4 / 112
Chapter 1
4*双子は家族の為に、家族は双子の為に
しおりを挟む
双子が通れば、その道筋にはクスクスと馬鹿にしたような笑い声が響く。
『な~に、アレ?』
『本当に、女性なのかしら?実は男性だったりして?』
『不気味ですこと…』
『ダニエル様も、エリザベス様も紹介したがらない訳ですわ』
『私でも、無理だわ…あんな…、ねぇ?』
誹謗中傷は、一度湧き上がると止まる事を知らない。
それは、次第に双子のみに収まらず愛する兄や姉、大切な両親にまで牙を剥いた。
『辺境伯は、更なる軍事力強化の為にあのゴリラの様な双子を買い取ったらしいわよ!』
『そうですのね!可笑しいと思ってましたわ…』
『流石は、辺境伯様ですわね~!
あんな賤しい者たちにも、社交会デビューを飾らせるなんて…お優しいわ~!』
『先日、ダニエル様自らあの双子に御指南されたそうよ~!』
『妹とは、呼びたくないでしょうに…お優しいわね~』
『エリザベス様とサイラス様が、あの汚い双子のせいで破談になりかけているらしいわ!』
『まぁ!なんて酷い!エリザベス様お可哀想…』
『でも、お優しいエリザベス様は変わらぬ態度で双子に接しておられるそうよ…なんて慈悲深いのかしら…』
『『『忌々しい双子』』』
気がつけば、2人は社交界でそう言われるようになった。
もちろん、全て事実無根である。
父である辺境伯は、怒りのあまり噂を広め始めた家に対し抗議文と慰謝料を請求、母である辺境伯夫人も同様に怒り狂い、一時期王都への物流を完全にストップさせた程だった。
それに対し、真っ先に動いたのは王家だった。
「今すぐ辞める」と言い、すぐ様辺境伯へと戻ろうとする近衛副団長のダニエルを引き留め、物流再開のために暴言を吐いたとされる全ての家への慰謝料の支払いを義務付け、辺境伯家に必死に頭を下げたのだった。
もちろん、妹達が可愛くて仕方のないエリザベスも動いた。
…いや、動かした。
…誰を?
…サイラスを。
「これ以上、妹達へと風当たりが酷くなる様ではサイラス様とは結婚できませんわ」
そう、一言述べただけである。
しかし、エリザベスが"一度口に出したことは絶対に曲げない事"を知っているサイラスにとっては、この一言は爆弾発言であり死活問題だった。
彼は、ここで思う存分…
次期宰相の実力を発揮した。
噂を辿って、辿って、辿って…更に辿って…
行き着く先は、とある伯爵令嬢と子爵令嬢だった。
そして半年後、この両家は現在この国に存在すらしていない。
家族は、双子を愛してやまなかった。
そして、アシュリーもナタリーも家族が大好きだった。
だからこそ、彼女達は社交界から姿を消した。
両親と、兄と姉の幸せを心から願って…。
『な~に、アレ?』
『本当に、女性なのかしら?実は男性だったりして?』
『不気味ですこと…』
『ダニエル様も、エリザベス様も紹介したがらない訳ですわ』
『私でも、無理だわ…あんな…、ねぇ?』
誹謗中傷は、一度湧き上がると止まる事を知らない。
それは、次第に双子のみに収まらず愛する兄や姉、大切な両親にまで牙を剥いた。
『辺境伯は、更なる軍事力強化の為にあのゴリラの様な双子を買い取ったらしいわよ!』
『そうですのね!可笑しいと思ってましたわ…』
『流石は、辺境伯様ですわね~!
あんな賤しい者たちにも、社交会デビューを飾らせるなんて…お優しいわ~!』
『先日、ダニエル様自らあの双子に御指南されたそうよ~!』
『妹とは、呼びたくないでしょうに…お優しいわね~』
『エリザベス様とサイラス様が、あの汚い双子のせいで破談になりかけているらしいわ!』
『まぁ!なんて酷い!エリザベス様お可哀想…』
『でも、お優しいエリザベス様は変わらぬ態度で双子に接しておられるそうよ…なんて慈悲深いのかしら…』
『『『忌々しい双子』』』
気がつけば、2人は社交界でそう言われるようになった。
もちろん、全て事実無根である。
父である辺境伯は、怒りのあまり噂を広め始めた家に対し抗議文と慰謝料を請求、母である辺境伯夫人も同様に怒り狂い、一時期王都への物流を完全にストップさせた程だった。
それに対し、真っ先に動いたのは王家だった。
「今すぐ辞める」と言い、すぐ様辺境伯へと戻ろうとする近衛副団長のダニエルを引き留め、物流再開のために暴言を吐いたとされる全ての家への慰謝料の支払いを義務付け、辺境伯家に必死に頭を下げたのだった。
もちろん、妹達が可愛くて仕方のないエリザベスも動いた。
…いや、動かした。
…誰を?
