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第二章
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「……引き返すなら今だけど?」
ヒスイの問いかけに天野は首を横に振って、「大丈夫です」と荒い息遣いと共に吐き出す。
答えを聞くや否やグッと腰を進められ、躊躇のない挿入による圧迫感に天野は小さく呻く。最奥まで穿たれ、つま先からゾクゾクとした快楽が駆け上がった。
「ああぁっ……んんっ」
ゆるゆるとした抽送が繰り返され、その度に総毛立つような悦楽が全身を満たしていく。
再び涙が溢れ出し、頬を伝っていく。こんなにも涙が溢れ出てしまうのは、ヒスイに飲まされた液体の効果なのだろうか。
そうでなければ、こんなにも沢山の涙は流せないはずだ。じっとりと濡れた頬に、自分の黒髪が張り付く。
「はぁっ……もう遠慮なく泣いていいから」
ヒスイの甘い声音と共に上体が倒れ、息がかかりそうな距離に近づく。
「ううっ、はぁっ…ん、ああっ――」
ヒスイのモノが再び奥まで入り込み、中を穿たれる。再び絶頂へと押し上げられビクビクと下腹部を震わせてしまう。堪らずに涙を零すと、ヒスイが唇を寄せて舐め取っていく。
「すごく甘い……」
初めて見せる恍惚としたヒスイの表情を、ぼんやりとした目で見つめる。
「癖になりそうだから、あんまりこういう事はしないんだけど」
そう言いつつも、ヒスイは何度も頬に舌を這わせていく。
「っん……」
くすぐったさが甘い快楽へと変わっていき、再び下腹部が熱を帯びていく。
涙に夢中なヒスイがもどかしく、ヒスイの背に腕を回す。理性が欲望に打ち勝って、自ら緩く腰を動かす。ヒスイの腹部に擦れて、先端からは蜜が溢れ出してしまう。
自分がこんなにも快楽に弱く、淫らだとは思ってもみなかった。
「あっ、あっ、ヒスイさんっ」
分かっていても欲求には抗えず、あられもない声を上げていく。
「純粋そうに見えて、全然違った」
ヒスイが小さく笑うとやっと顔をあげる。ヒスイの瞳が濡れていて、今にも宝石のような涙が溢れ出しそうだった。
ヒスイの涙はどんな色をしているのだろう……そっとヒスイの頬に手を伸ばし、優しく触れてみる。低い温度が掌に伝わり、人間ではないのだと痛いほど感じ、胸が締め付けられた。
それでも……たとえお互いが異なった存在だったとしても、愛おしい気持ちを消す事は出来そうもなかった。
「ヒスイさん……もっと……」
ねだるようにヒスイを見上げ、背に回した腕の力を強める。今だけでいいから繋がっていたい。ヒスイには自分だけを見ていて欲しかった。
たとえ記憶が戻らなかったとしても、この幸せな記憶さえあれば何もいらなかった。
ヒスイは少し驚いたように目を見開き、すぐに困ったように口元を緩めた。
「ほんとさ……癖になったら困るんだけど」
ヒスイが小さく呟き上体を起こす。回していた腕が離れた寂しさに、ちょっとしたやるせなさを感じた。
そんな天野の気持ちを知るはずもなく、ヒスイは天野の膝を掴むと、さっきよりも激しい抽送が繰り返されていく。
「あっ! はぁっ……んっ、ん」
視界が激しく揺さぶられ、意識が飛びそうになるほどの快感に目眩が襲い来る。
部屋に響く激しい水音と荒い息遣いが、嫌でも耳につく。酷く淫らな情景が扇情的で、欲望が掻き立てられてしまう。
何度めか分からない絶頂に天野は飲み込まれ、思わずギュッと後孔を締め付けた。
「……っ」
息を詰めたヒスイが腰を奥に打ち付けると、ドクドクと脈打った気配に果てたのだと分かる。
「あっ――」
