上 下
123 / 259
第四章「嫉妬」

29

しおりを挟む

「何ジロジロ見てるんですか? 俺の方が立派で羨ましい、とでも考えてるんですか?」

 神近くんがニヤニヤしながら、服を着つけていく。

「ち、違うよ!そんなに変わらないじゃん」

 僕は慌てて否定するも、本当は神近くんの方が僕のより立派で、あんなのが入ってたのかと驚いていた事には間違いない。

 今も少しお尻に違和感があるし、腰も心なしか痛い気もした。

「じゃあ、何ですか?」

「神近くんが手慣れてるから……経験豊富なのかなって……」

 僕はどうしても拗ねたような口調になってしまう。神近くんは無愛想だけど、容姿端麗だし恋人の一人や二人いたっておかしくないことだ。分かっていても、心のモヤモヤが晴れてはくれない。

「妬いてくれるんですか?」

 神近くんが這うように僕に近づくと、少しだけ優しいトーンで「そういうのは、あえて聞かない物ですよ」と言って僕の頬を触れた。

「俺だってそんなに経験ないですから。いろいろ調べたりしただけです」

「調べたの?」

「だから、あんまり聞かないでください」

 言うなり顎を掴まれキスされると、「夕飯作ってきます」と言って神近くんはベッドから降りていく。

 僕は少し拍子抜けしてしまう。まさか神近くんはこうなることを予想して、いろいろと考えていてくれたと言う事なのだろうか……

 僕はむず痒い気持ちになって、これ以上は突っ込まないようにしようと心に決めたのだった。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

寮生活のイジメ【社会人版】

ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説 【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】 全四話 毎週日曜日の正午に一話ずつ公開

柔道部

むちむちボディ
BL
とある高校の柔道部で起こる秘め事について書いてみます。

放課後教室

Kokonuca.
BL
ある放課後の教室で彼に起こった凶事からすべて始まる

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

冴えないおじさんが雌になっちゃうお話。

丸井まー(旧:まー)
BL
馴染みの居酒屋で冴えないおじさんが雌オチしちゃうお話。 イケメン青年×オッサン。 リクエストをくださった棗様に捧げます! 【リクエスト】冴えないおじさんリーマンの雌オチ。 楽しいリクエストをありがとうございました! ※ムーンライトノベルズさんでも公開しております。

大学生はバックヤードで

リリーブルー
BL
大学生がクラブのバックヤードにつれこまれ初体験にあえぐ。

「優秀で美青年な友人の精液を飲むと頭が良くなってイケメンになれるらしい」ので、友人にお願いしてみた。

和泉奏
BL
頭も良くて美青年な完璧男な友人から液を搾取する話。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

処理中です...