君との怪異に僕は溺れる

第四章「嫉妬」

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　するとその数日後、姉のもとに彼氏から連絡があって跡を付けられていると言われたのだ。

　早速姉は彼氏の元に行き、明らかに彼氏の跡をつけている女に声をかけた。僕からしたら、よくストーカーするような女に声かけられるよなと思うが、姉なのだから仕方がない。

　とにかく、姉はその女に「私の彼氏に何か用？」と声をかけた。すると女が「アナタのじゃない……私が本命でアナタはサブなの」と女は笑う。

　負けじと姉も「本命ならなんで正々堂々と、彼の隣に並ばないの？」と聞くと、「彼は本命は隠す主義みたい」と訳のわからない事を言い出した。

　一方の彼は完全に蚊帳の外の状態で、二人の様子を離れた場所から傍観していた。その時点で姉は、彼に対してどんどん冷めていったようだ。

「とにかく、もう彼には付きまとわないで」

　埒が明かないと判断した姉は、女にそう言い放つと踵を返す。そこで女は「アナタの弟、可愛いね。いいなぁーいいなぁー弟くんも欲しいなぁー」と言うなり笑いだしたそうだ。

　さすがに姉も気味が悪いと感じたらしく、彼氏の腕を引いてその場を立ち去った。

　後に姉は、何でそんな大事な事を黙っていたのかと詰め寄った。そこで実は、姉と交際中の浮気だったと白日の下に晒されて、結局は破局に至ったと言う事だ。