…サイラスを。
「これ以上、妹達へと風当たりが酷くなる様ではサイラス様とは結婚できませんわ」
そう、一言述べただけである。
しかし、エリザベスが"一度口に出したことは絶対に曲げない事"を知っているサイラスにとっては、この一言は爆弾発言であり死活問題だった。
彼は、ここで思う存分…
次期宰相の実力を発揮した。
噂を辿って、辿って、辿って…更に辿って…
行き着く先は、とある伯爵令嬢と子爵令嬢だった。
そして半年後、この両家は現在この国に存在すらしていない。
家族は、双子を愛してやまなかった。
そして、アシュリーもナタリーも家族が大好きだった。
だからこそ、彼女達は社交界から姿を消した。
両親と、兄と姉の幸せを心から願って…。
16
あなたにおすすめの小説
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
王女殿下のモラトリアム
あとさん♪
恋愛
「君は彼の気持ちを弄んで、どういうつもりなんだ?!この悪女が!」
突然、怒鳴られたの。
見知らぬ男子生徒から。
それが余りにも突然で反応できなかったの。
この方、まさかと思うけど、わたくしに言ってるの?
わたくし、アンネローゼ・フォン・ローリンゲン。花も恥じらう16歳。この国の王女よ。
先日、学園内で突然無礼者に絡まれたの。
お義姉様が仰るに、学園には色んな人が来るから、何が起こるか分からないんですって!
婚約者も居ない、この先どうなるのか未定の王女などつまらないと思っていたけれど、それ以来、俄然楽しみが増したわ♪
お義姉様が仰るにはピンクブロンドのライバルが現れるそうなのだけど。
え? 違うの?
ライバルって縦ロールなの?
世間というものは、なかなか複雑で一筋縄ではいかない物なのですね。
わたくしの婚約者も学園で捕まえる事が出来るかしら?
この話は、自分は平凡な人間だと思っている王女が、自分のしたい事や好きな人を見つける迄のお話。
※設定はゆるんゆるん
※ざまぁは無いけど、水戸○門的なモノはある。
※明るいラブコメが書きたくて。
※シャティエル王国シリーズ3作目!
※過去拙作『相互理解は難しい(略)』の12年後、
『王宮勤めにも色々ありまして』の10年後の話になります。
上記未読でも話は分かるとは思いますが、お読みいただくともっと面白いかも。
※ちょいちょい修正が入ると思います。誤字撲滅!
※小説家になろうにも投稿しました。
【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました
鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」
そう言ったのは、王太子アレス。
そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。
外交も財政も軍備も――
すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。
けれど功績はすべて王太子のもの。
感謝も敬意も、ただの一度もない。
そして迎えた舞踏会の夜。
「便利だったが、飾りには向かん」
公開婚約破棄。
それならば、とレイナは微笑む。
「では業務も終了でよろしいですね?」
王太子が望んだ通り、
彼女は“確認”をやめた。
保証を外し、責任を返し、
そして最後に――
「ご確認を」と差し出した書類に、
彼は何も読まずに署名した。
国は契約で成り立っている。
確認しない者に、王の資格はない。
働きたくない公爵令嬢と、
責任を理解しなかった王太子。
静かな契約ざまぁ劇、開幕。
---
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!
ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。
※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。
我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。
たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。
しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。
そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。
ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。
というか、甘やかされてません?
これって、どういうことでしょう?
※後日談は激甘です。
激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。
※小説家になろう様にも公開させて頂いております。
ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。
タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~
赤貧令嬢の借金返済契約
夏菜しの
恋愛
大病を患った父の治療費がかさみ膨れ上がる借金。
いよいよ返す見込みが無くなった頃。父より爵位と領地を返還すれば借金は国が肩代わりしてくれると聞かされる。
クリスタは病床の父に代わり爵位を返還する為に一人で王都へ向かった。
王宮の中で会ったのは見た目は良いけど傍若無人な大貴族シリル。
彼は令嬢の過激なアプローチに困っていると言い、クリスタに婚約者のフリをしてくれるように依頼してきた。
それを条件に父の医療費に加えて、借金を肩代わりしてくれると言われてクリスタはその契約を承諾する。
赤貧令嬢クリスタと大貴族シリルのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる