君との怪異に僕は溺れる

箕田 悠

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第三章「訪問」

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 翌日は昼近くまで二人で爆睡してしまい、慌てて起きた時には強い日差しがカーテンから差し込んでいた。

「夏休み初日から寝坊したね……」

 僕がポツリと零すと、神近くんは怠そうに体を起こしてベッドから降りる。

「準備したら駅まで送って行きます。駅近くで適当にご飯食べましょう」

 神近くんはまだ眠たげな表情で、キッチンへと向かって行く。

 僕も窓を開けると、昨日洗ってベランダに干してくれていた制服のシャツ取り込む。

 外からの強い日差しと熱風がブワッと襲いかかり、ちょっと窓を開けただけにも関わらず、既にじっとりとした汗を掻いてしまう。

「神近くん! 大変だよ!」

 すぐさま窓を閉めた僕は、振り返ってキッチンに向かって声をかける。

「何がですか?」

 顔を洗った神近くんが、部屋に戻ってきて眉を顰めた。

「外がめちゃくちゃ暑い!」

 ずっと外にいたら死んでしまいそうなぐらいの暑さだった。駅まで徒歩二十分。果たして生きてたどり着けるのだろうか。そう思わされてしまうほどに、外は灼熱地獄だった。

「夏ですから当たり前じゃないですか」

 神近くんはくだらないといったように、タンスから服を取り出して着替え始める。

 細くて白い素肌がさらけ出され、僕は思わず目のやり場に困ってしまう。心臓が高速に打ち鳴らし、ベッドに座り込むと視線を俯ける。


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