27 / 80
第27話:静かなる力の目覚め
しおりを挟む
リリアナの中で静かに目覚めつつある力。その感覚は彼女の日常の中で少しずつ、しかし確実に大きくなっていった。今まで自分が心の奥底で感じていた恐れや不安が、次第に薄れていくのを感じるたびに、リリアナは自身が新たなステージに足を踏み入れようとしていることを意識し始めていた。
その朝、リリアナはいつもよりも早く目を覚ました。夜明け前の村は静まり返っており、空にはまだ星が輝いている。リリアナはベッドから起き上がり、窓を開けて新鮮な朝の空気を吸い込んだ。
冷たい風が頬を撫でると、彼女は深く呼吸をしながら、心の中に眠っている力に意識を向けた。
(私は、これから何ができるのだろう……この村を守るために)
その問いは、もはや不安や恐れからくるものではなかった。むしろ、リリアナの中に湧き上がってきたのは、自分に対する強い期待と信頼だった。自分の中に確かに存在する力――それが村を守るために必要だと感じるからこそ、彼女はその力を信じることができた。
朝食を済ませた後、リリアナは診療所に向かった。村の人々が目を覚まし、いつものように広場に集まる姿が見える。リリアナは彼らの穏やかな笑顔を見つめながら、自分が守りたいものがここにあることを再確認した。
エマがいつも通り明るい声でリリアナを出迎える。
「リリアナ様、今日もお元気そうですね! 最近、ますます力強く見えるんですけど、何かいいことでもあったんですか?」
エマの無邪気な質問に、リリアナは微笑んで答えた。
「そうね……最近、少しずつだけど、自分の中にあるものに気付き始めたのかもしれないわ。エマがいつも元気でいてくれるから、私も頑張れるのよ」
リリアナの答えに、エマは嬉しそうに笑った。
「ええ、私もリリアナ様がいれば安心です! どんな困難があっても、リリアナ様がいてくれれば、きっと大丈夫だって思えるんです!」
その言葉に、リリアナは胸が温かくなった。エマの純粋な信頼は、彼女にとって何よりも心強い支えであり、彼女がこの村を守るために頑張る原動力となっていた。
その日の午後、リリアナは村の女性たちと話をしていた。広場に集まった彼女たちは、日常の中の些細な出来事について楽しそうに語り合っている。リリアナはその光景を眺めながら、心の中で安らぎを感じていた。
「リリアナ様、最近は村もだいぶ落ち着いてきましたね。守護者たちのおかげで、私たちも安心して暮らせるようになりました」
一人の女性がそう言って、リリアナに微笑みかけた。リリアナはその言葉を聞いて頷きながら、彼女たちの安心感が自分の力の源泉となっていることを実感していた。
(守護者たちの力は確かに大きいけれど、私もこの村の一部として役割を果たしているのだわ)
彼女の中にある力が、少しずつ形を持ち始めていることを感じながら、リリアナは心の中で静かに決意を固めていった。
夕方になると、リリアナは再び村の外れにある丘へと足を運んだ。丘の上から見下ろす村の風景は、どこか神聖であり、リリアナにとって特別な場所だった。風が優しく吹き抜け、彼女の髪を揺らしていく。
リリアナはそこで静かに瞳を閉じ、心の中にある感情に耳を傾けた。村を守りたいという強い思いが、彼女の中で次第に力強くなっていく。
(私はこの村を守る……そのために、この力を使うのだわ)
その思いが彼女の中で一つの形となって現れた瞬間、リリアナの心の中で何かがはっきりと目覚めた。それは、今まで感じていたものよりもずっと強い力の存在――彼女がこれまで気付いていなかった自分自身の一部だった。
夜、リリアナは自室に戻り、静かに考えていた。外では風が強くなり、木々がざわめいている音が聞こえる。彼女は窓の外を見つめながら、今日感じた力の感覚を反芻していた。
(私は本当に、この力を使えるのだろうか……)
その問いは、かつてのような不安を伴っていなかった。むしろ、それは自分に対する確信をさらに深めるための確認だった。彼女の中にある力が村を守るためのものだということは、今や疑いのない事実だった。
窓を閉め、リリアナはベッドに横たわりながら、心の中で静かに祈るように決意を固めた。
(私は、この村を守るためにこの力を使う。もう迷わない)
その思いが彼女の中で固まった瞬間、リリアナの心に安らぎが広がった。彼女の決意は確固たるものとなり、村を守るために自分がどのように行動すべきかが次第に見えてきた。
翌朝、リリアナは目を覚ますと、すぐに村の外れにある小さな森へ向かった。そこは、彼女が幼い頃に家族とよく訪れた場所だった。リリアナはその森に足を踏み入れると、懐かしい感覚が広がり、心が穏やかになっていく。
森の奥に進むと、リリアナは小さな清流の前で足を止めた。水が澄んだ音を立てて流れるその場所で、彼女は静かに瞳を閉じ、心の中にある力に向き合った。
(この力は、私の中で目覚めつつある……私はそれを受け入れる)
