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17.脱走失敗
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「シノっ!やっと見つけたよ!
もう絶対に逸れたりないから安心してくれ。さぁ!」
そう言って、差し出された手を振り払う事も出来ず…
脱走より、たった数十分で私はラルフにより捕獲された。
当然のように、脳内エデンは爆笑中である。
最高に面白い!と言いながら…
___何故、見つかるのっ!?
紫乃は、ただただ驚いていた。
あれ程、綿密に計画を立てたにも関わらず、たった数十分で見つけられるなんて…
むしろ、まだ市場を出てれもいなかったのに。
あまりの、早期発見に紫乃はショックを隠しきれなかった。
明らかに、落ち込んでいる紫乃を心配したラルフは握っている手に更に力を込めて言う。
「もう、絶対に離さない!」と。
そして、紫乃も思う。
(いえ、率先して離してください!)と。
『脱走するぞ!』と、決意したその後…
ついつい脱走計画を練る事に夢中になってしまい、集合時間を忘れていた紫乃は少しばかりラルフを待たせてしまった。
しかし、計画はエデンと立てた通り順調に進んでいった。
・・・初めだけ。
予定通り市場へ出向き、市場を見回りながらお店の位置や細い抜け道などを確認し、予定通りラルフと逸れた事を装い指定の場所に身を潜めた。
あとは、この周辺を離れて他を探しに行くタイミングで反対方向へ移動し、市場の外れの馬場から馬車に飛び乗り脱出する流れのはずだった。
そして、この計画は紫乃とエデンの二人が考えた中で、一番まともで精一杯綿密に立てられた計画のはずだった。
しかし、惜しくもその計画はラルフに見つけ出され、失敗に終わってしまった。
そう、終わったはずなのだ。
本来なら…。
しかし、彼女は諦めなかった…
性懲りも無く、再度全く同じ流れを繰り返した。
この計画自体が、大変お粗末であることを理解せずに。
と、なると___
案の定、結果も比例してくる。
再挑戦するも、またもやラルフに速攻で見つかり、今度は腰に手を回されて市場を回る羽目になった。
そして、懲りずに再度挑戦。
三度目に見つかった時には、等々ラルフに「何故逃げようとするんだ」と、抱きつかれてしまった。
そして、紫乃は影のことでみんなを信頼できなくなった、と正直にラルフに伝えることにした。
「何故、逃げるんだ?シノは、そんなに俺が嫌なのか?」
(え、うん。)
心の中で、即答しつつ「待て待て」と自分を抑えながら正直な思いを伝える。
「実は…」
紫乃は思いの丈を打ち明けた。
"思いの丈"と言う名の苦情を!
「勝手に"影"なんて付けないでよ!
四六時中見られてるなんて、変態じゃないっ!着替えもままならないし!
そんなに、信用できず監視するなら、初めから後見人なんてならなければいいでしょっ!それに… 」
はぁはぁ、はぁ…
息が続かなくなるほど、言いたいことを言いまくった紫乃は、かなりスッキリとしていた。
しかし、それとは反対に紫乃の話を黙って聞いていたラルフは突然怒りを露わにした。
そして、向かった先は…
ラルフの父がいる書斎だった。
もう絶対に逸れたりないから安心してくれ。さぁ!」
そう言って、差し出された手を振り払う事も出来ず…
脱走より、たった数十分で私はラルフにより捕獲された。
当然のように、脳内エデンは爆笑中である。
最高に面白い!と言いながら…
___何故、見つかるのっ!?
紫乃は、ただただ驚いていた。
あれ程、綿密に計画を立てたにも関わらず、たった数十分で見つけられるなんて…
むしろ、まだ市場を出てれもいなかったのに。
あまりの、早期発見に紫乃はショックを隠しきれなかった。
明らかに、落ち込んでいる紫乃を心配したラルフは握っている手に更に力を込めて言う。
「もう、絶対に離さない!」と。
そして、紫乃も思う。
(いえ、率先して離してください!)と。
『脱走するぞ!』と、決意したその後…
ついつい脱走計画を練る事に夢中になってしまい、集合時間を忘れていた紫乃は少しばかりラルフを待たせてしまった。
しかし、計画はエデンと立てた通り順調に進んでいった。
・・・初めだけ。
予定通り市場へ出向き、市場を見回りながらお店の位置や細い抜け道などを確認し、予定通りラルフと逸れた事を装い指定の場所に身を潜めた。
あとは、この周辺を離れて他を探しに行くタイミングで反対方向へ移動し、市場の外れの馬場から馬車に飛び乗り脱出する流れのはずだった。
そして、この計画は紫乃とエデンの二人が考えた中で、一番まともで精一杯綿密に立てられた計画のはずだった。
しかし、惜しくもその計画はラルフに見つけ出され、失敗に終わってしまった。
そう、終わったはずなのだ。
本来なら…。
しかし、彼女は諦めなかった…
性懲りも無く、再度全く同じ流れを繰り返した。
この計画自体が、大変お粗末であることを理解せずに。
と、なると___
案の定、結果も比例してくる。
再挑戦するも、またもやラルフに速攻で見つかり、今度は腰に手を回されて市場を回る羽目になった。
そして、懲りずに再度挑戦。
三度目に見つかった時には、等々ラルフに「何故逃げようとするんだ」と、抱きつかれてしまった。
そして、紫乃は影のことでみんなを信頼できなくなった、と正直にラルフに伝えることにした。
「何故、逃げるんだ?シノは、そんなに俺が嫌なのか?」
(え、うん。)
心の中で、即答しつつ「待て待て」と自分を抑えながら正直な思いを伝える。
「実は…」
紫乃は思いの丈を打ち明けた。
"思いの丈"と言う名の苦情を!
「勝手に"影"なんて付けないでよ!
四六時中見られてるなんて、変態じゃないっ!着替えもままならないし!
そんなに、信用できず監視するなら、初めから後見人なんてならなければいいでしょっ!それに… 」
はぁはぁ、はぁ…
息が続かなくなるほど、言いたいことを言いまくった紫乃は、かなりスッキリとしていた。
しかし、それとは反対に紫乃の話を黙って聞いていたラルフは突然怒りを露わにした。
そして、向かった先は…
ラルフの父がいる書斎だった。
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