4 / 4
Episode 04
しおりを挟む
「女将さん、お久しぶりです」
「あら!ココルちゃん!」
ココルはネジキリ村を出ると、真っ先に女将のいる宿屋へと足を運んだ。
「ネジキリ村には無事に着けたの?」
「はい、おかげさまで」
「それは良かったわ。それで、息子は元気にしていたかしら?」
「・・・女将さん、落ち着いて聞いてもらってもいいですか」
ココルは女将に全てを話した。
ルシが病気で亡くなっていたこと。
村人たちからルシ宛ての手紙を預かったこと。
ルシが村人たちから愛されていたこと。
ルシが村人たちの大きな支えになっていたこと。
ネジキリ村で見たものや聞いたことの全てを女将に話した。
「ルシさんは村の人たちから本当に愛されていました。村の人たちは皆、ルシさんの事が大好きでした。ルシさん宛ての手紙は、この先もずっと僕が責任をもって大切に記憶しておきます」
村人たちからルシに宛てた手紙を読めば、ルシがいかに愛されていたかが分かるはずだ。
ルシがネジキリ村の人たちをどれだけ好きだったかが伝わるはずだ。
でも、送り先の相手以外に手紙の内容を伝えることは規則で禁止されている。
それが亡くなった息子の母親であっても、規則は絶対だった。
「ありがとうね、ココルちゃん。わざわざ伝えに来てくれたのね」
女将は笑顔で言った。
目は真っ赤で、今にも泣き出しそうな表情だったけれど、必死に笑顔を作っていた。
それは、ココルを気遣ってのことだった。
何日も歩き続けて息子のことを伝えに来てくれたのに、自分が泣いてしまったらココルがいらぬ責任を感じてしまうかもしれない。後ろめたさを感じてしまうかもしれない。
本当は今すぐにでも泣きたいはずなのに、彼女は決して涙を見せなかった。
女将のその優しさが。ココルには余計に辛かった。
「・・・女将さん、すいませんがちょっとだけ独り言を呟きます。本当にただの独り言なので、どうか気にしないでください」
そう言うと、ココルはゆっくりと目を閉じた。
『ルシお兄ちゃんへ
いつも一緒に遊んでくれてありがとう。
お母さんに怒られたとき、一緒に謝ってくれてありがとう。
お父さんが熱を出した時、代りに畑を手伝ってくれてありがとう。
次はいつ会えるの?
次はいつ遊べる?
待ってるからね。また一緒に遊ぼうね!』
『ルシさんへ
いつも息子と遊んでくれてありがとうございます。
息子は本当にルシさんのことが大好きで、いつもルシさんの話ばかりしています。
息子だけじゃありません。
私も、私の妻も、ルシさんには本当に助けてもらいました。
ルシさんからは色んなものをいただいたのに、何もお返しできなくてすいません。
またいつか、息子と遊んでやってください。
・・・あの、さっきの「ルシさんからは色んなものをいただいたのに」っていう部分なんですけど、色んなものっていうのは食べ物とかだけじゃなくて、思いやりとか優しさとかそういう気持ち的なものも含めての色んなものなんですけど、「色んなもの」だけで伝わりますかね?
あと、「私も、私の妻も、ルシさんには本当に助けてもらいました」のところなんですけど、
「私たち家族は、ルシさんに何度も何度も助けていただきました」に変更できますか?
それからですね・・・』
『ルシくんへ
ルシくんがいなくなって、みんな寂しがってるよ。
そっちでは元気でやっているのかしら?
私も歳だからすぐそっちに行くことになると思うけど、その時はまた一緒にお散歩でもしましょうね』
『ルシへ
おうルシ!元気か!?
俺もすぐそっちに行くことになると思うからよ、そん時はまた俺に付き合ってくれよ。
そっちじゃ朝から晩まで酒呑んででも、誰も怒る奴なんていねぇだろ?
お前と呑む酒は一段と美味いからな。
俺の席もちゃんと取っておいてくれよ』
『ルシへ
何やってんだよ。
なにアマリアちゃん悲しませてんだよ。
今度会った時にぜってぇ殴るから。
お前がいなくなったら、俺は妻の愚痴を誰にこぼせばいいんだよ?
お前がいなくなったら、俺は誰と馬鹿話すりゃいいんだよ?
早すぎるだろ、馬鹿野郎が』
『ルシくんへ
ルシくん、お元気ですか?
昔、私と妹と三人で料理を作った時のこと覚えてる?
アマリアちゃんが誕生日だから、サプライズで何か作ってあげたいって。
でも、ルシくん絶望的に料理下手だったよね。
ルシくんには申し訳ないけど、あれは笑っちゃったな。
だって、全部の料理がちょっとだけ焦げてるんだもん。
どう料理したらサラダが焦げるのよ。
レタスちぎって、その上にトマトを置くだけだよ?
