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懲罰攻撃 上
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サマワ王国より南40km
サマワ王国を食い破ろうと意気揚々と海を往く475隻の大艦隊。その旗艦ダルケミスにて。
「何だと!白竜が全滅だと!」司令は驚愕する。
「竜の攻撃が効かなかったようで、体当たりしたとのことです。」
「そんなことがあるとは…。」
「竜騎士はパラシュートで脱出しましたが早く助けに行かなければ溺れ死ぬことでしょう。」
「一体こんな辺境の野蛮人がなぜこんな力を…」司令は自問するのだった。
------------------------
護衛艦いかづち
「浸水収まりました。」
「火災の鎮火完了。」
「ありあけの生存者収容完了しました。」
「ようやく一段落ついたか。」艦長は安堵する。
「まさか体当たりしてくるとはな。生存者は何人くらいだ?」
「126人です。」
「何だと!それだけしかいないのか。」艦長は驚愕する。
「はい。浸水速度が早く、これ以上の救助活動は不可能です。」
「そうか。二次災害となっては元も子もないからな。よくやってくれた。」艦長は苦い表情を浮かべながら言う。
「艦長!見張りより伝達。数百隻の大艦隊を発見とのことです。アンゴラス帝国旗を掲げています。」
「なんだと!レーダーの破損が効いたか地形のせいか…。主砲発射用意!機関始…。煙突の破損のせいで動かせんのだったな。」
水平線上に浮かぶ無数の点が少しずつ大きくなってゆく。
「主砲発射用意完了。」
「撃てっ!」艦長の号令で爆音とともに鋼鉄の塊が戦列艦へ翔んでいく。
------------------------
サマワ王国 トランスト軍港より沖10km
「なんて巨大な。あれは、本当に蛮族の船なのか?」司令は呟く。
「そんなはず…。我々は一体何と戦っているのでしょう。」
「敵の筒のようなものがこちらを向きます!」見張りが叫ぶ。その直後、轟音が響き渡る。
「戦列艦ナマラ轟沈!」火薬庫に引火したのだろうか。中央部から炎が溢れだし真っ二つになり瞬く間に沈んでゆく。
「全艦、風魔法を破断限界まであげろ!」艦長が落ち着きを取り戻し指示を出す。
「了解。伝達します。」
「敵艦発砲!」
「何っ!速すぎるぞ!」
「戦列艦アール轟沈!」
「なんで装填の早さだ。しかもこの距離で寸分の狂いなく当てるとは」艦長は敵の技術力に舌を巻く。
「最早、野蛮人のできることではない。どこかの列強の支援があるのやもしれん。だが所詮一隻だ。我が方の勝利は揺るがんよ。」
「司令、先頭艦が敵艦を射程距離に捉えました。攻撃命令を。」副官が言う。
「分かっとらんね。お前は本当に聡明なるアンゴラス帝国士官かね。」司令は呆れたように言う。
「何か変なことをもうしましたでしょうか?」
「いいかね、敵艦は単体では大きな力を持っているが一隻だけだ。もしもあの船の力を手に入れられるとしたら、素晴らしいとは思わんかね?」
「ということは…。」
「白兵戦だ。敵艦を拿捕する。」ニヤリ笑い司令は言う。
-----------------------
護衛艦 いかづち
「敵艦なおも接近!」
「主砲、間もなく弾切れです!」
「敵艦に包囲されます。」
「何をするつもりだ?」艦長は訝しむ。
「敵兵が縄を投げてきました。艦に乗り込むつもりです。」まさか現代で白兵戦が勃発すると夢にも思わなかった艦長は動揺する。
「艦内戦の用意をしろ!それと扉近くの隔壁を閉鎖だ。」指示を出しながらも、艦長は白兵戦という想定外の事態に乗組員がどれ程対応できるか、不安を覚えるのだった
サマワ王国を食い破ろうと意気揚々と海を往く475隻の大艦隊。その旗艦ダルケミスにて。
「何だと!白竜が全滅だと!」司令は驚愕する。
「竜の攻撃が効かなかったようで、体当たりしたとのことです。」
「そんなことがあるとは…。」
「竜騎士はパラシュートで脱出しましたが早く助けに行かなければ溺れ死ぬことでしょう。」
「一体こんな辺境の野蛮人がなぜこんな力を…」司令は自問するのだった。
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護衛艦いかづち
「浸水収まりました。」
「火災の鎮火完了。」
「ありあけの生存者収容完了しました。」
「ようやく一段落ついたか。」艦長は安堵する。
「まさか体当たりしてくるとはな。生存者は何人くらいだ?」
「126人です。」
「何だと!それだけしかいないのか。」艦長は驚愕する。
「はい。浸水速度が早く、これ以上の救助活動は不可能です。」
「そうか。二次災害となっては元も子もないからな。よくやってくれた。」艦長は苦い表情を浮かべながら言う。
「艦長!見張りより伝達。数百隻の大艦隊を発見とのことです。アンゴラス帝国旗を掲げています。」
「なんだと!レーダーの破損が効いたか地形のせいか…。主砲発射用意!機関始…。煙突の破損のせいで動かせんのだったな。」
水平線上に浮かぶ無数の点が少しずつ大きくなってゆく。
「主砲発射用意完了。」
「撃てっ!」艦長の号令で爆音とともに鋼鉄の塊が戦列艦へ翔んでいく。
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サマワ王国 トランスト軍港より沖10km
「なんて巨大な。あれは、本当に蛮族の船なのか?」司令は呟く。
「そんなはず…。我々は一体何と戦っているのでしょう。」
「敵の筒のようなものがこちらを向きます!」見張りが叫ぶ。その直後、轟音が響き渡る。
「戦列艦ナマラ轟沈!」火薬庫に引火したのだろうか。中央部から炎が溢れだし真っ二つになり瞬く間に沈んでゆく。
「全艦、風魔法を破断限界まであげろ!」艦長が落ち着きを取り戻し指示を出す。
「了解。伝達します。」
「敵艦発砲!」
「何っ!速すぎるぞ!」
「戦列艦アール轟沈!」
「なんで装填の早さだ。しかもこの距離で寸分の狂いなく当てるとは」艦長は敵の技術力に舌を巻く。
「最早、野蛮人のできることではない。どこかの列強の支援があるのやもしれん。だが所詮一隻だ。我が方の勝利は揺るがんよ。」
「司令、先頭艦が敵艦を射程距離に捉えました。攻撃命令を。」副官が言う。
「分かっとらんね。お前は本当に聡明なるアンゴラス帝国士官かね。」司令は呆れたように言う。
「何か変なことをもうしましたでしょうか?」
「いいかね、敵艦は単体では大きな力を持っているが一隻だけだ。もしもあの船の力を手に入れられるとしたら、素晴らしいとは思わんかね?」
「ということは…。」
「白兵戦だ。敵艦を拿捕する。」ニヤリ笑い司令は言う。
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護衛艦 いかづち
「敵艦なおも接近!」
「主砲、間もなく弾切れです!」
「敵艦に包囲されます。」
「何をするつもりだ?」艦長は訝しむ。
「敵兵が縄を投げてきました。艦に乗り込むつもりです。」まさか現代で白兵戦が勃発すると夢にも思わなかった艦長は動揺する。
「艦内戦の用意をしろ!それと扉近くの隔壁を閉鎖だ。」指示を出しながらも、艦長は白兵戦という想定外の事態に乗組員がどれ程対応できるか、不安を覚えるのだった
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