双子の転生先は双子でした

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Chapter 2

80*それぞれの思い

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辺境伯家の女性たちは、いつも忙しい。
特に、この2日間は男性陣を止めるためだけに神経を注いでいた。

__それは、何故か?

それは、辺境伯家の三女であるナタリーが帰ってこないからである。

長女エリザベスは、媚薬入りのお酒を持たせ…
双子のアシュリーは、セクシーランジェリーを身につけさせ…
母ミリアーナは、『頑張って!』と送り出した。

そして現在。

父ライウスは、娘を帰さないセザールに激怒し抗議文を作成…
兄ダニエルは、今すぐ迎えに行くと言って家老を始めとする使用人達に止められる始末…

流石に、2日間も外出するとは思っていなかった為、母ミリアーナでさえも「帰してもらうよう手紙を書くわ」と言って各々に指示を出し始めていた。

そんな中、エリザベスは考えていた。
ナタリーが帰ってこれないのは、もしかするとではないかと。
エリザベスが渡した媚薬の作用が強すぎて…と、いうことだって考えられる。
なんと言っても、あの媚薬はエリザベスの婚約者であるサイラスの作成した物なのだから!
可愛い妹が、媚薬のせいでセザールから解放されないのであれば、間違いなくその責任はナタリーに渡したエリザベスにある。
呑気に「効果がどれ程だったか教えてね!」なんて、言っている場合ではなかったのだ。

エリザベスは、ナタリーが無事に戻ってくるまで、ただただ不安と戦っていた。

そして、セクシーランジェリーを嬉々として身につけさせたアシュリーは?というと…

(セザール様って、どんなふうに抱くんだろ~?あのランジェリー気に入ってもらえたかな?まだやってんのかな♪)

などと、呑気に考えていた。
むしろ、久しぶりだしいっぱいイチャイチャできて良かったね~!ぐらいに思っていた。


そして、もちろん当の本人といえば…
マルクス家から出れないほど愛されたことに大満足していた。
しかも、「好き、愛してる、もう一回いい?」などの、甘いセリフをセザールの口から聞けたことによりナタリー自身も興奮し、ついつい『セザール様の匂いで発情してる…』などと呟いたせいで、本当にこの2日間は何も纏わぬ状態で過ごすことになった。

結局のところ、感情が昂り妖艶な単語を吐きまくったナタリーに、セザールが完全に落ちてしまったのだった。

その為、マルクス家に届けられた抗議文と帰宅依頼の手紙を受け取ったセザールとナタリーは大慌てで帰路についた。
当然の如く、セザールは送り届けた際に辺境伯家にナタリーとの婚約を願い出た。
ライウスは、渋々それを認めたものの婚約式までは外泊禁止とし、ナタリーは父と兄に大変遠回しに怒られることとなった。
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