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本編
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推定でも、1ヶ月以上かかるとされていたダンジョン攻略は、想像以上の速さで終わりお迎えだ。
これも全ては、彼女達【フォルトゥナの剣】のお陰だろう。
ダンジョンについて早々、彼女達は同じ冒険者の皆んなに、一枚の計画書を渡していた。
それは、主にダンジョンではなく、テストに重きを置いた内容の攻略計画書だったのだ。
そう、あくまでも彼女達にとっては、今回のダンジョン攻略及び討伐はテストである。
それも、将来を担った大切なものなのだ。
しかも、正直にいって…
騎士団が作成した計画書とは、比べ物にならないほど良くできたものだった。
中でも、攻撃パターンは様々な状況を考慮した上で考えられており、それはもう緻密に計算されていた。
『これさえあれば、ダンジョン攻略も怖くない!』
と言った、キャッチフレーズで売り出せば完売となること間違いないだろう。
同じ冒険者であり、彼女達よりベテラン揃いの【疾風の龍】のメンバー達も、彼女達の作った計画書のレベルの高さにただただ驚いていた。
そして、最終的な結果として…
予定より半月も早いダンジョン攻略を達成したのだった。
隙のない攻撃や守備の動き、一人一人の能力に合わせた配置やチーム編成など…
もはや、騎士団団長も舌を巻く程の洞察力を持ち合わせた彼女達を、帰路につく頃には騎士団を始めとする誰もがその実力を認めていた。
そして、今回の作戦により彼女達は最大限の仕返しを彼らにやって退けたのだ。
お陰で、彼ら4人は帰路につく頃には誰よりもボロボロの状態だった。
もちろん、彼らも充分な素質と実力を持ち合わせているので、大きな怪我をおったわけではないのだが…
彼女達の、日頃溜まりに溜まった鬱憤は止まることを知らないほどに大きかったのだろう。
彼らは、ダンジョンへ入って出てくる最後まで常に最前列で戦っていたのだ。
要するに、一番大変な場所といってもいいだろう。
4人以外のメンバーは、1日おきにローテーションで下がるのだが、彼らの場合…
『クロード様は、交代で上がってきた方のサポートをお願いします』
『交代された方の実力からして、リカルド様がフォローに入るべきかと』
『サイモン様の後ろで、動きを学ぶべきです』
『配置場所は、アルバス様の後ろでです』
と、言ったかたちで常に前線にいるように仕向けていたのだ。
もちろん、疲れが出始めて怪我をしたらもともこもない為、定期的にアーリアが弱い回復魔法をかけたり、ミシュカがフォローに入ったりと、絶対に下がらせないように上手く回していたのだ。
そして、ダンジョンのあった森を抜け、久々に人々が住む街へと戻ってきた彼らに、追い討ちをかけるようにして、ユーフォニアが言った。
「皆さま、大変お疲れ様でした。
宿は、予定通り指定された場所をご利用ください。食事は大通りに面した場所にある"月の花亭"となります。また、疲れを癒やされたいのであれば裏通りにございます"光の蝶屋敷"がオススメです。
それでは、皆様またあした~!」
・・・・・。
もはや、団長を含め冒険者一同も絶句である。
お察しの通り、癒しどころ"光の蝶屋敷"はこの街一番の娼館である。
例の4人をはじめ、名だたるメンバーがお世話になっている娼館なのだ。
そして今回も、彼ら以外はいつも通り討伐後の荒ぶった身体を落ち着かせるために利用する気満々だった。
しかし!!!
あの、断罪を目撃した者達からして、この先に指摘された状態は…
ただの拷問に等しいのではないだろうか?
もちろん、彼女達は行くなとは言ってない。
むしろ、オススメまでしてくれたのだ。
…要するに、どれぐらいの人数が利用しているのか把握している!と言うことでは無いだろうか?
