双子の転生先は双子でした

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Chapter 1

15*双子コーデ

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本日のコーディネイトのテーマは、題して!!

【双子コーデ】である。

・・・そのまんまなのだが、今日の相手は兄ではなくこの国のロイヤルである王太子殿下なのだ。
あまり、過激な恰好は避けるべきであり、尚且つ「双子が挨拶にやってくる」と思っているのだから、それはそれは存分に味わってもらいたい。
その為の、テーマだ。

流石に王太子の前に行くのに、胸元と太股を露出させるわけにはいかない。
そこで、今回の2人のドレスは露出を極力抑えたお揃いのデザインを選んだ。

肌触りの良い滑らかな素材を使った、ワンショルダーワンピースだ。
胸元はしっかりと隠されつつも、たゆませた生地からのぞく肩と鎖骨が女性らしいフェミニンさを演出している。
そして、Aラインのやわらかなシルエットが上品さを醸し出すデザインに仕上がっていた。
そして、首には細めのチェーンに辺境伯家の紋章を象ったネックレスを身につけている。

こちらの世界では、かなり珍しい全面無地のデザインドレスだ。
もちろん、それでは現世だと寂しく感じるため、その分手首や耳ヘアアクセを多めに身につけている。
決して、大ぶりの物では無く、あくまで線の細い繊細なデザインの物を重ねづけしているのだ。

こちらの衣装に関しても、母と姉には大好評だった。
なお、こちらでは"アクセサリーの重ねづけ"という概念がそもそも無いので、初めての試みだったのだが、それも2人にはとても好印象のようで、重ね付けのバランスや注意点を熱心に聞き及んでいた。



そして、母と姉は太鼓判を押され、兄と共に背中を押された、今…
双子が立っている場所は、王太子殿下の執務室前だ。


もちろん、ここに来るまでも思う恩分、周囲から興味津々の視線を浴びせられ続けた双子は、本日一番の大物に出会う前に、すでに心身共に疲れ切っていた‥。

"もう、帰りたい…"

そう、顔に出ている妹たちに苦笑いを向けながらも、兄ダニエルはその扉を叩いた。
すでに、連絡が行っていたのだろう。
重厚感ある扉が開くと同時に、王太子の補佐役の人が恭しく礼をして出迎えてくれた。

「辺境伯家の皆様、お待ち申し上げておりました」

中は、二重扉になっており、もう一つの扉の前には警備に立つ騎士が2人立っている。
その2人が、兄を見るや否やスッと姿勢を正し礼をした。
兄も、それに返すようにコクリと頷く。

((兄!かっこいいっ!!!))

その一連の、スムーズな流れに双子のテンションは一気に浮上した。
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