でも、アマリアちゃんはルシくんのそういうところも大好きなんだと思う。
アマリアちゃんのことは任せて。
何があっても、アマリアちゃんのことは村の人たちみんなで守るから』
『ルシさんへ
ルシさんには本当にお世話になり、感謝してもしきれません。
学の無い僕に読み書きを教えてくれたり、作物の育て方を一から教えてくれたり。
今は父の畑の一部を借りて、トウモロコシを作っています。
いつかルシさんにも、僕の作ったトウモロコシを食べてもらいたいです』
『ルシくんへ
娘と一緒になってくれてありがとう。
何も無いこの村に住む娘の生活に彩を与えてくれてありがとう。
ルシくんが来てから、娘は人が変わったように生き生きとした表情をするようになりました。
娘だけじゃありません。
ルシくんが来てから、この村には笑顔が増えました。
ルシくんと出会ってから、毎日が楽しくなりました。
こんな世界でも、生きていることが素晴らしいと思えるようになりました。
常に私達のことを気にかけて、毎日私達に会いに来てくれてありがとう。
ルシくん、あなたは私達の大切な息子です』
ルシ宛ての手紙は50通近くあった。
ココルは頭の中にあるルシ宛ての手紙を、一つ一つ丁寧に読み上げた。
そんなココルの独り言を、女将はボロボロと涙をこぼしながら黙って聞いていた。
「ありがとうね、ココルちゃん」
「何がですか?僕はただ独り言を呟いていただけなので」
「そうだったわね。それじゃあ、これは私の独り言ってことで」
女将はココルの手をギュッと握ると、「ありがとう、運び屋さん」と言った。
「そうだ、女将さん宛に大切な手紙を預かっていたことをすっかり忘れていました」
「私宛の手紙?」
「そうです、女将さん宛の手紙です。今お伝えしても良いですか?」
『初めまして、アマリアと申します。この度はご連絡が遅くなり大変申し訳ございません。本来であればすぐにでもご連絡すべきところを、こんなに時間がかかってしまい本当に申し訳ありませんでした。
私はネジキリ村でルシさんと結婚し、ルシさんと一緒に暮らしていました。
3年というあまりにも短過ぎる時間でしたが、ルシさんからはこの手紙では書ききれないくらい多くの大切なものをいただきました。
ですので、いつかお母さんに会いに行っても良いでしょうか?
ルシさんと過ごしたかけがえのない日々がどれほど素晴らしいものだったかを、お母さんに聞いていただきたいです。
小さい頃のルシさんや、私の知らないお母さんだけが知っているルシさんの話を聞きたいです。
いつか必ず、ご挨拶に伺います。
いつか必ず、お母さんに会いに行きます。
・・・勝手にお母さんと呼んですいません。でも、お母さんと呼んでいいでしょうか?
私のお母さんになってくれますか?
お母さんと会える日を楽しみにしています』
アマリアからの手紙を聞いた女将は、「アマリアさんはきっと素敵な方なんでしょうね。あぁ、早く娘に会いたいなぁ」と笑顔でココルに言った。
「ココルちゃん、今日はもう遅いし泊まっていきなさいよ!」
「良いんですか?」
「もちろんよ!夕ご飯も食べるでしょ?すぐ作るからちょっとだけ待っててちょうだいね、ココルちゃんには特別に息子の大好物をご馳走してあげるわ」
ココルが居間で料理が出来上がるのを待っていると、たまご焼きの甘くていい匂いが漂ってきた。
「あら!ココルちゃん!」
ココルはネジキリ村を出ると、真っ先に女将のいる宿屋へと足を運んだ。
「ネジキリ村には無事に着けたの?」
「はい、おかげさまで」
「それは良かったわ。それで、息子は元気にしていたかしら?」
「・・・女将さん、落ち着いて聞いてもらってもいいですか」
ココルは女将に全てを話した。
ルシが病気で亡くなっていたこと。
村人たちからルシ宛ての手紙を預かったこと。
ルシが村人たちから愛されていたこと。
ルシが村人たちの大きな支えになっていたこと。
ネジキリ村で見たものや聞いたことの全てを女将に話した。
「ルシさんは村の人たちから本当に愛されていました。村の人たちは皆、ルシさんの事が大好きでした。ルシさん宛ての手紙は、この先もずっと僕が責任をもって大切に記憶しておきます」
村人たちからルシに宛てた手紙を読めば、ルシがいかに愛されていたかが分かるはずだ。
ルシがネジキリ村の人たちをどれだけ好きだったかが伝わるはずだ。
でも、送り先の相手以外に手紙の内容を伝えることは規則で禁止されている。
それが亡くなった息子の母親であっても、規則は絶対だった。
「ありがとうね、ココルちゃん。わざわざ伝えに来てくれたのね」
女将は笑顔で言った。
目は真っ赤で、今にも泣き出しそうな表情だったけれど、必死に笑顔を作っていた。
それは、ココルを気遣ってのことだった。
何日も歩き続けて息子のことを伝えに来てくれたのに、自分が泣いてしまったらココルがいらぬ責任を感じてしまうかもしれない。後ろめたさを感じてしまうかもしれない。
本当は今すぐにでも泣きたいはずなのに、彼女は決して涙を見せなかった。
女将のその優しさが。ココルには余計に辛かった。
「・・・女将さん、すいませんがちょっとだけ独り言を呟きます。本当にただの独り言なので、どうか気にしないでください」
そう言うと、ココルはゆっくりと目を閉じた。
『ルシお兄ちゃんへ
いつも一緒に遊んでくれてありがとう。
お母さんに怒られたとき、一緒に謝ってくれてありがとう。
お父さんが熱を出した時、代りに畑を手伝ってくれてありがとう。
次はいつ会えるの?
