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第二章「正真」

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「しかし……連絡が取れないのは心配だな。一人暮らしをしているようだし……君は家に行った事は?」

「ないです」

「……そうか。私からも連絡しておこう」

 少し取っ付きにくそうな雰囲気ではあったけど、教師らしく生徒を気遣う様子には好感が持てる。

 僕はお礼を言って職員室を出ると、スマホを取り出す。

 やっぱり神近くんからは連絡が来ていない。今度はメールではなく、電話をしてみようと思いつき呼び出しをかける。

 何コール目かで『……もしもし』と怪訝そうな声で電話が繋がった。

「あっ、神近くん? 僕だけど、大丈夫?」

『……あぁ、先輩ですか。何か用ですか?』

 不機嫌そうな声音に僕は、少しだけ落ち込んでしまう。

「昨日も今日も部室が開いてなかったから……僕のせいでぶり返しちゃったかなと思って……」

『先輩のせいではないとは言えませんが、問題はないです』

 やっぱり僕にせいじゃないか……それなら問題ないはずがない。

「ごめん……僕のせいで……」

 神近くんは特待生なのに、学校を二日も欠席させてしまったのだ。罪悪感に心臓がギュッとされたように痛い。

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