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「……なるかわ」
半ば泣きそうになりながら、水瀬は羞恥を味わう。抵抗したい気持ちもあったが、激しく暴れて鳴河を傷つけるのも嫌だという気持ちもあった。
抵抗が緩むと、慎重だった指の動きが大胆なものに変わる。
「んっ、あ……ッ」
ビクンと身体が跳ね、堪らずに声が漏れてしまう。
「覚えてますよ。理玖さんのことなら、どんなことでも」
容赦なく、泣き所を攻めたてられる。熱を吐き出したばかりなのに、すでにそこは解放を求めて怒張していた。
「早いですね。そんなに、欲求不満だったんですか? それとも、普段のセックスに満足してないとか」
水瀬は首を横に振る。それでも、胸の奥底では、久賀の慎重で優しい愛撫を物足りないと思う気持ちは否定出来なかった。
「じゃあ、どんなセックスをしてるか、教えてください」
鳴河は冷ややかな声で問う。
同時に中を弄ぶ手をそのままに、もう片方の手は水瀬の昂ぶりの先端を撫でる。浮き出た蜜を溢れさせるように切れ目をなぞられ、水瀬は嬌声を上げる。
「こんな風に、ちゃんと理玖さんが喜ぶようなやり方ですか? 好きですよね? 中と外、一緒に虐められるのが」
高まる熱とは正反対に、水瀬の心は冷えていく。
人が変わったかのような鳴河の言動。
悪魔に変えてしまったのは自分なのだと、水瀬は犯した罪の重さを知る。
だが、謝った所で鳴河は目を覚ましはしないだろう。先ほどの謝罪を一蹴したのだから。
どうすれば良いのかと、水瀬は快楽に溺れながらも考えようと試みる。
だが、そんな水瀬の心境に知ってか知らずか、鳴河の手が離れる。それを安堵するほど、水瀬は初心ではなかった。
鳴河の手が水瀬の太ももを左右に広げて抱え込む。案の定、別の熱が後孔に触れ、水瀬の心臓が強く打ちだす。
「今は俺だけのことを考えてください」
突然、水瀬の目元が軽くなる。目隠しを外され、眩しい光源の中に鳴河の影が落ちる。
半ば泣きそうになりながら、水瀬は羞恥を味わう。抵抗したい気持ちもあったが、激しく暴れて鳴河を傷つけるのも嫌だという気持ちもあった。
抵抗が緩むと、慎重だった指の動きが大胆なものに変わる。
「んっ、あ……ッ」
ビクンと身体が跳ね、堪らずに声が漏れてしまう。
「覚えてますよ。理玖さんのことなら、どんなことでも」
容赦なく、泣き所を攻めたてられる。熱を吐き出したばかりなのに、すでにそこは解放を求めて怒張していた。
「早いですね。そんなに、欲求不満だったんですか? それとも、普段のセックスに満足してないとか」
水瀬は首を横に振る。それでも、胸の奥底では、久賀の慎重で優しい愛撫を物足りないと思う気持ちは否定出来なかった。
「じゃあ、どんなセックスをしてるか、教えてください」
鳴河は冷ややかな声で問う。
同時に中を弄ぶ手をそのままに、もう片方の手は水瀬の昂ぶりの先端を撫でる。浮き出た蜜を溢れさせるように切れ目をなぞられ、水瀬は嬌声を上げる。
「こんな風に、ちゃんと理玖さんが喜ぶようなやり方ですか? 好きですよね? 中と外、一緒に虐められるのが」
高まる熱とは正反対に、水瀬の心は冷えていく。
人が変わったかのような鳴河の言動。
悪魔に変えてしまったのは自分なのだと、水瀬は犯した罪の重さを知る。
だが、謝った所で鳴河は目を覚ましはしないだろう。先ほどの謝罪を一蹴したのだから。
どうすれば良いのかと、水瀬は快楽に溺れながらも考えようと試みる。
だが、そんな水瀬の心境に知ってか知らずか、鳴河の手が離れる。それを安堵するほど、水瀬は初心ではなかった。
鳴河の手が水瀬の太ももを左右に広げて抱え込む。案の定、別の熱が後孔に触れ、水瀬の心臓が強く打ちだす。
「今は俺だけのことを考えてください」
突然、水瀬の目元が軽くなる。目隠しを外され、眩しい光源の中に鳴河の影が落ちる。
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