双子の転生先は双子でした

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Chapter 1

8*双子のお披露目会

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辺境伯家の大広間には、辺境伯夫人であるミリアーナによって呼び出された人々で溢れていた。
ミリアーナは、集まった者達に対し『我が娘へ対する社交界の噂が許せない!』と告げた。
そして、女神との呼び名を付けられている姉エリザベスも同様に『妹達を蔑む者達に嫌気がさす!』と述べた。

彼女たちが、ここまで守りたい相手こそ、辺境伯家の双子令嬢…

【通称:忌々しい双子】である。


そして今回、双子の娘達が自らの意思で社交界に充満する悪意に立ち向かう決心をつけたのだと、皆に説明した。
もちろん、ここにいる全員が辺境伯家の一族のようなものである。
だからこそ、双子を取り巻く噂がどれだけ酷いことなのか誰もが知っていた。
しかし、そんな中彼女たちは戦う意思を見せたのだ。
大広間からは、割れんばかりの拍手が送られていた。
彼女たちの、勇気と誇り高さに向けて。


そして、来月王都で開かれる王族主催の夜会に参戦する前に、是非家族である皆に新たに生まれ変わった2人を見て欲しい!そう言って、ミリアーナはそっと扉へと視線を送った…

ミリアーナの合図で、大広間の扉がゆっくりと左右に開く。


「「「「「 !!! 」」」」」


その場にいた者達は、思わず息をのんだ。

誰もが、驚愕した顔で彼女たちを見ていた。
当主を始めとする辺境伯一族、辺境伯に長年勤める使用人達、そして辺境伯領の要ともいえる辺境伯騎士団。
滅多なことでも感情を表に出さない、辺境伯当主ライウスでさえ瞬きひとつせずに、目の前を優雅に歩いてくる彼女たちに釘付けだった。
小さな頃よりお世話をしている執事長は、目に涙をためている。
侍女達は、日頃の彼女たち努力を知っているため、皆の反応に誇らしくて嬉しくて大満足だ。
普段、血の気が盛んな騎士達の中には、ポ~ッと顔を赤らめている者まで見受けられた。

誰もが、心の中で思っただろう。

『あの双子が!?』と。


まぁ、それぐらい思って貰わなければ…逆に困る。

そう、由佳アシュリー由希ナタリーの改造計画は、皆の反応からして大成功を収めたのだった。

そして、お披露目タイムもさることながら、やり手実業家と化した母ミリアーナより重大発表がなされた。

来月の夜会でのお披露目を皮切りに、新たに始まる事業の発表だった。

由佳アシュリーが手掛ける
【ドレスブランドの発足】
【オーダーメイドジュエリーの立上げ】

由希ナタリーの手掛ける
【店舗型ネイルサロンのオープン】

この3つである。

当然の様に、発表された新事業はすでに大凡の見込みが経っている。
4人による広告塔に加え、母と姉による営業がかかるからだ。
4人とは、もちろん母と姉を含めた双子のことだ。

そう、現在母と姉用のドレスも制作中なのだ。ネイルのデザインや髪型までトータルプロデュースの様にして準備を進めている。



そして、辺境伯領の皆んなから今回の大改造の成功を祝われた、翌月。
いよいよ、辺境伯家が王都へと乗り込むこむのだった。
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