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Chapter 1
35*双子と高貴な素材
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視界の端で、王弟であるアレキサンダーとナタリーが何やら話しをしている様子が窺えた。
そろそろ、一度思考を止めて王弟の話しを聞かなければ…
と、考えていたアシュリーは、その考えを止めた。
彼女は、心の中で頷いた。
(うん、大丈夫だ)と。
もはや、何が大丈夫なのか問うてみたくもなるが、恐らくこの大丈夫は"ナタリーが相手をしているから大丈夫"という意味なのだろう。そして、ナタリーも思考の渦から戻って来れないアシュリーを引上げるよりは、王弟の相手の方がマシだと判断したのだろう。
アシュリーは、直ぐさま周りを見渡した。
目の前で、話している王弟を見ていると創作意欲が沸いてきたのだ。
もちろん、衣装もそうだがそれに併せてカフスやタイピンなども、多少凝ったデザインにしたくなってくる。
本当に、素材がいいのだ。
見目麗しい王弟が!!
しかし、いくら探しても書くものは何も見つからない。
そこで、閃いたのは、この無駄に大きな敷地である。
(ま、ここでいっか?とりあえず、イメージを膨らませたいだけだし‥)
そう思い、アシュリーが手にしたものはペン代わりに持つには、少しばかり太さがある木の枝だった。
まぁ、多少持ちづらいが書けないことは無い。
そして、地面は土なので書きたい放題である。
結局、アシュリーはナタリーの「あ、それいいじゃん!」の言葉がかかるまで、無心でデザインを書き続けていた。
その数、既に10着以上…
初めて見る人にとっては、「よくもまぁ、ここまでデザインが浮かぶなぁ~」と思うかもしれないが、アシュリー的には、ただ前世で見たいくつものブランドのデザインを思い出しているだけなのである。
正直に言えば、こちらの世界のデザインの方がずーっと華やかだったりもする。
でも、基本的な形はどれも同じなのだ。
その為、アシュリーはジャケットやスラックス1つにしても同じデザインにならないよう、形や着てからのシルエットに重点をおいたのだ。前世で見ていた、ショー向けの派手なデザインがこちらの世界にはピッタリとはまってくれた。
案の定、この短時間で何着ものデザインを描き上げたアシュリーに、アレキサンダーは尊敬の眼差しを向けていた。
「これは‥すごいな。よく、この短時間で描いたものだ」
「いえ‥少々?だいぶ?没頭してしまいまして、申し訳ございません」
「くっくっくっ…あぁ、だいぶだな~」
そう言って、面白そうに笑う王弟を前にナタリーが「ほんとだいぶよ!」と呆れ混じりに答える。
それでも、アシュリーへの賞賛は忘れない。
「でも、どれも殿下に似合いそうね~!あ、これだと…やっぱり短髪の方が似合いそう~」
そして、ついつい仕事モードになってしまう。
これは、双子の…強いて言えば、由佳と由希側の悪い癖だ。
「え、殿下短髪にするの?それなら…こんな風に襟を立てたようなデザインとかどうよ~?」
「お♪いいね~!
あ、このデザインってあのブランドの?」
「そうそう!覚えてた?あれ、結構インパクト強くて好きだったんだよね~」
「配色が新鮮だったけど、全体的に見るとまとまりがあって、かっこよかったよね!髪には、簪のような長い飾りを付けていたのが、印象に残ってるもん」
そう言って、双子は本日2回目か3回目かの王弟放置タイムに入っていく。
もはや、その姿は議論している官僚達のように真剣そのもので、側で見守るアレキサンダーは自分の衣装に関してのはずが、全く双子の会話に入っていけなかった。思わず、苦笑いを零してしまう。
しかし、ここまで自分の衣装に関して真剣に考えてくれている双子の姿には、どこかしら嬉しさが込みあげる。
そんな思いを噛み締めていると、不意に目を上げたアシュリーと目が合った。
そして、次の瞬間。
壊れかけのブリキのオモチャのように、ギギギーッと音がしそうな程、恐る恐るゆっくりと顔を上げるアシュリーに、アレキサンダーは思わず吹き出すようにして笑った。
あはははははっ!!!!!!
「「 !!! 」」
これに驚いたのは双子である。
正直、今度こそ怒られるかもと思っていたアシュリーは呆然としており、アレキサンダーが笑い出すまで完全にその存在を忘れていたナタリーは驚愕していた。
しかし、双子であるがゆえに思いはいつも一緒である。
((王弟よ!急にどうした!?))