途端に、視界が暗く閉ざされていく。抗えない闇に飲み込まれるように、天野は静かに意識を手放した。
ヒスイの問いかけに天野は首を横に振って、「大丈夫です」と荒い息遣いと共に吐き出す。
答えを聞くや否やグッと腰を進められ、躊躇のない挿入による圧迫感に天野は小さく呻く。最奥まで穿たれ、つま先からゾクゾクとした快楽が駆け上がった。
「ああぁっ……んんっ」
ゆるゆるとした抽送が繰り返され、その度に総毛立つような悦楽が全身を満たしていく。
再び涙が溢れ出し、頬を伝っていく。こんなにも涙が溢れ出てしまうのは、ヒスイに飲まされた液体の効果なのだろうか。
そうでなければ、こんなにも沢山の涙は流せないはずだ。じっとりと濡れた頬に、自分の黒髪が張り付く。
「はぁっ……もう遠慮なく泣いていいから」
ヒスイの甘い声音と共に上体が倒れ、息がかかりそうな距離に近づく。
「ううっ、はぁっ…ん、ああっ――」
ヒスイのモノが再び奥まで入り込み、中を穿たれる。再び絶頂へと押し上げられビクビクと下腹部を震わせてしまう。堪らずに涙を零すと、ヒスイが唇を寄せて舐め取っていく。
「すごく甘い……」
初めて見せる恍惚としたヒスイの表情を、ぼんやりとした目で見つめる。
「癖になりそうだから、あんまりこういう事はしないんだけど」
そう言いつつも、ヒスイは何度も頬に舌を這わせていく。
「っん……」
くすぐったさが甘い快楽へと変わっていき、再び下腹部が熱を帯びていく。
涙に夢中なヒスイがもどかしく、ヒスイの背に腕を回す。理性が欲望に打ち勝って、自ら緩く腰を動かす。ヒスイの腹部に擦れて、先端からは蜜が溢れ出してしまう。
自分がこんなにも快楽に弱く、淫らだとは思ってもみなかった。
「あっ、あっ、ヒスイさんっ」
分かっていても欲求には抗えず、あられもない声を上げていく。
「純粋そうに見えて、全然違った」
ヒスイが小さく笑うとやっと顔をあげる。ヒスイの瞳が濡れていて、今にも宝石のような涙が溢れ出しそうだった。
ヒスイの涙はどんな色をしているのだろう……そっとヒスイの頬に手を伸ばし、優しく触れてみる。低い温度が掌に伝わり、人間ではないのだと痛いほど感じ、胸が締め付けられた。
それでも……たとえお互いが異なった存在だったとしても、愛おしい気持ちを消す事は出来そうもなかった。
「ヒスイさん……もっと……」
ねだるようにヒスイを見上げ、背に回した腕の力を強める。今だけでいいから繋がっていたい。ヒスイには自分だけを見ていて欲しかった。
たとえ記憶が戻らなかったとしても、この幸せな記憶さえあれば何もいらなかった。
ヒスイは少し驚いたように目を見開き、すぐに困ったように口元を緩めた。
「ほんとさ……癖になったら困るんだけど」
ヒスイが小さく呟き上体を起こす。回していた腕が離れた寂しさに、ちょっとしたやるせなさを感じた。
そんな天野の気持ちを知るはずもなく、ヒスイは天野の膝を掴むと、さっきよりも激しい抽送が繰り返されていく。
「あっ! はぁっ……んっ、ん」
視界が激しく揺さぶられ、意識が飛びそうになるほどの快感に目眩が襲い来る。
部屋に響く激しい水音と荒い息遣いが、嫌でも耳につく。酷く淫らな情景が扇情的で、欲望が掻き立てられてしまう。
何度めか分からない絶頂に天野は飲み込まれ、思わずギュッと後孔を締め付けた。
「……っ」
息を詰めたヒスイが腰を奥に打ち付けると、ドクドクと脈打った気配に果てたのだと分かる。
「あっ――」
途端に、視界が暗く閉ざされていく。抗えない闇に飲み込まれるように、天野は静かに意識を手放した。
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