結局、この日は騎士団が滞在しているにも関わらず、珍しい程に娼館はガラガラだったそうだ。
これも全ては、彼女達【フォルトゥナの剣】のお陰だろう。
ダンジョンについて早々、彼女達は同じ冒険者の皆んなに、一枚の計画書を渡していた。
それは、主にダンジョンではなく、テストに重きを置いた内容の攻略計画書だったのだ。
そう、あくまでも彼女達にとっては、今回のダンジョン攻略及び討伐はテストである。
それも、将来を担った大切なものなのだ。
しかも、正直にいって…
騎士団が作成した計画書とは、比べ物にならないほど良くできたものだった。
中でも、攻撃パターンは様々な状況を考慮した上で考えられており、それはもう緻密に計算されていた。
『これさえあれば、ダンジョン攻略も怖くない!』
と言った、キャッチフレーズで売り出せば完売となること間違いないだろう。
同じ冒険者であり、彼女達よりベテラン揃いの【疾風の龍】のメンバー達も、彼女達の作った計画書のレベルの高さにただただ驚いていた。
そして、最終的な結果として…
予定より半月も早いダンジョン攻略を達成したのだった。
隙のない攻撃や守備の動き、一人一人の能力に合わせた配置やチーム編成など…
もはや、騎士団団長も舌を巻く程の洞察力を持ち合わせた彼女達を、帰路につく頃には騎士団を始めとする誰もがその実力を認めていた。
そして、今回の作戦により彼女達は最大限の仕返しを彼らにやって退けたのだ。
お陰で、彼ら4人は帰路につく頃には誰よりもボロボロの状態だった。
もちろん、彼らも充分な素質と実力を持ち合わせているので、大きな怪我をおったわけではないのだが…
彼女達の、日頃溜まりに溜まった鬱憤は止まることを知らないほどに大きかったのだろう。
彼らは、ダンジョンへ入って出てくる最後まで常に最前列で戦っていたのだ。
要するに、一番大変な場所といってもいいだろう。
4人以外のメンバーは、1日おきにローテーションで下がるのだが、彼らの場合…
『クロード様は、交代で上がってきた方のサポートをお願いします』
『交代された方の実力からして、リカルド様がフォローに入るべきかと』
『サイモン様の後ろで、動きを学ぶべきです』
『配置場所は、アルバス様の後ろでです』
と、言ったかたちで常に前線にいるように仕向けていたのだ。
もちろん、疲れが出始めて怪我をしたらもともこもない為、定期的にアーリアが弱い回復魔法をかけたり、ミシュカがフォローに入ったりと、絶対に下がらせないように上手く回していたのだ。
そして、ダンジョンのあった森を抜け、久々に人々が住む街へと戻ってきた彼らに、追い討ちをかけるようにして、ユーフォニアが言った。
「皆さま、大変お疲れ様でした。
宿は、予定通り指定された場所をご利用ください。食事は大通りに面した場所にある"月の花亭"となります。また、疲れを癒やされたいのであれば裏通りにございます"光の蝶屋敷"がオススメです。
それでは、皆様またあした~!」
・・・・・。
もはや、団長を含め冒険者一同も絶句である。
お察しの通り、癒しどころ"光の蝶屋敷"はこの街一番の娼館である。
例の4人をはじめ、名だたるメンバーがお世話になっている娼館なのだ。
そして今回も、彼ら以外はいつも通り討伐後の荒ぶった身体を落ち着かせるために利用する気満々だった。
しかし!!!
あの、断罪を目撃した者達からして、この先に指摘された状態は…
ただの拷問に等しいのではないだろうか?
もちろん、彼女達は行くなとは言ってない。
むしろ、オススメまでしてくれたのだ。
…要するに、どれぐらいの人数が利用しているのか把握している!と言うことでは無いだろうか?
結局、この日は騎士団が滞在しているにも関わらず、珍しい程に娼館はガラガラだったそうだ。
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