双子の転生先は双子でした

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Chapter 1

13*双子から感謝を込めて

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久しぶりに会えた兄との話に、花を咲かせていると…

もう一つの、サプライズゲストが自らやってきた。

そう…我らのお姉様!エリザベスの婚約者様だ。
もともと、姉の婚約者であるサイラスは、兄の補佐を務めていたことがあり、その際訪ねてきた姉エリザベスに一目惚れしたそうだ。
"よく分からない"と言うよりも、"あまり知りたくない"と言った方が正しい気がするのだが…
とりあえず、姉に対する好意のが凄かったらしい。

その当時の様子が気になって、以前母に聞いてみたところ、急に遠い目をして呟いたのだ。

「隣国に逃げる手配をつけていたわ」と。

そして、それ以上は聞かない方が身のためです…と、悲しげな様子の執事に言われた為、それ以上の事は知らない。
かなり…"ヤバイ人"なんだとは、分からないなりに悟ってはいた。
しかし、妹としての双子の立場からすると、そういった不安要素以上に、姉に対する彼の愛情がとても大きいことを嬉しく思っていた。

まぁ、何より一番好印象だったのは、いつ何時、どんな姿であっても私達双子を貶さなかったことだ。
彼はいつでも姉が一番で、姉しか見えていない。だから、家族以外で彼だけは双子を対等にみてくれていた。姉がいない社交場であっても、彼はいつも挨拶を交わしてくれた。

"普通に接してくれること"

この行為に、どれほど救われたか分からない。

だから、今日はそんな彼に感謝を込めて…
とびっきり色気を放ったプレゼントしたいと思う!!

これが、私達双子のもう一つのサプライズなのだ!





___バンッ!!!

バタバタと慌ただしい足音と共に、突然開け放たれた扉。
そこには、息を切らしてやってきた人が愛する人の名を呼び入ってきた。

「エル!!!」

「まぁ、ラスったら!」

クスクス!と、笑いながらまだ肩で息をする婚約者を抱き止める。
エルはエリザベスの相性であり、ラスもサイラスの相性だ。ちなみに、この「ラス」と言う呼び方はエリザベスだけの呼び方で、家族は彼を「サイ」と呼ぶそうだ。
この時点で、すでに束縛感が否めないのだが、姉からすると自分に全く関心を寄せない相手よりずっと良いらしい。

まぁ、とにかく現在サイラスの目には、それはそれは姉がいる。

そして、その目の前に、兄と双子がいる事に気づいているのだろうか?

兄であるダニエルが「いい加減にしろ!双子の前で!」と怒り出すまで、サイラスはエリザベスを抱きしめて離さなかった。
もちろん、今回の1番のポイントである胸のカット部分から除く魅力的な谷間には、彼の赤い唇が添えられており、艶かしい白い太ももが除くスリット部分には、何度も何度もその手触りを確かめるかの様に行き交う手が添えられている。
色々な意味を込めて…ギリギリだった。

サイラスは、上機嫌でエリザベスを連れて部屋を出て行った。

その瞬間、双子は悟った。

「「お兄様、馬車まで案内してください!」」と。
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