双子の転生先は双子でした

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Chapter 1

2*前世の双子は現世の双子を知る

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2人は、向かい合わせに座りお互いをしっかりと観察していた。
そして、手元の紙にひたすら何かを綴っていく。
それは、お互いのについてだった。

2人が書くリストの1番目は、共通していた。
簡潔に一言。 


【きたない】


その一言を皮切りに、新手のイジメか?と思うほどの言葉が並べられていく。

ブス
髪ボサボサ
前髪長すぎ
シミ
そばかす
ニキビ
ゴミ
爪割れ
肌荒れ
足太すぎ
ムキムキ
オッサン
くびれ無し
論外
胸無し
硬め
シックスパック …etc


時折、感想も入ってくるが一枚の用紙にびっしりと綴られた言葉。
そして、相手を見て自分が書いたその紙に、2人はそれぞれを書いた。

由佳アシュリー由希ナタリーを見て書いた紙には…
【現在のアシュリー】と。

由希ナタリー由佳アシュリーを見て書いた紙には…
【今のナタリー】と。

お互いが、お互いに向けて放った辛辣な言葉を双子故の価値観で己へと返したのだ。

そして、お互いに紙を見せ合うと大きく頷いた。

やっぱり、姿形が変われど今までの双子歴はアシュリーとナタリーよりも長いのだ。
由佳も由希も、絶対に譲れないものは一緒だった。

それは、正しく…


!!!



この一言に限る。

目覚めた時、2人は驚愕したのだ。
隣に座る相手の、なんとも言えない薄汚れた野良猫のような姿に…
そして、鏡に映る自分の

由佳も由希も、ファッションや美容関係の最前線の仕事に付いていた。
あろうことか、が…
いつ櫛でといたのかわからない様なゴワゴワの髪に、目元をスッポリと覆う前髪、その隙間からは赤く腫れ上がった現在進行形ニキビに加えて、存在感を存分に発揮するニキビ痕が見え隠れしている。
鼻から頬にかけては、そばかすと見間違う程のマダラな日開け痕とシミが自己主張に忙しそうだった。
唇は割れてガッサガサ…
騎士団に混じり剣を振るうためか、爪は割れ手は豆だらけである。
筋肉が付きすぎた身体は、女性らしい丸みや柔らかさは皆無に等しかった。
何気なく、お腹をさすればハッとし、思わずシャツをめくり上げる。
すると、そこにはとても美しく整えられたシックスパックが堂々たる風貌で鎮座されていた。


由希「…ナタリーこの人ボディビルでもやんの?」

由佳「‥辺境伯って女性陣みんなシックスパックなの?」


そんな2人の疑問は、その夜夕食の席で母である辺境伯夫人に全否定されて事なきを得たのだった。
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