その瞬間、リリアナの中で何かが大きく動き出した。まるで自分自身が自然と一体となり、村全体を守る力が自分の中に流れ込んでくるような感覚が広がった。
それは、恐れや不安とは無縁の、穏やかで力強い感覚だった。リリアナはその感覚を受け入れ、自分の中に確かな力が宿っていることを実感した。
(この力は、私が村を守るためのもの……)
リリアナは心の中でそう確信し、再び目を開けた。彼女の瞳には、これまでにない力強さが宿っていた。
その夜、リリアナは守護者たちとの会合を開くために森の中へと足を運んだ。リーダーをはじめとする守護者たちは、彼女の到着を待っていた。
「リリアナ、お前の中に何かが変わったな」
リーダーの言葉に、リリアナは静かに頷いた。
「ええ、私はようやく自分の力に気付くことができました。この村を守るために、私が持っている力を使う覚悟ができたのです」
リーダーは満足そうに微笑んだ。
「その覚悟があれば、お前はこれからさらに強くなれるだろう。村を守るために、お前の力を信じろ」
リリアナはその言葉を受け入れ、再び心の中で決意を固めた。自分の中にある力を信じ、村を守るために全力を尽くす――それが彼女の使命となった瞬間だった。
その朝、リリアナはいつもよりも早く目を覚ました。夜明け前の村は静まり返っており、空にはまだ星が輝いている。リリアナはベッドから起き上がり、窓を開けて新鮮な朝の空気を吸い込んだ。
冷たい風が頬を撫でると、彼女は深く呼吸をしながら、心の中に眠っている力に意識を向けた。
(私は、これから何ができるのだろう……この村を守るために)
その問いは、もはや不安や恐れからくるものではなかった。むしろ、リリアナの中に湧き上がってきたのは、自分に対する強い期待と信頼だった。自分の中に確かに存在する力――それが村を守るために必要だと感じるからこそ、彼女はその力を信じることができた。
朝食を済ませた後、リリアナは診療所に向かった。村の人々が目を覚まし、いつものように広場に集まる姿が見える。リリアナは彼らの穏やかな笑顔を見つめながら、自分が守りたいものがここにあることを再確認した。
エマがいつも通り明るい声でリリアナを出迎える。
「リリアナ様、今日もお元気そうですね! 最近、ますます力強く見えるんですけど、何かいいことでもあったんですか?」
エマの無邪気な質問に、リリアナは微笑んで答えた。
「そうね……最近、少しずつだけど、自分の中にあるものに気付き始めたのかもしれないわ。エマがいつも元気でいてくれるから、私も頑張れるのよ」
リリアナの答えに、エマは嬉しそうに笑った。
「ええ、私もリリアナ様がいれば安心です! どんな困難があっても、リリアナ様がいてくれれば、きっと大丈夫だって思えるんです!」
その言葉に、リリアナは胸が温かくなった。エマの純粋な信頼は、彼女にとって何よりも心強い支えであり、彼女がこの村を守るために頑張る原動力となっていた。
その日の午後、リリアナは村の女性たちと話をしていた。広場に集まった彼女たちは、日常の中の些細な出来事について楽しそうに語り合っている。リリアナはその光景を眺めながら、心の中で安らぎを感じていた。
「リリアナ様、最近は村もだいぶ落ち着いてきましたね。守護者たちのおかげで、私たちも安心して暮らせるようになりました」
一人の女性がそう言って、リリアナに微笑みかけた。リリアナはその言葉を聞いて頷きながら、彼女たちの安心感が自分の力の源泉となっていることを実感していた。
(守護者たちの力は確かに大きいけれど、私もこの村の一部として役割を果たしているのだわ)
彼女の中にある力が、少しずつ形を持ち始めていることを感じながら、リリアナは心の中で静かに決意を固めていった。
夕方になると、リリアナは再び村の外れにある丘へと足を運んだ。丘の上から見下ろす村の風景は、どこか神聖であり、リリアナにとって特別な場所だった。風が優しく吹き抜け、彼女の髪を揺らしていく。
リリアナはそこで静かに瞳を閉じ、心の中にある感情に耳を傾けた。村を守りたいという強い思いが、彼女の中で次第に力強くなっていく。
(私はこの村を守る……そのために、この力を使うのだわ)
その思いが彼女の中で一つの形となって現れた瞬間、リリアナの心の中で何かがはっきりと目覚めた。それは、今まで感じていたものよりもずっと強い力の存在――彼女がこれまで気付いていなかった自分自身の一部だった。
夜、リリアナは自室に戻り、静かに考えていた。外では風が強くなり、木々がざわめいている音が聞こえる。彼女は窓の外を見つめながら、今日感じた力の感覚を反芻していた。
(私は本当に、この力を使えるのだろうか……)
その問いは、かつてのような不安を伴っていなかった。むしろ、それは自分に対する確信をさらに深めるための確認だった。彼女の中にある力が村を守るためのものだということは、今や疑いのない事実だった。
窓を閉め、リリアナはベッドに横たわりながら、心の中で静かに祈るように決意を固めた。