次はいつ遊べる?
待ってるからね。また一緒に遊ぼうね!』
『ルシさんへ
いつも息子と遊んでくれてありがとうございます。
息子は本当にルシさんのことが大好きで、いつもルシさんの話ばかりしています。
息子だけじゃありません。
私も、私の妻も、ルシさんには本当に助けてもらいました。
ルシさんからは色んなものをいただいたのに、何もお返しできなくてすいません。
またいつか、息子と遊んでやってください。
・・・あの、さっきの「ルシさんからは色んなものをいただいたのに」っていう部分なんですけど、色んなものっていうのは食べ物とかだけじゃなくて、思いやりとか優しさとかそういう気持ち的なものも含めての色んなものなんですけど、「色んなもの」だけで伝わりますかね?
あと、「私も、私の妻も、ルシさんには本当に助けてもらいました」のところなんですけど、
「私たち家族は、ルシさんに何度も何度も助けていただきました」に変更できますか?
それからですね・・・』
『ルシくんへ
ルシくんがいなくなって、みんな寂しがってるよ。
そっちでは元気でやっているのかしら?
私も歳だからすぐそっちに行くことになると思うけど、その時はまた一緒にお散歩でもしましょうね』
『ルシへ
おうルシ!元気か!?
俺もすぐそっちに行くことになると思うからよ、そん時はまた俺に付き合ってくれよ。
そっちじゃ朝から晩まで酒呑んででも、誰も怒る奴なんていねぇだろ?
お前と呑む酒は一段と美味いからな。
俺の席もちゃんと取っておいてくれよ』
『ルシへ
何やってんだよ。
なにアマリアちゃん悲しませてんだよ。
今度会った時にぜってぇ殴るから。
お前がいなくなったら、俺は妻の愚痴を誰にこぼせばいいんだよ?
お前がいなくなったら、俺は誰と馬鹿話すりゃいいんだよ?
早すぎるだろ、馬鹿野郎が』
『ルシくんへ
ルシくん、お元気ですか?
昔、私と妹と三人で料理を作った時のこと覚えてる?
アマリアちゃんが誕生日だから、サプライズで何か作ってあげたいって。
でも、ルシくん絶望的に料理下手だったよね。
ルシくんには申し訳ないけど、あれは笑っちゃったな。
だって、全部の料理がちょっとだけ焦げてるんだもん。
どう料理したらサラダが焦げるのよ。
レタスちぎって、その上にトマトを置くだけだよ?
でも、アマリアちゃんはルシくんのそういうところも大好きなんだと思う。
アマリアちゃんのことは任せて。
何があっても、アマリアちゃんのことは村の人たちみんなで守るから』
『ルシさんへ
ルシさんには本当にお世話になり、感謝してもしきれません。
学の無い僕に読み書きを教えてくれたり、作物の育て方を一から教えてくれたり。
今は父の畑の一部を借りて、トウモロコシを作っています。
いつかルシさんにも、僕の作ったトウモロコシを食べてもらいたいです』
『ルシくんへ
娘と一緒になってくれてありがとう。
何も無いこの村に住む娘の生活に彩を与えてくれてありがとう。
ルシくんが来てから、娘は人が変わったように生き生きとした表情をするようになりました。
娘だけじゃありません。
ルシくんが来てから、この村には笑顔が増えました。
ルシくんと出会ってから、毎日が楽しくなりました。
こんな世界でも、生きていることが素晴らしいと思えるようになりました。
常に私達のことを気にかけて、毎日私達に会いに来てくれてありがとう。
ルシくん、あなたは私達の大切な息子です』
ルシ宛ての手紙は50通近くあった。
ココルは頭の中にあるルシ宛ての手紙を、一つ一つ丁寧に読み上げた。
そんなココルの独り言を、女将はボロボロと涙をこぼしながら黙って聞いていた。
「ありがとうね、ココルちゃん」
「何がですか?僕はただ独り言を呟いていただけなので」
「そうだったわね。それじゃあ、これは私の独り言ってことで」
女将はココルの手をギュッと握ると、「ありがとう、運び屋さん」と言った。
「そうだ、女将さん宛に大切な手紙を預かっていたことをすっかり忘れていました」
「私宛の手紙?」
「そうです、女将さん宛の手紙です。今お伝えしても良いですか?」
『初めまして、アマリアと申します。この度はご連絡が遅くなり大変申し訳ございません。本来であればすぐにでもご連絡すべきところを、こんなに時間がかかってしまい本当に申し訳ありませんでした。
私はネジキリ村でルシさんと結婚し、ルシさんと一緒に暮らしていました。
3年というあまりにも短過ぎる時間でしたが、ルシさんからはこの手紙では書ききれないくらい多くの大切なものをいただきました。
ですので、いつかお母さんに会いに行っても良いでしょうか?
