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両国の動き
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日本国 首相官邸
暗い部屋で、プロジェクターにより動画が投影される。
「敵発砲、火炎放射かナパームかと思われます。」声は焦りに溢れている。
「正当防衛射撃を実施せよ。」タタタタタタと軽い音が響く。
「敵、再度発砲。雷のようなものが前方の車両に命中。」
「先頭車両停止しました。」
「何が起こったんだ!」
「感電したのかもしれません。」
「車の中で感電するわけが…」
「敵発砲!」
そして映像が途切れた。
「以上が回収できた戦闘記録となります。」防衛省幹部が言う。
「車の中は雷が落ちても安全だと聞いたことがあるのだがな。あの光は本当に電気の類いなのかね?」と環境相。
「現在調査中であります。」
「調査中とはなんだ!調査…」
「敵兵は、年老いた訳でもないのに白い髪をしているようだが、それについて情報は?」総理が割り込む。
「捕虜は、自身をアンゴラス帝国兵と名乗っております。」
「あいつら、ふざけているのか!」総理は叫ぶ。
「それについてなのですが、敵船団を追跡していた潜水艦よりの情報で気になる情報があるのです。」
「もったいぶらずに早く言え!」と環境相。
「敵船団は八丈島より約380km南の島へ入港した模様とのことです」
「日本の領海内に基地を建設されていたということか?」総理は苦虫を噛み締めたような表情を浮かべる。
「いえ、基地というよりは島がまるごと現れたという大きさとのことです。海底の地形も含めてですがまるっきり地形が変わっていたとの報告があります。」
「どういうことだ?」
「調査中です。」
「また、自衛隊を派遣しなくてはな。」総理は呟く。
「文部科学省よりお伝えしたいことがあります。各地の大学、研究機関よりの報告なのですが、天体がおかしいとのことです。」
「具体的には?」総理が促す。
「電波障害が起こってから、違う星が違うところにあるとのことです」
「地形といい、天体といいどうなっているんだ?」と国土交通相。
--------------------------
アンゴラス帝国 首都キャルツ 皇居
「植民地制圧軍残存艦隊がサマワ王国へ到着したようです。乗員は、輸送船にて、聴取のため本国へ送還の予定です。」軍務相アイルが言う。
「いつも生意気な口を聞いている割に、ミールも大したことないわね。」と魔導相のアルク。
「それで、植民地制圧軍の敗因はなんなのだね?」皇帝、バリルが睨み付ける。
「制圧軍残存部隊によりますと、魔導生物の攻撃とのことです。」植民地制圧軍は上陸作戦が始まる前に撤退したため、未だに敵は魔法生物であると思っている。
「魔法の存在せぬ蛮地に魔法生物が出たとでも言うのか!」ますます眉間に皺がよる。
「こちら側より迷い行ったのかもや知れません。」アイルは今にも失神しそうだ。
「で、どうするつもりだ。」
「大陸軍の動員は他の大国を刺激することになるやも知れませんので、駐留軍より戦力を抽出する予定です。」
「具体的にはどうするつもりだ?」皇帝が問う。
「新召喚地周辺の20の植民地、衛星国の駐留軍より25隻ずつ戦列艦を、1隻ずつ竜母を抽出します。」とアイル。
「植民地制圧軍を壊滅させたような魔法生物だぞ。その戦力で足りるのか?」
「まず、白竜にて偵察を行い、魔法生物の分析を行った後攻撃を仕掛けます。情報が判明するまではなんとも…」
「まぁ、よい!必ずや魔法生物を打ち倒し、新たなる召喚地を手に入れるのだ。」
「御意!」
--------------------------
日本国 首相官邸 プレスルーム
「総理、八丈島の島民のほとんどが武装集団に殺害されたようですが、そうなる前に救出出来なかったのはなぜだとお考えですか?」
「電波障害により哨戒を縮小していたためと考えます」総理は答える。
「しかし総理それは…」
「質問は1人1つとさせて頂いております。次の方、どうぞ。」進行役が割り込む。
「日本の領海内に基地を作られていたとのことですが、基地は電波障害の前からあったと考えることが妥当でしょう。敵の基地建設については、電波障害のせいではないのでしょうか?」
「現在調査中です。」質問が次の記者へ移る。
「八丈島上陸作戦では、多数の死者が自衛隊に出ましたが、今回の基地制圧作戦でも死者が多数出るのではないですか?」
「そうならないよう善処させていただきます。」
「全ての方の質問が終わりましたので、以上で記者会見を終了させていただきます。」進行役が終わりを告げ、記者たちは不満げな顔で帰って行った。
