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Chapter 1
39*双子はめげない、諦めない
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そうした状況であっても、この双子は決して…めげない、諦めない。
少しは、諦めてもいいんだよ~と、言ってあげたいくらいには前向きなのだ。
だからこそ、彼女たちはこの冷え冷えとした空間に笑顔で爆弾を投下する。
「お兄様は、いつからグラマラス派になられましたの?」
そう言って、ナタリーがマリリンの胸から離れると、これ以上兄に近づけさせないようにと、自然な動きで隣に行きスッと腕に手を回した。
そして、兄ダニエルからの回答を待つこと無く、アシュリーはマリリンの身体の側面をそっと撫でると大凡の値を弾き出した。
「…B120、W95、H112 ってとこかしら?」
「「「・・・・・」」」
「「「・・・・・」」」
「・・・え、でかくないっ!?」
(((( えっ、それ言っちゃうの!?))))
もちろん、この失礼極まりない発言はナタリーである。
誰もが思っていたであろう言葉を、なんの躊躇いもなく、この場で放ってしまうところは、何ともナタリーらしい。
いや、そもそも女性のスリーサイズをサラリと言ってしまうアシュリーも同じだろう。
しかし、勝手にスリーサイズを目測で測られて暴露された人物にとっては、到底許せる訳がない。マリリンは、顔を真っ赤にしてプルプルと震えていた。
その様子に、周りに集まった人達は安易に笑うわけにも揶揄うわけにもいかず、そっと目を逸らすしかなかった。
貴族の令嬢として、あるまじき行為が目の前で繰り広げられているのだから…
それでも、兄救出を目的としている双子は止まることはなかった。
アシュリーは言う。
「思っていたよりも、肉付きがいいのよ。
きっと、お兄様よりも大きいわね」と。
それに対しナタリーが答える。
「じゃぁ、論外じゃない!」と。
・・・・・。
もちろん、2人の会話を邪魔するものなど誰もいない。
そして、マリリンの背後にいたアシュリーは、肩を震わせているマリリンに対し、そっと耳打ちした。
『クリフォード様、恋は盲目とは申しますけれども…貴女様の場合ご自身に盲目でらっしゃいますわよ?
一度、自分自身を見つめ直してみてはいかがかしら?』 と。
すぐさま、キッ!と睨みを効かせるマリリンに微笑むと、ゆっくりと兄とナタリーがいる場所へと移動する。そして、ナタリーとは反対の兄の横へと並んだ。
もちろん、怖いので今は兄の表情を見ることは控えておきたい。
アシュリーは、周囲を見渡し優雅なカーテシーをとる。それを、確認したナタリーも兄から一歩前に出て、アシュリーの隣にてカーテシーを行った。
そして、揃ってご挨拶。
「ご歓談中の皆様、大変お騒がせ致しました。兄ダニエルを救出しに参りましたので、これにて失礼致します。
そのついでと言っては何ですが…
皆様はあちらのスイーツは、もうお召し上がりになりまして?」
「何でも、王太子殿下が今回のために特別に取り寄せた隣国の珍しいスイーツらしいですわ!皆様の反応を気になさっておいででしたので、是非ご賞味くださいまし♪」
そう言って、控えていた従者へと合図をおくれば、待ってました!とばかりに、スイーツを乗せた皿を運んでくる。
もちろん、王太子のおすすめともなれば、我先にと手を伸ばすのが貴族である。
あっと言う間に、周囲の注目はスイーツへと移っていった。
しっかりと謝罪を述べつつも、さらりと話題を変えて、スイーツとその先にある王太子へと意識を向けされる…
流石、前世接客業だけあるだろう。
皆んなが、スイーツに群がっているうちにダニエルとアシュリー、ナタリーは素知らぬ顔でその場を離れた。
真っ赤な茹蛸のような彼女1人を置き去りにして___
少しは、諦めてもいいんだよ~と、言ってあげたいくらいには前向きなのだ。
だからこそ、彼女たちはこの冷え冷えとした空間に笑顔で爆弾を投下する。
「お兄様は、いつからグラマラス派になられましたの?」
そう言って、ナタリーがマリリンの胸から離れると、これ以上兄に近づけさせないようにと、自然な動きで隣に行きスッと腕に手を回した。
そして、兄ダニエルからの回答を待つこと無く、アシュリーはマリリンの身体の側面をそっと撫でると大凡の値を弾き出した。
「…B120、W95、H112 ってとこかしら?」
「「「・・・・・」」」
「「「・・・・・」」」
「・・・え、でかくないっ!?」
(((( えっ、それ言っちゃうの!?))))
もちろん、この失礼極まりない発言はナタリーである。
誰もが思っていたであろう言葉を、なんの躊躇いもなく、この場で放ってしまうところは、何ともナタリーらしい。
いや、そもそも女性のスリーサイズをサラリと言ってしまうアシュリーも同じだろう。
しかし、勝手にスリーサイズを目測で測られて暴露された人物にとっては、到底許せる訳がない。マリリンは、顔を真っ赤にしてプルプルと震えていた。
その様子に、周りに集まった人達は安易に笑うわけにも揶揄うわけにもいかず、そっと目を逸らすしかなかった。
貴族の令嬢として、あるまじき行為が目の前で繰り広げられているのだから…
それでも、兄救出を目的としている双子は止まることはなかった。
アシュリーは言う。
「思っていたよりも、肉付きがいいのよ。
きっと、お兄様よりも大きいわね」と。
それに対しナタリーが答える。
「じゃぁ、論外じゃない!」と。
・・・・・。
もちろん、2人の会話を邪魔するものなど誰もいない。
そして、マリリンの背後にいたアシュリーは、肩を震わせているマリリンに対し、そっと耳打ちした。
『クリフォード様、恋は盲目とは申しますけれども…貴女様の場合ご自身に盲目でらっしゃいますわよ?
一度、自分自身を見つめ直してみてはいかがかしら?』 と。
すぐさま、キッ!と睨みを効かせるマリリンに微笑むと、ゆっくりと兄とナタリーがいる場所へと移動する。そして、ナタリーとは反対の兄の横へと並んだ。
もちろん、怖いので今は兄の表情を見ることは控えておきたい。
アシュリーは、周囲を見渡し優雅なカーテシーをとる。それを、確認したナタリーも兄から一歩前に出て、アシュリーの隣にてカーテシーを行った。
そして、揃ってご挨拶。
「ご歓談中の皆様、大変お騒がせ致しました。兄ダニエルを救出しに参りましたので、これにて失礼致します。
そのついでと言っては何ですが…
皆様はあちらのスイーツは、もうお召し上がりになりまして?」
「何でも、王太子殿下が今回のために特別に取り寄せた隣国の珍しいスイーツらしいですわ!皆様の反応を気になさっておいででしたので、是非ご賞味くださいまし♪」
そう言って、控えていた従者へと合図をおくれば、待ってました!とばかりに、スイーツを乗せた皿を運んでくる。
もちろん、王太子のおすすめともなれば、我先にと手を伸ばすのが貴族である。
あっと言う間に、周囲の注目はスイーツへと移っていった。
しっかりと謝罪を述べつつも、さらりと話題を変えて、スイーツとその先にある王太子へと意識を向けされる…
流石、前世接客業だけあるだろう。
皆んなが、スイーツに群がっているうちにダニエルとアシュリー、ナタリーは素知らぬ顔でその場を離れた。
真っ赤な茹蛸のような彼女1人を置き去りにして___
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