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第三章「訪問」
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しおりを挟むちょうど心霊特集をやっていて、僕はさすがにチャンネルを変えた。さすがにあんなことがあった部屋で、見るのは耐えられない。
無機質な笑い声が流れるバラエティー番組が映し出され、僕はほっと息を吐きだす。
いつもだったら集中してテレビをみれるはずが、今日は今までにないことの連続で、何だか夢見心地な気分でぼーっとしていた。
緊張から解き放たれて、お腹も満たされたせいなのか、急激な睡魔までもが押し寄せる。気づけば僕は舟をこいでいた。抱えていた膝に顔を何度も打っちつけては、神近くんを待たなきゃと慌てて意識を保とうと務めた。
何度かそれを繰り返していると、やっと神近くんが部屋に戻ってくる。その気配に僕は目を擦りつつ、神近くんを見上げた。
「眠そうですね」
神近くんがタオルで髪を拭きつつ、ベッドに腰かける。
「……うん。ちょっとね」
「少し早いですけど、寝ますか?」
「……うーん」
半ば夢見心地の僕は、返事もいい加減になってしまう。
「そこで寝られても邪魔なんですけど」
不機嫌そうな声に僕は「うーん」と間延びした声を再度繰り返す。膝に顔を埋め、何度も闇の中に意識が引き込まれてしまいそうになる。
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