暗い部屋で、プロジェクターにより動画が投影される。
「敵発砲、火炎放射かナパームかと思われます。」声は焦りに溢れている。
「正当防衛射撃を実施せよ。」タタタタタタと軽い音が響く。
「敵、再度発砲。雷のようなものが前方の車両に命中。」
「先頭車両停止しました。」
「何が起こったんだ!」
「感電したのかもしれません。」
「車の中で感電するわけが…」
「敵発砲!」
そして映像が途切れた。
「以上が回収できた戦闘記録となります。」防衛省幹部が言う。
「車の中は雷が落ちても安全だと聞いたことがあるのだがな。あの光は本当に電気の類いなのかね?」と環境相。
「現在調査中であります。」
「調査中とはなんだ!調査…」
「敵兵は、年老いた訳でもないのに白い髪をしているようだが、それについて情報は?」総理が割り込む。
「捕虜は、自身をアンゴラス帝国兵と名乗っております。」
「あいつら、ふざけているのか!」総理は叫ぶ。
「それについてなのですが、敵船団を追跡していた潜水艦よりの情報で気になる情報があるのです。」
「もったいぶらずに早く言え!」と環境相。
「敵船団は八丈島より約380km南の島へ入港した模様とのことです」
「日本の領海内に基地を建設されていたということか?」総理は苦虫を噛み締めたような表情を浮かべる。
「いえ、基地というよりは島がまるごと現れたという大きさとのことです。海底の地形も含めてですがまるっきり地形が変わっていたとの報告があります。」
「どういうことだ?」
「調査中です。」
「また、自衛隊を派遣しなくてはな。」総理は呟く。
「文部科学省よりお伝えしたいことがあります。各地の大学、研究機関よりの報告なのですが、天体がおかしいとのことです。」
「具体的には?」総理が促す。
「電波障害が起こってから、違う星が違うところにあるとのことです」
「地形といい、天体といいどうなっているんだ?」と国土交通相。
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アンゴラス帝国 首都キャルツ 皇居
「植民地制圧軍残存艦隊がサマワ王国へ到着したようです。乗員は、輸送船にて、聴取のため本国へ送還の予定です。」軍務相アイルが言う。
「いつも生意気な口を聞いている割に、ミールも大したことないわね。」と魔導相のアルク。
「それで、植民地制圧軍の敗因はなんなのだね?」皇帝、バリルが睨み付ける。
「制圧軍残存部隊によりますと、魔導生物の攻撃とのことです。」植民地制圧軍は上陸作戦が始まる前に撤退したため、未だに敵は魔法生物であると思っている。
「魔法の存在せぬ蛮地に魔法生物が出たとでも言うのか!」ますます眉間に皺がよる。
「こちら側より迷い行ったのかもや知れません。」アイルは今にも失神しそうだ。
「で、どうするつもりだ。」
「大陸軍の動員は他の大国を刺激することになるやも知れませんので、駐留軍より戦力を抽出する予定です。」
「具体的にはどうするつもりだ?」皇帝が問う。
「新召喚地周辺の20の植民地、衛星国の駐留軍より25隻ずつ戦列艦を、1隻ずつ竜母を抽出します。」とアイル。
「植民地制圧軍を壊滅させたような魔法生物だぞ。その戦力で足りるのか?」
「まず、白竜にて偵察を行い、魔法生物の分析を行った後攻撃を仕掛けます。情報が判明するまではなんとも…」
「まぁ、よい!必ずや魔法生物を打ち倒し、新たなる召喚地を手に入れるのだ。」
「御意!」
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日本国 首相官邸 プレスルーム
「総理、八丈島の島民のほとんどが武装集団に殺害されたようですが、そうなる前に救出出来なかったのはなぜだとお考えですか?」
「電波障害により哨戒を縮小していたためと考えます」総理は答える。
「しかし総理それは…」
「質問は1人1つとさせて頂いております。次の方、どうぞ。」進行役が割り込む。
「日本の領海内に基地を作られていたとのことですが、基地は電波障害の前からあったと考えることが妥当でしょう。敵の基地建設については、電波障害のせいではないのでしょうか?」
「現在調査中です。」質問が次の記者へ移る。
「八丈島上陸作戦では、多数の死者が自衛隊に出ましたが、今回の基地制圧作戦でも死者が多数出るのではないですか?」
「そうならないよう善処させていただきます。」
「全ての方の質問が終わりましたので、以上で記者会見を終了させていただきます。」進行役が終わりを告げ、記者たちは不満げな顔で帰って行った。
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