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第1話:追放への序章
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朝の冷たい空気がリリアナ・フォン・シュタインの肌を包み込む。銀色の長い髪が風に揺れ、紫色の瞳が庭園の景色をゆっくりと見渡していた。まるで、今日という日が特別な意味を持っているかのように――だが、それが何なのかを彼女はまだ知らなかった。
幼少期からの厳格な教育を受け、貴族としての振る舞いを一切の隙なく身につけたリリアナ。誰もが羨む美しさと才能を持ち、完璧な女性として周囲から賞賛される一方で、その冷静さと知性が人々を遠ざけることもあった。
だが、この朝の散歩だけが、彼女にとって唯一の心安らぐ時間だった。足元の小道に咲く美しい花々に目を落としながら、リリアナは自分の呼吸を整える。心の奥に広がる一抹の不安を抑え込むように。
それでも、今日は何かが違う――胸の奥でずっと押し殺していた違和感が、じわじわと膨れ上がっていくのを感じた。
「……どうして、こんなに心がざわつくのかしら」
口に出した言葉は、自分自身に向けたものだった。誰にも聞かれない、誰にも届かない静寂の中で、リリアナは軽くため息をついた。そのとき、彼女の背後から軽い足音が近づく。普段なら無視して歩き続けるところだが、今日は何かが引っかかった。
「リリアナ様」
振り返ると、そこにいたのは幼少期から仕える侍女のエリザだった。彼女の表情がどこか落ち着かない――それがリリアナの不安をさらに強める。
「どうしたの?」
リリアナは軽く首を傾げて問いかける。その仕草さえも高貴で、美しい。その一方で、胸の奥がじわりと冷たくなっていく感覚に気づいた。
「リリアナ様、今すぐ屋敷に戻っていただけますか。急を要する話がございます」
エリザの声はかすかに震えていた。冷静であるべきリリアナの心が、僅かに乱れる。何か大きな出来事が起きている、そんな予感がじわじわと広がる。
「……分かったわ。案内してちょうだい」
エリザに続いて屋敷へと向かうリリアナ。道中、頭の中でさまざまな思考が交錯する。何が起きているのか、誰かが病気なのか、それとも――。だが、冷静さを失わないよう、リリアナは深く息を吸い込んだ。
屋敷に着いた途端、いつもの静けさはどこかへ消え去っていた。廊下には侍女たちが忙しなく動き回り、控えめに囁き合っている。その様子が、さらにリリアナの不安を増幅させる。
(……何かが、本当におかしい)
いつもは厳かで静謐な屋敷が、まるで嵐の前の静けさのように張り詰めた雰囲気を纏っていた。
「リリアナ様、お父上が……」
エリザが声を絞り出すように言う。リリアナの胸が、きゅっと締め付けられる。
(お父様が……?)
何が起こっているのかを知るため、リリアナは自らの歩調を早め、父が待つ書斎へと急いだ。
重厚な扉を開けると、そこには父の厳しい表情が待ち受けていた。普段は穏やかで冷静な父が、今日は何かを決心したかのような硬い顔つきをしている。それが、リリアナの心臓をさらに強く打たせた。
「リリアナ、座りなさい」
父の言葉は短く、冷たい響きを持っていた。まるで、これから何か大きな変化が訪れることを予感させるように。
リリアナは静かに席に着き、父を見つめる。何も言わずとも、心の奥で理解していた。この日が特別な意味を持つ日であることを。
「……何かあったの?」
リリアナは慎重に言葉を選び、父に問いかけた。父の目が一瞬揺らぐが、その表情はすぐに硬く戻る。長い沈黙の後、父はついに口を開いた。
「お前には知ってもらわなければならない。今日、我が家に降りかかる厄災を」
その言葉を聞いた瞬間、リリアナの背中を冷たい汗が流れた。
リリアナは父の言葉に耳を傾けながらも、心の中で大きな不安が波打つのを感じていた。「厄災」とは何を意味するのか、なぜ今このような話をされるのか。彼女の頭の中でさまざまな疑問が渦巻く。
「……厄災、とは?」
彼女の問いかけに、父はため息をついた。その顔には疲れがにじみ出ており、まるで今まで隠してきたすべてを告白しなければならないことに苦悩しているかのようだった。
「リリアナ、お前は知っているだろう。我が家が持つ立場や力が、他の貴族たちにとってどれほどの脅威であるかを」
父の言葉は静かだったが、その一言一言が重くリリアナの胸に響く。
「ええ……もちろんです」
リリアナは頷き、目を伏せた。貴族として育った彼女にとって、権力争いや嫉妬の存在は決して珍しいものではなかった。それでも、父の表情がここまで深刻であるのを目の当たりにするのは初めてだった。
「それだけではない……彼らは今、我が家に対して明確な攻撃を仕掛けてきている。そして、その矛先が……お前に向けられている」
その瞬間、リリアナの胸が凍りついた。
「私に……?」