(私は、この村を守るためにこの力を使う。もう迷わない)
その思いが彼女の中で固まった瞬間、リリアナの心に安らぎが広がった。彼女の決意は確固たるものとなり、村を守るために自分がどのように行動すべきかが次第に見えてきた。
翌朝、リリアナは目を覚ますと、すぐに村の外れにある小さな森へ向かった。そこは、彼女が幼い頃に家族とよく訪れた場所だった。リリアナはその森に足を踏み入れると、懐かしい感覚が広がり、心が穏やかになっていく。
森の奥に進むと、リリアナは小さな清流の前で足を止めた。水が澄んだ音を立てて流れるその場所で、彼女は静かに瞳を閉じ、心の中にある力に向き合った。
(この力は、私の中で目覚めつつある……私はそれを受け入れる)
その瞬間、リリアナの中で何かが大きく動き出した。まるで自分自身が自然と一体となり、村全体を守る力が自分の中に流れ込んでくるような感覚が広がった。
それは、恐れや不安とは無縁の、穏やかで力強い感覚だった。リリアナはその感覚を受け入れ、自分の中に確かな力が宿っていることを実感した。
(この力は、私が村を守るためのもの……)
リリアナは心の中でそう確信し、再び目を開けた。彼女の瞳には、これまでにない力強さが宿っていた。
その夜、リリアナは守護者たちとの会合を開くために森の中へと足を運んだ。リーダーをはじめとする守護者たちは、彼女の到着を待っていた。
「リリアナ、お前の中に何かが変わったな」
リーダーの言葉に、リリアナは静かに頷いた。
「ええ、私はようやく自分の力に気付くことができました。この村を守るために、私が持っている力を使う覚悟ができたのです」
リーダーは満足そうに微笑んだ。
「その覚悟があれば、お前はこれからさらに強くなれるだろう。村を守るために、お前の力を信じろ」
リリアナはその言葉を受け入れ、再び心の中で決意を固めた。自分の中にある力を信じ、村を守るために全力を尽くす――それが彼女の使命となった瞬間だった。
0
お気に入りに追加
95
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
君は妾の子だから、次男がちょうどいい
月山 歩
恋愛
侯爵家のマリアは婚約中だが、彼は王都に住み、彼女は片田舎で遠いため会ったことはなかった。でもある時、マリアは妾の子であると知られる。そんな娘は大事な子息とは結婚させられないと、病気療養中の次男との婚約に一方的に変えさせられる。そして次の日には、迎えの馬車がやって来た。
僕は君を思うと吐き気がする
月山 歩
恋愛
貧乏侯爵家だった私は、お金持ちの夫が亡くなると、次はその弟をあてがわれた。私は、母の生活の支援もしてもらいたいから、拒否できない。今度こそ、新しい夫に愛されてみたいけど、彼は、私を思うと吐き気がするそうです。再び白い結婚が始まった。
廃妃の再婚
束原ミヤコ
恋愛
伯爵家の令嬢としてうまれたフィアナは、母を亡くしてからというもの
父にも第二夫人にも、そして腹違いの妹にも邪険に扱われていた。
ある日フィアナは、川で倒れている青年を助ける。
それから四年後、フィアナの元に国王から結婚の申し込みがくる。
身分差を気にしながらも断ることができず、フィアナは王妃となった。
あの時助けた青年は、国王になっていたのである。
「君を永遠に愛する」と約束をした国王カトル・エスタニアは
結婚してすぐに辺境にて部族の反乱が起こり、平定戦に向かう。
帰還したカトルは、族長の娘であり『精霊の愛し子』と呼ばれている美しい女性イルサナを連れていた。
カトルはイルサナを寵愛しはじめる。
王城にて居場所を失ったフィアナは、聖騎士ユリシアスに下賜されることになる。
ユリシアスは先の戦いで怪我を負い、顔の半分を包帯で覆っている寡黙な男だった。
引け目を感じながらフィアナはユリシアスと過ごすことになる。
ユリシアスと過ごすうち、フィアナは彼と惹かれ合っていく。
だがユリシアスは何かを隠しているようだ。
それはカトルの抱える、真実だった──。
いつか彼女を手に入れる日まで
月山 歩
恋愛
伯爵令嬢の私は、婚約者の邸に馬車で向かっている途中で、馬車が転倒する事故に遭い、治療院に運ばれる。医師に良くなったとしても、足を引きずるようになると言われてしまい、傷物になったからと、格下の私は一方的に婚約破棄される。私はこの先誰かと結婚できるのだろうか?

別に要りませんけど?
ユウキ
恋愛
「お前を愛することは無い!」
そう言ったのは、今日結婚して私の夫となったネイサンだ。夫婦の寝室、これから初夜をという時に投げつけられた言葉に、私は素直に返事をした。
「……別に要りませんけど?」
※Rに触れる様な部分は有りませんが、情事を指す言葉が出ますので念のため。
※なろうでも掲載中

〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる