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外交使節団 中
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日本国 東京
「おお、なんと巨大な…」一行は東京スカイツリーへと案内される。
「あれほどの建造物が人間に作れるものなのか。」白い巨塔に使節達は見とれる。
「それでは中へとご案内します。」天田は一行を先導する。
「この小さい部屋に入るのですか?」アマリーナ公国の使節は怪訝な表情をする。
「怖いのか?バスに乗ったのも一番最後だったな。」サンドール王国の使節が言う。
「そんな事はない。」アマリーナ公国の使節がエレベーターへ乗る。
「これはエレベーターという移動手段です。これで展望台へといきます。」
「んっ?どういうことですヒャアアアアア」アマリーナ公国の使節が驚きのあまり雄叫びをあげる。
「これはすごい。階段で上がるのかと心配しておりました。」カンタレラ王国の使節が安堵の溜め息をつく。やがて展望台へ到着し、エレベーターの扉が開く。
「この光景、信じられませんね。」人工物で埋め尽くされた異界の首都。その迫力にサマワ王国使節は深い溜め息を吐く。
「街の規模が大きいことは最初から分かっていましたがこれほどとは…。」
「街の終わりが見えませんね。」
「一体あの建物は何層あることやら。10層、20層の建物が小さく見えるなんて。」
「アマリーナ公国の使節殿、あそこに透明な床がありますぞ。渡ってみてはどうだ?」サンドール王国の使節が言う。
「勘弁してくださいよ。割れたらどうするんですか!」とアマリーナ公国の大使。
「がっはっはっは」
「ご安心を。頑丈ですので壊れません。」天田が言う。
「よかったじゃないか。さぁ早く。」
「嫌です。嫌です。ちょっと、押さないでイャーー」
----------------------
一行は第2展望台へ登った後、再びバスに乗り東京駅へと向かった。
「あれは、煉瓦ですか?見慣れた建物があると落ち着きますね。」カンタレラ王国の使節が言う。
「見慣れた建物の後ろに摩天楼が立ちそびえるのは、何とも不思議な光景です。」ラーマス王国使節。
「ここで、皆様には新幹線という乗り物に乗っていただき、大阪という都市までご案内致します。」天田が言う。
「楽しみですなぁ。あの巨船、そして地を往く鉄の箱。次は何が来るのやら。もう滅多なことでは驚きませんぞ。」サンドール王国の使節は目を輝かせながら言うのだった。
------------------------
「何て速度だ。しかもこれほどの巨体で。」サンドール王国の使節は再び驚愕する。
「しかも揺れがほとんどないです。」とカンタレラ王国の使節。
「しかし、一向に建物が途切れる気配がありませんね。」サマワ王国の使節が指摘する。
「また震えているではないか。一国を背負ってこの国に来てるのだろう。しゃんとせい!」サンドール王国使節は震えて蹲っているアマリーナ公国使節をしかりつける。
「ヒャア!急に大きな声出さないでくださいよ。」
「こんな速度で走っていたら、事故が起きたら大変そうですね。」ルーナート王国使節が言う。
「新幹線は開業して50年以上が経っていますが、死者の出るような事故は一件も起こっておりません。」天田は答える。
「それは…すごいとしか言いようがありませんね。」
「到着までまだ時間はあります。ゆっくりとおくつろぎください。必要ならば間食や飲み物を手配いたしますよ。他の方もご気軽に声をお掛けください。」
「なら酒を頼む。」とサンドール使節。
「団長、明日も朝早いんですよ。酒は止めておいたほうが…」部下が窘めるも上司の耳には入らない。
「二日酔いになれば迎え酒にすればいいだけのことだ。異界の酒か。どんな味だろうな。」結局、彼はおよそ2時間半の旅で日本酒12カップを飲み干したのだった。
「おお、なんと巨大な…」一行は東京スカイツリーへと案内される。
「あれほどの建造物が人間に作れるものなのか。」白い巨塔に使節達は見とれる。
「それでは中へとご案内します。」天田は一行を先導する。
「この小さい部屋に入るのですか?」アマリーナ公国の使節は怪訝な表情をする。
「怖いのか?バスに乗ったのも一番最後だったな。」サンドール王国の使節が言う。
「そんな事はない。」アマリーナ公国の使節がエレベーターへ乗る。
「これはエレベーターという移動手段です。これで展望台へといきます。」
「んっ?どういうことですヒャアアアアア」アマリーナ公国の使節が驚きのあまり雄叫びをあげる。
「これはすごい。階段で上がるのかと心配しておりました。」カンタレラ王国の使節が安堵の溜め息をつく。やがて展望台へ到着し、エレベーターの扉が開く。
「この光景、信じられませんね。」人工物で埋め尽くされた異界の首都。その迫力にサマワ王国使節は深い溜め息を吐く。
「街の規模が大きいことは最初から分かっていましたがこれほどとは…。」
「街の終わりが見えませんね。」
「一体あの建物は何層あることやら。10層、20層の建物が小さく見えるなんて。」
「アマリーナ公国の使節殿、あそこに透明な床がありますぞ。渡ってみてはどうだ?」サンドール王国の使節が言う。
「勘弁してくださいよ。割れたらどうするんですか!」とアマリーナ公国の大使。
「がっはっはっは」
「ご安心を。頑丈ですので壊れません。」天田が言う。
「よかったじゃないか。さぁ早く。」
「嫌です。嫌です。ちょっと、押さないでイャーー」
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一行は第2展望台へ登った後、再びバスに乗り東京駅へと向かった。
「あれは、煉瓦ですか?見慣れた建物があると落ち着きますね。」カンタレラ王国の使節が言う。
「見慣れた建物の後ろに摩天楼が立ちそびえるのは、何とも不思議な光景です。」ラーマス王国使節。
「ここで、皆様には新幹線という乗り物に乗っていただき、大阪という都市までご案内致します。」天田が言う。
「楽しみですなぁ。あの巨船、そして地を往く鉄の箱。次は何が来るのやら。もう滅多なことでは驚きませんぞ。」サンドール王国の使節は目を輝かせながら言うのだった。
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「何て速度だ。しかもこれほどの巨体で。」サンドール王国の使節は再び驚愕する。
「しかも揺れがほとんどないです。」とカンタレラ王国の使節。
「しかし、一向に建物が途切れる気配がありませんね。」サマワ王国の使節が指摘する。
「また震えているではないか。一国を背負ってこの国に来てるのだろう。しゃんとせい!」サンドール王国使節は震えて蹲っているアマリーナ公国使節をしかりつける。
「ヒャア!急に大きな声出さないでくださいよ。」
「こんな速度で走っていたら、事故が起きたら大変そうですね。」ルーナート王国使節が言う。
「新幹線は開業して50年以上が経っていますが、死者の出るような事故は一件も起こっておりません。」天田は答える。
「それは…すごいとしか言いようがありませんね。」
「到着までまだ時間はあります。ゆっくりとおくつろぎください。必要ならば間食や飲み物を手配いたしますよ。他の方もご気軽に声をお掛けください。」
「なら酒を頼む。」とサンドール使節。
「団長、明日も朝早いんですよ。酒は止めておいたほうが…」部下が窘めるも上司の耳には入らない。
「二日酔いになれば迎え酒にすればいいだけのことだ。異界の酒か。どんな味だろうな。」結局、彼はおよそ2時間半の旅で日本酒12カップを飲み干したのだった。
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