驚きと恐怖が一気に押し寄せ、冷静さを失いかける。自分が狙われている――そんなことはこれまで考えもしなかった。しかし、父の言葉に嘘はない。彼の表情は、それが単なる陰謀論ではなく、現実のものだということを物語っていた。
「お前を追い出すことで、彼らは我が家を弱体化させようとしている。今や、お前はその犠牲となりつつある」
リリアナは唇を噛みしめた。自分が家族にとって負担になっているという事実に、胸が締め付けられる。だが同時に、何かを変えられるはずだという強い意志も心の奥から湧き上がってくる。
「……それで、どうすればいいのですか?」
彼女は力強く父に尋ねた。ここで怯んではならない。そう自分に言い聞かせ、冷静さを取り戻そうとする。
しかし、父の次の言葉は彼女の期待を打ち砕いた。
「……何もできない」
その言葉が発せられた瞬間、リリアナの心は深い絶望に突き落とされた。まるで、足元から地面が崩れ落ちるような感覚。何もできない? それは、リリアナにとってこれまでの人生の努力がすべて無駄であったかのように感じられる言葉だった。
「そんな……ことが」
リリアナは震える声で呟いた。父が無力感を抱いていることが信じられなかった。これほど強く、家を守ってきた人が、今はただ手をこまねいているだけだという現実が、彼女の心を締め付ける。
「もう決まっているんだ、リリアナ。お前は国外追放されることになる」
父の声は静かだったが、その言葉はリリアナにとって雷鳴のように響いた。追放――それは、彼女のすべてを奪い去るものだ。家族も、名誉も、そしてこれまで築き上げてきた全てが一瞬で失われる。
「……そんな、こと……」
彼女の手が無意識に震え始める。自分の居場所が、一瞬で崩れ去るかのような感覚に耐えられず、息が苦しくなる。けれども、ここで弱さを見せるわけにはいかなかった。
父を見つめるリリアナの目には、わずかながらも決意が宿り始めていた。どんなに厳しい運命が待ち受けていようとも、彼女はそれに立ち向かう力を持っていると信じていた。
「……私は、どうすればいいのですか?」
彼女の声には揺るぎない決意が込められていた。だが、父はその目を見ようとはしなかった。
「リリアナ、私は……もう、どうすることもできない」
その言葉が、リリアナにとって最後の打撃となった。彼女の目の前にあった希望の光は、完全に消え去り、残ったのは冷たい現実だけだった。胸の中に広がる深い悲しみと絶望を噛みしめながら、リリアナは静かに立ち上がった。
「分かりました、お父様」
彼女は静かにそう言い、部屋を出ようとした。しかし、振り返らずに立ち去る前に、もう一度だけ父に問いかけた。
「……本当に、もう私には何もできないのですか?」
父は答えなかった。彼の沈黙が、何よりもその答えを明確にしていた。
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だが、この朝の散歩だけが、彼女にとって唯一の心安らぐ時間だった。足元の小道に咲く美しい花々に目を落としながら、リリアナは自分の呼吸を整える。心の奥に広がる一抹の不安を抑え込むように。
それでも、今日は何かが違う――胸の奥でずっと押し殺していた違和感が、じわじわと膨れ上がっていくのを感じた。
「……どうして、こんなに心がざわつくのかしら」
口に出した言葉は、自分自身に向けたものだった。誰にも聞かれない、誰にも届かない静寂の中で、リリアナは軽くため息をついた。そのとき、彼女の背後から軽い足音が近づく。普段なら無視して歩き続けるところだが、今日は何かが引っかかった。
「リリアナ様」
振り返ると、そこにいたのは幼少期から仕える侍女のエリザだった。彼女の表情がどこか落ち着かない――それがリリアナの不安をさらに強める。
「どうしたの?」
リリアナは軽く首を傾げて問いかける。その仕草さえも高貴で、美しい。その一方で、胸の奥がじわりと冷たくなっていく感覚に気づいた。
「リリアナ様、今すぐ屋敷に戻っていただけますか。急を要する話がございます」
エリザの声はかすかに震えていた。冷静であるべきリリアナの心が、僅かに乱れる。何か大きな出来事が起きている、そんな予感がじわじわと広がる。
「……分かったわ。案内してちょうだい」
エリザに続いて屋敷へと向かうリリアナ。道中、頭の中でさまざまな思考が交錯する。何が起きているのか、誰かが病気なのか、それとも――。だが、冷静さを失わないよう、リリアナは深く息を吸い込んだ。
屋敷に着いた途端、いつもの静けさはどこかへ消え去っていた。廊下には侍女たちが忙しなく動き回り、控えめに囁き合っている。その様子が、さらにリリアナの不安を増幅させる。
(……何かが、本当におかしい)
いつもは厳かで静謐な屋敷が、まるで嵐の前の静けさのように張り詰めた雰囲気を纏っていた。
「リリアナ様、お父上が……」
エリザが声を絞り出すように言う。リリアナの胸が、きゅっと締め付けられる。
(お父様が……?)