ルシさんと過ごしたかけがえのない日々がどれほど素晴らしいものだったかを、お母さんに聞いていただきたいです。
小さい頃のルシさんや、私の知らないお母さんだけが知っているルシさんの話を聞きたいです。
いつか必ず、ご挨拶に伺います。
いつか必ず、お母さんに会いに行きます。
・・・勝手にお母さんと呼んですいません。でも、お母さんと呼んでいいでしょうか?
私のお母さんになってくれますか?
お母さんと会える日を楽しみにしています』
アマリアからの手紙を聞いた女将は、「アマリアさんはきっと素敵な方なんでしょうね。あぁ、早く娘に会いたいなぁ」と笑顔でココルに言った。
「ココルちゃん、今日はもう遅いし泊まっていきなさいよ!」
「良いんですか?」
「もちろんよ!夕ご飯も食べるでしょ?すぐ作るからちょっとだけ待っててちょうだいね、ココルちゃんには特別に息子の大好物をご馳走してあげるわ」
ココルが居間で料理が出来上がるのを待っていると、たまご焼きの甘くていい匂いが漂ってきた。
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
冬に鳴く蝉
橋本洋一
SF
時は幕末。東北地方の小さな藩、天道藩の下級武士である青葉蝶次郎は怠惰な生活を送っていた。上司に叱責されながらも自分の現状を変えようとしなかった。そんなある日、酒場からの帰り道で閃光と共に現れた女性、瀬美と出会う。彼女はロボットで青葉蝶次郎を守るために六百四十年後の未来からやってきたと言う。蝶次郎は自身を守るため、彼女と一緒に暮らすことを決意する。しかし天道藩には『二十年前の物の怪』という事件があって――
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
リインカーネーション
たかひらひでひこ
SF
いく度もの転生、再びの出会いを繰り返す、えにしの者たち。
それぞれが綾なす人生は、どう移り変わっていくのか。
オレは、新しき出会いに、めまぐるしく運命を変遷させる。
ラスト・アニバーサリー
ちみあくた
SF
平凡な公認会計士である「私」は、山奥にある不釣り合いな高級別荘で、ある朝、目を覚ました。
起こしてくれたのは「妻」だ。
三十代後半で未だ若々しい「妻」、その優しい笑顔に癒され、体を起こして部屋のカーテンを開くと眩い日差しが差し込んで来る。
美しく、平和な朝だ。
幸せを感じて良い筈なのに、奇妙な不安が胸を過る。何故か、ここへ来た経緯、ここ数日間の記憶が全く残っていない。
しばらく前の出来事なら覚えているのに、何故、最近の事だけ判らないのだろう?
「私」も「妻」も携帯電話を持っておらず、家の中にはテレビが無い。だから、外の情報は一切入らない。
唯一の情報源、居間に置かれたタブレット端末だけは問題なく起動し、少々胡散臭い「妻」の弟が画面へ現れて、「私」の質問へ答える代りに言った。
「姉さん、夫婦水入らずで楽しく過ごして欲しい。できれば、この世の終わりまで……」
エブリスタ、小説家になろう、ノベルアップ+にも投稿しております。
長く短い真夏の殺意
神原オホカミ【書籍発売中】
SF
人間を襲わないはずのロボットによる殺人事件。その犯行の動機と真実――
とある真夏の昼下がり、惨殺された男性の死体が見つかった。
犯人は、人間を襲わないはずの執事型ロボット。
その犯行の動機と真実とは……?
◆表紙画像は簡単表紙メーカー様で作成しています。
◆無断転写や内容の模倣はご遠慮ください。
◆文章をAI学習に使うことは絶対にしないでください。
◆アルファポリスさん/エブリスタさん/カクヨムさん/なろうさんで掲載してます。
〇構想執筆:2020年、改稿投稿:2024年
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる