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番外編 〜その後〜

*アリスティアが愛おしい*

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あの頃のように、アリスティアと肌を重ねる事は出来ないと思っていた。

しかし、親族のみでささやかに開かれた結婚式が終わった夜。
年甲斐もなく、アリスティアを求めてしまった。

この数十年、アリスティアを失ってから私の身体は反応しなくなった。
どんなに、魅力的な身体で誘ってきても、その気も起きなければ体も反応しない。
だから正直、結婚も子供も何もかも必要なかった。

私が必要としていたのは、ただ一人…
アリスティアだけだった。


彼女の息子のジャレッドが、我が家に来た時は信じられなかった。
でも、側で頷き微笑むアレクシスを見て夢ではないと悟った。
もう、涙が止まらなかった。

『一緒に母の元へ来て欲しい』と、ジャレッドに言われた時、正直怖かった。
また、の様にアリスティアに断られたら…
そう思うと、『本当に尋ねてもいいのだろうか?』と不安が漏れた。

すると彼は、アリスティアと同じ微笑みで私に言った。
『もちろんです。きっと母は喜びますよ』と。


そして、久しぶりに会えた彼女は悲壮感を漂わせながらも美しかった。
やつれて、疲れ切っていたが、それでも私には十分眩しく映った。
「歳をとったわ…」と、言うがそんな事はどうでもよかった。

今、目の前にアリスティア彼女が居る!

それだけで、私は最高に幸せだった。

ひっそりと二人で寄り添い暮らしていければ十分だったのだが…周りからの猛反対を受け、細やかではあるが式を挙げた。

新婦である、アリスティアの支度が整ったと義理の娘になるセシリアが呼びに来てくれたので、アリスティアの控室に向かった。
中からは、何やら楽しそうな声が聞こえてくる。

そっと、部屋の扉を開けた瞬間…

あまりの美しさに言葉を失った。

そして、アリスティアを抱きしめた後、堰を切ったように今まで溜めていた感情が流れ出た。

もう、止まらなかった。

求めていた愛する人を、またこの腕に抱けた悦びに…

再会してから、初めてアリスティアに口付けをした。

深く深く、ありったけの愛を込めて…。


◇ ◇ ◇

そして、今…

アリスティアは、わたしの腕の中で微睡んでいる。
彼女は、日に日に若返るかの様に美しくなっていく。
昔のように、求める事はない。
それでも、時々は彼女の柔らかな肌に口付けを落とす。
時には、それ以上を求めてしまう。
アリスティアへの欲望は増すばかりだ。

そんな私を、アリスティアは「困った人ね」と言って受け入れてくれる。
優しく包み込むように…



ふと、目を覚ましたアリスティアと視線が合う。

彼女はニコッと微笑むと、そっと私に口付けを落とした。
そして、告げる。

「愛してるわ、レオン」と。


___あぁ、なんて幸せなんだろう。
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