愛に縛られ、愛に溺れる

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｢ん、あっ｣

　ぞわりとする快楽に、水瀬は胸を逸らそうと藻掻く。

｢あんまり暴れると、噛みつきますよ｣

　軽く歯を立てられ、鈍い痛みに水瀬は涙目で抵抗をやめる。生暖かな濡れた感触に弄ばれ、くすぐったさと情欲に翻弄されてしまう。

｢触って欲しいですか？｣

　布越しに下肢に触れ、鳴河が問う。
　今にも崩れそうな理性を堪え、水瀬は首を横に振る。あくまでも不本意な行為であることを示したかった。

｢じゃあ、ずっと舐めてますよ｣

　鳴河は冷めた声音で言うと、早々に頭を下げる。濡れた乳輪を今度は右手で触りながら、片方は口で愛撫し始める。
　堪らず水瀬は甘い嬌声を上げる。身体中が燃えるように熱くなり、今すぐでも解放して欲しいと、痛みが襲う。

｢なるかわ……｣

　縋るような目を向けると、鳴河が上目遣いにこちらを見ていた。

｢ちゃんと口にしてください。どうして欲しいんですか？｣

　水瀬は震える唇で｢触って欲しい｣と告げる。これ以上、じらされるのは耐えられなかった。

｢いいですよ｣

　鳴河の手が昂ぶりに触れる。思わず腰が揺れた。

｢ぬるぬるじゃないですか。染みが出来てますよ｣

　ぬめりを帯びた布でこすられ、強い快感に水瀬はめまいがした。
　ズボンと下着を下ろされると、濡れた昂ぶりが晒される。

｢こっちまで垂れてますよ｣

　鳴河の指が双丘の間を割り、窄まりを摩る。自分の淫らさを突きつけられ、水瀬の頬が一気に火照る。
　行き来を繰り返していた指が、ゆっくりと中に差し込まれていく。探るような動きですら、水瀬には耐えがたい程の刺激だった。

｢ぁっ……ん、はぁ……｣

　身体をよじる度に、縛られた手首が痛む。それすらも一つの扇情と化していた。

｢……俺も今日は、我慢できないです｣

　鳴河が熱い息を吐く。ガチャガチャとベルトを緩め、前をくつろげる。腹に付かんばかりに反り返った熱を前に、水瀬は息を呑む。