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Chapter 2
94*初夜
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結局、あれから更に二度ベッドの上に並べた女達の身体で発散した男は、ヘロヘロになっている女達に手伝わせ湯浴みを終えたのち、自室である寝室へと向かっていた。
元々、性欲が人一倍強い男ではあったがここまでの興奮は初めてだった。
好みの女を抱く前の心境とは、これ程のものなのだろうか。
男は、あれだけ発散したにも関わらず、これから迎え入れる女のことを想像するだけで神経が逆立つような興奮を感じていた。
自室へと戻れば、先程の湯浴みを提案してきた侍女が寝酒を用意して待っていた。
「整えてございます」
そう言って、「こちらをどうぞ」と差し出された酒に口をつければ、普段嗜むものより一層甘い味が口の中へと広がっていく。
「…何を混ぜた?」
怪訝そうに男が尋ねれば、侍女はあたかも当然のように答えた。
「高揚感が増し、感度が高まるものにございます」
「・・・・・」
「明日の朝に関しましては、全て予定を変更いたしましたのでお昼まではごゆっくりお過ごせいただけます」
「フッ…其方、名はエリスティーナであったか?」
「いえ、私の名はレイチェル・クラウと申します」
「あぁ、クラウ公爵家の末娘か」
「はい、左様でございます。尚、エリスティーナ様は騎士団へと払い下げとなったと聞いております」
「…あぁ、そうだな思い出した。婚約者候補のくせに、夜伽の相手を嫌がった女だ。まぁ、拒んだことを後悔するほどには抱き潰したがな。
で、レイチェルと言ったな?お前はどうだ?」
「ご要望とあらばいつでも…」
そう言って頭を下げた侍女に一瞥することなく、男は寝室の扉を開けて入って行った。
寝室の中では、これから始まる初夜に向けて万全の態勢がとられており、気分を盛り上げるための香が焚かれていた。その甘く痺れるような匂いを嗅ぐだけで、あれだけ発散してきた男のモノはぐんっ!とその存在を主張し始める。
昂る欲望に、男の高揚感は増すばかりだった。そして、目線の先には可愛くて愛おしい女が薄い半透明の衣装に身を包み、まるで捧げ物のように己のベットの上に横たわっているのだ。
そして、この焚かれている香の影響だろう。
女は薬で眠っているにも関わらず、双方の山の中心部をこれでもかと言う程に、ぷくりと立ち上げていた。
今すぐに、その膨らみを口に含み舐めまわし味わいたい!
男の頭の中は、目の前に差し出されたご馳走の事でいっぱいだった。
視界にピンクの靄がかかっているかのように、女に近づくにつれ段々と足元が覚束なくなる。まるで、フワフワとした綿の上を歩いているかのような感覚に、男はうっとりと愛好を崩した。
そして、漸くベッドまで辿り着くとゆっくりと上に上がる。
横たわる女の足先に顔を寄せると、まるで花の蜜に誘われた蜜蜂のように、せっせと一本一本丁寧に口に含み舐めまわした。
それは、足の指から始まり足の甲、脛、太もも…と徐々に上がっていき、いよいよ待ちに待った蜜の匂いが立ち込める蜜壷へと辿り着く。
そっと手を添えれば、くちゅり…といい音が鳴る。まるで自分を誘うような音色に、男は堪らず頭から飛び込んだ。
そして、その匂いを胸いっぱいに吸い込むと男は堪能するかのように、ゆっくりと目を閉じた。
*
静まり返った廊下では、パタン…と閉められた扉を見つめながら、侍女と云うには若すぎる美しい公爵令嬢のレイチェルがそっと呟いた。
「今夜は、最高の時間を楽しみましょう…殿下」
と。
彼女は、誰よりも優秀でいて誰よりも野心家で、誰よりも彼を愛していた。
元々、性欲が人一倍強い男ではあったがここまでの興奮は初めてだった。
好みの女を抱く前の心境とは、これ程のものなのだろうか。
男は、あれだけ発散したにも関わらず、これから迎え入れる女のことを想像するだけで神経が逆立つような興奮を感じていた。
自室へと戻れば、先程の湯浴みを提案してきた侍女が寝酒を用意して待っていた。
「整えてございます」
そう言って、「こちらをどうぞ」と差し出された酒に口をつければ、普段嗜むものより一層甘い味が口の中へと広がっていく。
「…何を混ぜた?」
怪訝そうに男が尋ねれば、侍女はあたかも当然のように答えた。
「高揚感が増し、感度が高まるものにございます」
「・・・・・」
「明日の朝に関しましては、全て予定を変更いたしましたのでお昼まではごゆっくりお過ごせいただけます」
「フッ…其方、名はエリスティーナであったか?」
「いえ、私の名はレイチェル・クラウと申します」
「あぁ、クラウ公爵家の末娘か」
「はい、左様でございます。尚、エリスティーナ様は騎士団へと払い下げとなったと聞いております」
「…あぁ、そうだな思い出した。婚約者候補のくせに、夜伽の相手を嫌がった女だ。まぁ、拒んだことを後悔するほどには抱き潰したがな。
で、レイチェルと言ったな?お前はどうだ?」
「ご要望とあらばいつでも…」
そう言って頭を下げた侍女に一瞥することなく、男は寝室の扉を開けて入って行った。
寝室の中では、これから始まる初夜に向けて万全の態勢がとられており、気分を盛り上げるための香が焚かれていた。その甘く痺れるような匂いを嗅ぐだけで、あれだけ発散してきた男のモノはぐんっ!とその存在を主張し始める。
昂る欲望に、男の高揚感は増すばかりだった。そして、目線の先には可愛くて愛おしい女が薄い半透明の衣装に身を包み、まるで捧げ物のように己のベットの上に横たわっているのだ。
そして、この焚かれている香の影響だろう。
女は薬で眠っているにも関わらず、双方の山の中心部をこれでもかと言う程に、ぷくりと立ち上げていた。
今すぐに、その膨らみを口に含み舐めまわし味わいたい!
男の頭の中は、目の前に差し出されたご馳走の事でいっぱいだった。
視界にピンクの靄がかかっているかのように、女に近づくにつれ段々と足元が覚束なくなる。まるで、フワフワとした綿の上を歩いているかのような感覚に、男はうっとりと愛好を崩した。
そして、漸くベッドまで辿り着くとゆっくりと上に上がる。
横たわる女の足先に顔を寄せると、まるで花の蜜に誘われた蜜蜂のように、せっせと一本一本丁寧に口に含み舐めまわした。
それは、足の指から始まり足の甲、脛、太もも…と徐々に上がっていき、いよいよ待ちに待った蜜の匂いが立ち込める蜜壷へと辿り着く。
そっと手を添えれば、くちゅり…といい音が鳴る。まるで自分を誘うような音色に、男は堪らず頭から飛び込んだ。
そして、その匂いを胸いっぱいに吸い込むと男は堪能するかのように、ゆっくりと目を閉じた。
*
静まり返った廊下では、パタン…と閉められた扉を見つめながら、侍女と云うには若すぎる美しい公爵令嬢のレイチェルがそっと呟いた。
「今夜は、最高の時間を楽しみましょう…殿下」
と。
彼女は、誰よりも優秀でいて誰よりも野心家で、誰よりも彼を愛していた。
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