双子の転生先は双子でした

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Chapter 2

63*再会

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「ご無沙汰しております、セザール様」

「こちらこそ、夜会以来ですがお変わりないようで安心いたしました」


少しばかり、堅苦しい挨拶と共にナタリーとセザールは久々に再会した。

あれから、ナタリーはアシュリーの提案に従い素直に「会いたい」と連絡をとった。すると、すぐ様セザールからも「是非とも」と返事が来たのだ。
ワクワクしながら、早ければ明日にでも会えるかも!と、期待していたのだが、それは完全に前世のイメージに引っ張られていたと、後々気づくことになった。

現世である、今のこの世界では『明日会える?』みたいな事はない。
会いたい旨の手紙を出してから、返事をもらうまで約2週間。
了承の返事をもらえたら、そこから会う日を決めるやり取りで更に約2週間から3週間。

そう、会いたいと連絡してから実際に会えるようになるまでに、最短でも1ヶ月程かかるのだ。

この現状に、ナタリーは改めて思った。
"前世は、なんて便利だったのだ"と…

スマホひとつあれば、連絡は容易だった時代が懐かしい。
寂しくなれば、電話をかけ相手の声を聞くだけで心が弾んだ。
手紙の返事を、まだかまだかと待つ事なく、既読がつけば相手が見てくれたことに安堵し、数分で返事が来る。
予定さえ合えば、気軽に「今から行くよ♪」と言って家を出た。
交通機関や車で、夜中でも関係なく会いたい人に会えたあの日々が、今や懐かしく恋しい。

それでも、やっと"セザールに会える"ということにナタリーは浮き足立っていた。
お互いの予定が合わず、結局2ヶ月半もかかってしまったが、いよいよ会えるのだ。
この喜びは、前世の比ではないだろう。

「やばい、嬉し過ぎて会って早々抱きついちゃうかも…」

ナタリーの呟きに、「お~!やれやれ!」と笑いながらアシュリーが背中を押した。
そして、準備にも気合を入れた。
念のため、何があってもいいようにと…
まぁ、会う場所が劇場なので間違いが起こることはないのだが…身体の隅々まで抜かりはない!
ちなみに、会うことが決まったと言えば、すぐ様アシュリーが気合いの入った普段使い用のドレスとランジェリーをプレゼントしてくれた。前々から、素敵な初体験用にと色々準備していたらしく、ランジェリーに関してはガーターベルト付きだ。
ドレスに関しても、"見えそうで見えない"をうまく取り入れた上品なデザインだった。
ちなみに、『少しでも、セザール様を焦らせたい!』をコンセプトに作っていたらしい。

ナタリー同様、アシュリーもかなり忙しかったはずなのに、どこにそんな余裕があったのだろう?
不思議に思いつつも、ナタリーはとても嬉しそうに身につけた。


双子が劇場へ足を運ぶことは、今までなかった。
何故か?
それはもちろん、周りからの悪意ある視線に耐えきれなかったからだ。
今は、前世の記憶があり由佳と由希の自我が強く出ているのだが、それまでは臆病な子達だったのだ。
その為、ナタリーは劇場などの公の遊戯場へ来ることじたい初めてだった。
しかも、今回は所謂デートである。
初めての場所に、アシュリーとでもなく家族とでもない、まさかの想い人とくるなんて…
中身は、アラサーであってもこのドキドキは止めることができなかった。

2人きりの馬車の中では、軽く挨拶をして沈黙…
馬車から降りる際にも、緊張しすぎてセザールのエスコートを無視…
その為、まさかのセザールまでもがギクシャクし…

その結果、完全個室のボックス席にて2度目の沈黙が続いていた。

この状況でこの部屋であれば、いつものナタリー(由希)であれば、入って早々セザールに飛びついてキスでもしていそうなのだが…

なかなか、上手くはいかないようだった。


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