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5.街に来ても死にそうです

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不思議な世界に来て、数時間後。

自分に対して、刃を向けてきた人達に連れられて、街っぽいところまでやってきた。

なんでも、象…じゃなくて『神使い』というジャンルは崇拝対象になるらしく、見つけ次第保護が義務付けられているらしい。

…あくまでも、と言うだけで実際のところは何百年単位でしか現れない為に、詳細は不明なんだって。

とりあえず、一連の説明は受けたし、このまま森の中にいるのも怖かったから、この自称騎士団についてきた。
たぶん、本当に騎士団っぽいけど…
刃を向けられた恨みは深いのよ。

ここまでの移動の間も、色々と質問攻めにあったけど…まだ理解が追いつかなくて答えかねていたら、次第に誰も話しかけなくなっていった。
騎士団の人達曰く、と認識されたみたい。
まぁ、それならそれで別にいい。
だって、頭の中でひたすら話しかけてくるヤツがいるから。

《ここはね~、なんて街だったかなぁ~》

《あ!あれ、美味しいから食べてごらん!君の世界のヤキトリみたいな物だよ!》

などなど…
まぁ、ご機嫌で話してます。

その合間に、騎士団の話も聞かないといけなかったから、頭の中がパンクしそうになってた。
エデンこっちは止められそうに無かったから話せない設定は意外と助かる。

馬車の中から、のんびり気分で外を眺める。
この街は活気があってとても賑やかだった。
見た雰囲気は、日本っていうよりもヨーロッパ向きかなぁ~
街並みを揃えてあって綺麗に見える。
あ、本場のマルシェっぽいかも!

ワクワクしながら食い入る様に見ていると、後ろから体を引っ張られた。
突然のことにバランスを崩して、そのまま後ろに倒れ込んでしまった。

「・・・!?」
『わっ!!!何!?』

突然のことに驚き、下敷きにした相手を見ると頬に傷のある美人さんが不機嫌そうに言った。

『綺麗系イケメンか!!!』
「おい、あまり乗り出すな。死ぬぞ」

「・・・」
『・・・は?』

いやいや、死ぬって…
そんな簡単に言えちゃう言葉だっけ?

頭の中で、言われた言葉がぐるぐると回っている。
すると、美人なイケメンが外を指さすと…
街のなかは馬車と馬車がぶつかるギリギリを走行していた。
その光景をみて瞬時に理解した。

『あ、確かに死ぬな』と。

美人イケメンを振り返ると、コクコクと頷き"ありがとう"の意味を込めて、両手を合わせて神様に拝む様な形でお礼をした。

すると…

「・・・え」

何故か、少しビックリしたような声が返ってくる。
どーした?と思い、拝み姿勢から顔をあげると…

『ん?』

…なんか、この人光ってる?

「「「・・・・・」」」

他の騎士団メンバーも、驚愕した顔で美人イケメンを見ていた。

そして、私は気づく。

『あれ?この人…
トレードマークの傷消えた!?』

そして、思う。

『あ、もしかしてこれが…エデンが付けてくれたオプションかーっ!?』


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