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本編
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まだ、薄らと闇が残る明け方…
騎士団の演習広場には多くの騎士達と今回の討伐に参加する冒険者達が集まっていた。
中でも、注目を集めたのは間違いなくあの4人である。
Sランクパーティ【フォルトゥナの剣】のメンバーと、その婚約者である4人の騎士達だ。
先日の、血気盛んなようすは見る影もなくなっていた。
ある者は、ただただ静かに出発の準備を行い‥
ある者は、未だボーッと遠くを見つめている。
そんな4人をみた者達は、口々に「こんな状態で、大丈夫だろうか?」と、心配する声をあげていた。
しかし、一部からは「自業自得だ」と言った声も寄せられる。
そんな中、颯爽と姿を現わしたのは【フォルトゥナの剣】の4人だ。
それぞれが、貴族令嬢では無く冒険者として今回の討伐に参加する。
前回の、制服姿の愛らしい姿はどこにもなかった。
もはや、一人一人が纏う空気が違うのだ。
彼女たちが現われただけで、凜とした緊張感が走った。
強靱な肉体を持っているわけでも無い。
ベテラン冒険者のような風貌な訳でもない。
だけど、彼女たちが歩くたび誰もがその姿を視界に捉えようと手を止めて見入るのが分かる。
まさしく、彼女たちはSランクと名乗るに相応しい存在だった。
そんな、輝く彼女たちを横目に捉えながらも黙々と準備をする者がいる。
リカルド・フォード
サイモン・モンテネグロ
クロード・ライガスト
アルバス・ライモンド
既に、サイモンとアルバスにいたっては婚約撤回と破棄の手続きまで、全て終わっている。
要するに、もはや赤の他人だ。
ただし、アルバスにいたっては"公の場での謝罪"がまだの為、全くもって赤の他人とは言いがたい。
クロードに関しては、破棄の手続き中である。
恐らく、この討伐を終えて帰った頃には婚約破棄が成立しているだろう。
そして、以外にも未だ現状維持しているのが…リカルドだった。
一度は、自らアーリアに対し婚約破棄を望んだものの、あれからフォード家はレイノルズ家に何度も謝罪に伺いたい旨を伝えたにも関わらず、レイノルズ家からは一切音沙汰が無い状態だったのだ。
これには、当主であるリカルドの父が不安と心労で疲弊しており、それをみた夫人でさえ体調を心配する始末だった。
出かける際、リカルドは当主である父に何度も釘をさされた。
「愚かな真似だけはするなよ。これ以上、フォード家に泥を塗るな」と。
リカルドは現在、初心に戻ったかのような気持ちでこの場に立っていた。
考えることは、目の前の討伐のことだけだ。
これ以上、悪くなることは無い。
彼は、そう思いたいのだ。
そして、一行はダンジョンへと出発した。
騎士団の演習広場には多くの騎士達と今回の討伐に参加する冒険者達が集まっていた。
中でも、注目を集めたのは間違いなくあの4人である。
Sランクパーティ【フォルトゥナの剣】のメンバーと、その婚約者である4人の騎士達だ。
先日の、血気盛んなようすは見る影もなくなっていた。
ある者は、ただただ静かに出発の準備を行い‥
ある者は、未だボーッと遠くを見つめている。
そんな4人をみた者達は、口々に「こんな状態で、大丈夫だろうか?」と、心配する声をあげていた。
しかし、一部からは「自業自得だ」と言った声も寄せられる。
そんな中、颯爽と姿を現わしたのは【フォルトゥナの剣】の4人だ。
それぞれが、貴族令嬢では無く冒険者として今回の討伐に参加する。
前回の、制服姿の愛らしい姿はどこにもなかった。
もはや、一人一人が纏う空気が違うのだ。
彼女たちが現われただけで、凜とした緊張感が走った。
強靱な肉体を持っているわけでも無い。
ベテラン冒険者のような風貌な訳でもない。
だけど、彼女たちが歩くたび誰もがその姿を視界に捉えようと手を止めて見入るのが分かる。
まさしく、彼女たちはSランクと名乗るに相応しい存在だった。
そんな、輝く彼女たちを横目に捉えながらも黙々と準備をする者がいる。
リカルド・フォード
サイモン・モンテネグロ
クロード・ライガスト
アルバス・ライモンド
既に、サイモンとアルバスにいたっては婚約撤回と破棄の手続きまで、全て終わっている。
要するに、もはや赤の他人だ。
ただし、アルバスにいたっては"公の場での謝罪"がまだの為、全くもって赤の他人とは言いがたい。
クロードに関しては、破棄の手続き中である。
恐らく、この討伐を終えて帰った頃には婚約破棄が成立しているだろう。
そして、以外にも未だ現状維持しているのが…リカルドだった。
一度は、自らアーリアに対し婚約破棄を望んだものの、あれからフォード家はレイノルズ家に何度も謝罪に伺いたい旨を伝えたにも関わらず、レイノルズ家からは一切音沙汰が無い状態だったのだ。
これには、当主であるリカルドの父が不安と心労で疲弊しており、それをみた夫人でさえ体調を心配する始末だった。
出かける際、リカルドは当主である父に何度も釘をさされた。
「愚かな真似だけはするなよ。これ以上、フォード家に泥を塗るな」と。
リカルドは現在、初心に戻ったかのような気持ちでこの場に立っていた。
考えることは、目の前の討伐のことだけだ。
これ以上、悪くなることは無い。
彼は、そう思いたいのだ。
そして、一行はダンジョンへと出発した。
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