺はメモ用紙に一文書き加えると、ポケットにしまい込んで部屋を出た。
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「おはようございます」
部屋の前の席に着く。もう会議ホールには皆が揃っていた。左隣の雪話さんの軽い会釈と、右隣の薬師丸さんの「ああ」という素っ気ない返事だけが帰ってくる。
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『皆さん着席されたようですので、会議を始めさせていただきます。』
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