それからしばらくの間、アレキサンダーは双子を見るたびに思い出し笑いをするはめになった。
そろそろ、一度思考を止めて王弟の話しを聞かなければ…
と、考えていたアシュリーは、その考えを止めた。
彼女は、心の中で頷いた。
(うん、大丈夫だ)と。
もはや、何が大丈夫なのか問うてみたくもなるが、恐らくこの大丈夫は"ナタリーが相手をしているから大丈夫"という意味なのだろう。そして、ナタリーも思考の渦から戻って来れないアシュリーを引上げるよりは、王弟の相手の方がマシだと判断したのだろう。
アシュリーは、直ぐさま周りを見渡した。
目の前で、話している王弟を見ていると創作意欲が沸いてきたのだ。
もちろん、衣装もそうだがそれに併せてカフスやタイピンなども、多少凝ったデザインにしたくなってくる。
本当に、素材がいいのだ。
見目麗しい王弟が!!
しかし、いくら探しても書くものは何も見つからない。
そこで、閃いたのは、この無駄に大きな敷地である。
(ま、ここでいっか?とりあえず、イメージを膨らませたいだけだし‥)
そう思い、アシュリーが手にしたものはペン代わりに持つには、少しばかり太さがある木の枝だった。
まぁ、多少持ちづらいが書けないことは無い。
そして、地面は土なので書きたい放題である。
結局、アシュリーはナタリーの「あ、それいいじゃん!」の言葉がかかるまで、無心でデザインを書き続けていた。
その数、既に10着以上…
初めて見る人にとっては、「よくもまぁ、ここまでデザインが浮かぶなぁ~」と思うかもしれないが、アシュリー的には、ただ前世で見たいくつものブランドのデザインを思い出しているだけなのである。
正直に言えば、こちらの世界のデザインの方がずーっと華やかだったりもする。
でも、基本的な形はどれも同じなのだ。
その為、アシュリーはジャケットやスラックス1つにしても同じデザインにならないよう、形や着てからのシルエットに重点をおいたのだ。前世で見ていた、ショー向けの派手なデザインがこちらの世界にはピッタリとはまってくれた。
案の定、この短時間で何着ものデザインを描き上げたアシュリーに、アレキサンダーは尊敬の眼差しを向けていた。
「これは‥すごいな。よく、この短時間で描いたものだ」
「いえ‥少々?だいぶ?没頭してしまいまして、申し訳ございません」
「くっくっくっ…あぁ、だいぶだな~」
そう言って、面白そうに笑う王弟を前にナタリーが「ほんとだいぶよ!」と呆れ混じりに答える。
それでも、アシュリーへの賞賛は忘れない。
「でも、どれも殿下に似合いそうね~!あ、これだと…やっぱり短髪の方が似合いそう~」
そして、ついつい仕事モードになってしまう。
これは、双子の…強いて言えば、由佳と由希側の悪い癖だ。
「え、殿下短髪にするの?それなら…こんな風に襟を立てたようなデザインとかどうよ~?」
「お♪いいね~!
あ、このデザインってあのブランドの?」
「そうそう!覚えてた?あれ、結構インパクト強くて好きだったんだよね~」
「配色が新鮮だったけど、全体的に見るとまとまりがあって、かっこよかったよね!髪には、簪のような長い飾りを付けていたのが、印象に残ってるもん」
そう言って、双子は本日2回目か3回目かの王弟放置タイムに入っていく。
もはや、その姿は議論している官僚達のように真剣そのもので、側で見守るアレキサンダーは自分の衣装に関してのはずが、全く双子の会話に入っていけなかった。思わず、苦笑いを零してしまう。
しかし、ここまで自分の衣装に関して真剣に考えてくれている双子の姿には、どこかしら嬉しさが込みあげる。
そんな思いを噛み締めていると、不意に目を上げたアシュリーと目が合った。
そして、次の瞬間。
壊れかけのブリキのオモチャのように、ギギギーッと音がしそうな程、恐る恐るゆっくりと顔を上げるアシュリーに、アレキサンダーは思わず吹き出すようにして笑った。
あはははははっ!!!!!!
「「 !!! 」」
これに驚いたのは双子である。
正直、今度こそ怒られるかもと思っていたアシュリーは呆然としており、アレキサンダーが笑い出すまで完全にその存在を忘れていたナタリーは驚愕していた。
しかし、双子であるがゆえに思いはいつも一緒である。
((王弟よ!急にどうした!?))
それからしばらくの間、アレキサンダーは双子を見るたびに思い出し笑いをするはめになった。
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