【完結】転生なんて信じられません…とりあえず様子を見ることにしました

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全く状況が掴めないまま、目的の場所に到着した。

するとそこでも、


大人数を乗せられる馬車から、まず騎士団達が降りていく。
そして、私をエスコートする形で美人イケメンさんと共に降りた瞬間だった。

真っ先に、隣の美人イケメンに飛びついたのは、別の馬車に乗っていた彼の同僚達だった。
馬車の中で行われていた光景が、そのまま再度行われていた。

要するに・・・笑い泣きしながら抱き合っているのである。

そして、その騒ぎを聞きつけた隊長集団が美人イケメンを見て驚愕し…
やっぱり抱きついた。

その流れを、一体何度繰り返したのだろうか。

大トリは、騎士団の団長さんだった。
他の人達同様、驚愕しつつも涙をこらえるようにして美人イケメンの肩を引き寄せた。

『あ…親かな?』

その愛ある抱擁に、漠然とそう感じた。


そして、ここまで来ると、ある程度覚悟はしてたよ…


案の定、出たよね。

全員での跪き…


『分かってはいたけど、まじで止めてほしい…
そして、いい加減笑うの止めてくれないかなぁ!!!
エデン!!!』

《ひぃっ!!・・・あはははは!!》


イヤ、ホントニネ。。。


その後、事情を聞いた団長さんに連れられて、どこかの教会のような建物に連れて行かれた。
何でも、そこで本当に"神使い"であるかを確認されるらしい。

そんなことができるのか~と考えながら、ふとおもいつく。


『ねぇ、エデン?この確認を回避することってできるの?』

《回避?そりぁ、できるよ~!僕、神だからね?》

『え、じゃぁ、回避で!!』

《・・は? え、まぁいいけど…》


そう言って急遽、神であるエデンに"神使い"審議の拒否を申し入れ、エデンは確認用の術式に反応しないよう手を回してくれた。


そして…
審議用の魔術具は反応を示さず、私は晴れて自由の身になかった。

何故か、騎士団総出で意義を申し立てたのだ。

まぁ、彼らとしては仲間の呪いをといたほどの人物を"神使い"としなくてどうする!と言ったところだろうか?

私としては、放っておいてほしいのだが…

騎士団の主張と、実際呪いが解けている姿を見た司祭もなぜ魔術具が反応をみせないのか不思議がっている。
しかし、この国の法律として反応のない者を"神使い"として認めるわけにもいかず、結局わたしは"迷い人"とされた。

ちなみに、この"迷い人"というのは、その名の通り迷子である。
たまに、魔獣にさらわれて別の国まで運ばれたりする事がある為、そう名付けられるらしい。


この際、呼び名なんてどっちでもいい。

とりあえず、早く解放してほしかった。

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