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第八章 生まれたときから火炎魔法を使えた少女
第8話 異空間での戦い
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そうか!そう言うことか!毒を吐くと聞いていたから、プロレスラーがやる毒霧のように吐き出して攻撃してくると思っていたが、こいつの息、呼気自体に毒が含まれているのか?
なら不味いな。ここは住宅街。風で毒が広まってしまえば甚大な被害になる。
そう思った俺はサディをその場に残し、ヒュドラを伴って異空間に移動することにした。
「これは貴様の仕業か!」
いきなり異空間に連れてこられたのが面白くなかったのか、ヒュドラは憤慨したようで先程まで見せていた余裕の表情はなくなり、鋭く射抜くような視線を送ってきていた。
「お前魔法を使えるのか?もしかしてキメイラは本当にお前に?いいや、そんなはずはない。たかだか人間の小僧一人にキメイラが負ける訳がない」
キマイラは負けたんだよ。そしてお前もな。
「ここは重力も無ければ大気も無い世界。貴様の吐息はここまで届かないぞ」
「それはどうかな?小僧と思い侮っていたが。全力で殺させてもらうぞ」
ヒュドラは腹の中にオーラを込めると九つの首から息を吐き出してきた。
「!!」
なんだと!空気が無いんだぞ?いったい何を吸い込んで何を吐き出しているんだ?
ヒュドラの九つの首から吐き出された吐息は四方八方に分散し、逃げ道を塞ぐように上下左右から襲ってきた。
「身動きせんとは諦めたか?」
動こうとしない俺の姿を見て、ヒュドラは勝利を確信したように高笑いしだした。
吐息は分散せず1ヶ所に集まり、塊となり襲ってくる。9つの塊が四方八方から襲いかかってくる。
毒性を持つヒュドラの吐息は、タンパク質を分解し筋肉や臓器を破壊する作用を示すのだとか。
高濃度に圧縮されたものとなると触れたもの全て分解し、溶解させてしまうのだとか。
あんなのに触れてしまったら、人の体などひとたまりもないだろう。
「死ね。我がポイズンによって死ね」
猛毒が襲い来る。
「凄いな。この空間の暗黒物質を体内に取り込み圧縮させ吐き出しているのか?」
「そんなことはどうでも良い。何が起こったのだ?一体何をした?我のポイズンの息が掻き消されてしまうとは、一体何をした?お前は一体何者なんだ。なぜ涼しい顔をしてそこに存在する?」
襲い掛かってきたポイズンの息は、俺に到達する前に全て消し去ってやった。
9つの首はそれぞれが驚きの表情を浮かべているようだった。
「我が体内で生成する毒は解毒することの出来ない最強の毒。吸い込まなくても皮膚に触れただけで死に至る猛毒。貴様はなぜ死なない?貴様は人間なのか?」
「そんな事はどうでも良くないだろうが。スゲーよ!マジでスゲーよ!空気の無いこの世界で風が起こせるなんて!暗黒物質を大気のように操り風を起こすなんて!」
スゲー!!コイツのお陰でまた新しい魔法が覚えられるような気がする!
「お前、何を興奮しているのだ?我は人にとって絶望を与える存在。我を前にして絶望するどころか気分を高揚させるとは?如何なることか?」
「人の世には空気がある。空気がある場所で暮らしているから空気を活用した戦い方を熟知していると師匠は言っていたけど、空気がないとこで暮らしているから空気がない場所での戦い方も熟知しているってことなのか?スゲーなー、そんな戦い方もあるのか!」
「貴様ー、我の質問に答えよ。貴様は何故死なない?」
「あー、うるせーなー、テメーがどんな毒を使ってこようが俺には関係ないんだよ。貴様が持つ毒は何毒だ?神経に作用するものか?それとも細胞膜を破壊してしまうものか?どちらにしても貴様の持つ毒の分子構造が人の体に作用し毒となっているんだろ」
「俺のオーラが作り出す冷気は絶対零度に達する。俺のオーラによって全ての物質の熱振動は停止し、貴様が放つ毒がどんな分子構造したどんな毒だろうと俺には関係ない。俺のオーラの前では毒は毒性の機能を失う。それだけだ」
「それだけだと!我の攻撃がそれだけだというのか!」
「貴様の攻撃が毒だけだとしたら、俺から見たら貴様はただデカいだけのトカゲだな」
「なんだとー!人間の分際で我を愚弄するのか!なら噛み殺してくれるわ」
そう言って体を動かそうとしたが動かないことに気付く。
「これは何事か?」
「人間は皮膚に刺激を受けると微弱な電気信号が発生し神経を伝い脳に送られ痛みとして認知する。現世を生きるなら原理は貴様も同じだろ。体が崩れているのに痛みすら感じなかっただろ。俺の冷気に包まれれば電気信号すら発生しない。さっさと消えてなくなれ。バーーカ!」
凍結部分がどんどん首へと上がっていく、、。
「貴様?本当に人間か?我をこうもあっさり倒すとは、、」
「!!」
「なるほど人間界の英雄の流れを受け継ぐものか?道理で、だがしかしこの先も上手くいくとは思うなよ。我が主となっているウラガーン様はそう簡単にはいかぬぞ、、」
そう言い残し煌めきとなってヒュドラは消えていった。
異空間を抜け元の世界に戻ると見覚えのある顔があった。
「ひょう君!」
「リズさん?と、ルーシアか!」
「なぜこんなところに?」
「もしかして、あなたがキマイラとヒュドラを倒したの?」
「ええ、まぁ、、」
ヤバっ!余計なことしてって怒られるのか?
