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第五章「計画」
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しおりを挟む「やっぱり泰明って、保護者気質があるのかな」
思い過ごしかもしれないけれど、少し不安に思って神近くんに視線を向ける。
「さっきの話から鑑みて、好意があるとは考えないんですか?」
もう救えないといった表情の神近くん。内心、僕だってゼロじゃないことは分かっている。でも認めたくはなかったのだ。
泰明とは高一からの付き合いで、まだ歴は浅い。それでもお互いに悩み事や、過去の淡い恋の話を語り合った仲でもあった。
でも僕からしたら、どう考えても唸っても親友以上にはなれるとは思えない。
「俺と付き合ってるって知った鐘島先輩が告白してきたら……どうするんですか?」
「もちろん断るよ」
それだけは僕はきっぱりと言い切った。
「……そうですか」
神近くんは少しだけホッとしたように表情が柔らかくなる。
「僕は浮気はしないし、一途な質なんだ」
「俺、先輩のそういうハッキリしてるとこ嫌いじゃないですよ」
「そこさぁ、好きって言えないの?」
嫌いじゃないという言葉は裏を返せば、好きと言っているのだと伝わりはする。でも普通に好きですと言えばいい話だ。
「……別にいいじゃないですか。それより、いつ話すんですか? 俺の実家に行く前にケリを付けないと、鐘島先輩が追っかけて来そうなんですけど」
本体とも限りませんが、と神近くんが笑えない冗談をかましてくる。
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