何が起こっているのかを知るため、リリアナは自らの歩調を早め、父が待つ書斎へと急いだ。
重厚な扉を開けると、そこには父の厳しい表情が待ち受けていた。普段は穏やかで冷静な父が、今日は何かを決心したかのような硬い顔つきをしている。それが、リリアナの心臓をさらに強く打たせた。
「リリアナ、座りなさい」
父の言葉は短く、冷たい響きを持っていた。まるで、これから何か大きな変化が訪れることを予感させるように。
リリアナは静かに席に着き、父を見つめる。何も言わずとも、心の奥で理解していた。この日が特別な意味を持つ日であることを。
「……何かあったの?」
リリアナは慎重に言葉を選び、父に問いかけた。父の目が一瞬揺らぐが、その表情はすぐに硬く戻る。長い沈黙の後、父はついに口を開いた。
「お前には知ってもらわなければならない。今日、我が家に降りかかる厄災を」
その言葉を聞いた瞬間、リリアナの背中を冷たい汗が流れた。
リリアナは父の言葉に耳を傾けながらも、心の中で大きな不安が波打つのを感じていた。「厄災」とは何を意味するのか、なぜ今このような話をされるのか。彼女の頭の中でさまざまな疑問が渦巻く。
「……厄災、とは?」
彼女の問いかけに、父はため息をついた。その顔には疲れがにじみ出ており、まるで今まで隠してきたすべてを告白しなければならないことに苦悩しているかのようだった。
「リリアナ、お前は知っているだろう。我が家が持つ立場や力が、他の貴族たちにとってどれほどの脅威であるかを」
父の言葉は静かだったが、その一言一言が重くリリアナの胸に響く。
「ええ……もちろんです」
リリアナは頷き、目を伏せた。貴族として育った彼女にとって、権力争いや嫉妬の存在は決して珍しいものではなかった。それでも、父の表情がここまで深刻であるのを目の当たりにするのは初めてだった。
「それだけではない……彼らは今、我が家に対して明確な攻撃を仕掛けてきている。そして、その矛先が……お前に向けられている」
その瞬間、リリアナの胸が凍りついた。
「私に……?」
驚きと恐怖が一気に押し寄せ、冷静さを失いかける。自分が狙われている――そんなことはこれまで考えもしなかった。しかし、父の言葉に嘘はない。彼の表情は、それが単なる陰謀論ではなく、現実のものだということを物語っていた。
「お前を追い出すことで、彼らは我が家を弱体化させようとしている。今や、お前はその犠牲となりつつある」
リリアナは唇を噛みしめた。自分が家族にとって負担になっているという事実に、胸が締め付けられる。だが同時に、何かを変えられるはずだという強い意志も心の奥から湧き上がってくる。
「……それで、どうすればいいのですか?」
彼女は力強く父に尋ねた。ここで怯んではならない。そう自分に言い聞かせ、冷静さを取り戻そうとする。
しかし、父の次の言葉は彼女の期待を打ち砕いた。
「……何もできない」
その言葉が発せられた瞬間、リリアナの心は深い絶望に突き落とされた。まるで、足元から地面が崩れ落ちるような感覚。何もできない? それは、リリアナにとってこれまでの人生の努力がすべて無駄であったかのように感じられる言葉だった。
「そんな……ことが」
リリアナは震える声で呟いた。父が無力感を抱いていることが信じられなかった。これほど強く、家を守ってきた人が、今はただ手をこまねいているだけだという現実が、彼女の心を締め付ける。
「もう決まっているんだ、リリアナ。お前は国外追放されることになる」
父の声は静かだったが、その言葉はリリアナにとって雷鳴のように響いた。追放――それは、彼女のすべてを奪い去るものだ。家族も、名誉も、そしてこれまで築き上げてきた全てが一瞬で失われる。
「……そんな、こと……」
彼女の手が無意識に震え始める。自分の居場所が、一瞬で崩れ去るかのような感覚に耐えられず、息が苦しくなる。けれども、ここで弱さを見せるわけにはいかなかった。
父を見つめるリリアナの目には、わずかながらも決意が宿り始めていた。どんなに厳しい運命が待ち受けていようとも、彼女はそれに立ち向かう力を持っていると信じていた。
「……私は、どうすればいいのですか?」
彼女の声には揺るぎない決意が込められていた。だが、父はその目を見ようとはしなかった。
「リリアナ、私は……もう、どうすることもできない」
その言葉が、リリアナにとって最後の打撃となった。彼女の目の前にあった希望の光は、完全に消え去り、残ったのは冷たい現実だけだった。胸の中に広がる深い悲しみと絶望を噛みしめながら、リリアナは静かに立ち上がった。
「分かりました、お父様」
彼女は静かにそう言い、部屋を出ようとした。しかし、振り返らずに立ち去る前に、もう一度だけ父に問いかけた。
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