「俺の任務はこの子を保護するだけだったんですけど。話している途中に邪魔するから、消してしまいました」
俺はそう言いながらサディを二人に紹介するように前に突き出した。
「事も無げに言ってくれるわね。あの化け物を退治したっていうの?」
呆れ顔をしながらルーシアはそう言ってきた。
なら不味いな。ここは住宅街。風で毒が広まってしまえば甚大な被害になる。
そう思った俺はサディをその場に残し、ヒュドラを伴って異空間に移動することにした。
「これは貴様の仕業か!」
いきなり異空間に連れてこられたのが面白くなかったのか、ヒュドラは憤慨したようで先程まで見せていた余裕の表情はなくなり、鋭く射抜くような視線を送ってきていた。
「お前魔法を使えるのか?もしかしてキメイラは本当にお前に?いいや、そんなはずはない。たかだか人間の小僧一人にキメイラが負ける訳がない」
キマイラは負けたんだよ。そしてお前もな。
「ここは重力も無ければ大気も無い世界。貴様の吐息はここまで届かないぞ」
「それはどうかな?小僧と思い侮っていたが。全力で殺させてもらうぞ」
ヒュドラは腹の中にオーラを込めると九つの首から息を吐き出してきた。
「!!」
なんだと!空気が無いんだぞ?いったい何を吸い込んで何を吐き出しているんだ?
ヒュドラの九つの首から吐き出された吐息は四方八方に分散し、逃げ道を塞ぐように上下左右から襲ってきた。
「身動きせんとは諦めたか?」
動こうとしない俺の姿を見て、ヒュドラは勝利を確信したように高笑いしだした。
吐息は分散せず1ヶ所に集まり、塊となり襲ってくる。9つの塊が四方八方から襲いかかってくる。
毒性を持つヒュドラの吐息は、タンパク質を分解し筋肉や臓器を破壊する作用を示すのだとか。
高濃度に圧縮されたものとなると触れたもの全て分解し、溶解させてしまうのだとか。
あんなのに触れてしまったら、人の体などひとたまりもないだろう。
「死ね。我がポイズンによって死ね」
猛毒が襲い来る。
「凄いな。この空間の暗黒物質を体内に取り込み圧縮させ吐き出しているのか?」
「そんなことはどうでも良い。何が起こったのだ?一体何をした?我のポイズンの息が掻き消されてしまうとは、一体何をした?お前は一体何者なんだ。なぜ涼しい顔をしてそこに存在する?」
襲い掛かってきたポイズンの息は、俺に到達する前に全て消し去ってやった。
9つの首はそれぞれが驚きの表情を浮かべているようだった。
「我が体内で生成する毒は解毒することの出来ない最強の毒。吸い込まなくても皮膚に触れただけで死に至る猛毒。貴様はなぜ死なない?貴様は人間なのか?」
「そんな事はどうでも良くないだろうが。スゲーよ!マジでスゲーよ!空気の無いこの世界で風が起こせるなんて!暗黒物質を大気のように操り風を起こすなんて!」
スゲー!!コイツのお陰でまた新しい魔法が覚えられるような気がする!
「お前、何を興奮しているのだ?我は人にとって絶望を与える存在。我を前にして絶望するどころか気分を高揚させるとは?如何なることか?」
「人の世には空気がある。空気がある場所で暮らしているから空気を活用した戦い方を熟知していると師匠は言っていたけど、空気がないとこで暮らしているから空気がない場所での戦い方も熟知しているってことなのか?スゲーなー、そんな戦い方もあるのか!」
「貴様ー、我の質問に答えよ。貴様は何故死なない?」
「あー、うるせーなー、テメーがどんな毒を使ってこようが俺には関係ないんだよ。貴様が持つ毒は何毒だ?神経に作用するものか?それとも細胞膜を破壊してしまうものか?どちらにしても貴様の持つ毒の分子構造が人の体に作用し毒となっているんだろ」
「俺のオーラが作り出す冷気は絶対零度に達する。俺のオーラによって全ての物質の熱振動は停止し、貴様が放つ毒がどんな分子構造したどんな毒だろうと俺には関係ない。俺のオーラの前では毒は毒性の機能を失う。それだけだ」
「それだけだと!我の攻撃がそれだけだというのか!」
「貴様の攻撃が毒だけだとしたら、俺から見たら貴様はただデカいだけのトカゲだな」
「なんだとー!人間の分際で我を愚弄するのか!なら噛み殺してくれるわ」
そう言って体を動かそうとしたが動かないことに気付く。
「これは何事か?」
「人間は皮膚に刺激を受けると微弱な電気信号が発生し神経を伝い脳に送られ痛みとして認知する。現世を生きるなら原理は貴様も同じだろ。体が崩れているのに痛みすら感じなかっただろ。俺の冷気に包まれれば電気信号すら発生しない。さっさと消えてなくなれ。バーーカ!」
凍結部分がどんどん首へと上がっていく、、。
「貴様?本当に人間か?我をこうもあっさり倒すとは、、」
「!!」
「なるほど人間界の英雄の流れを受け継ぐものか?道理で、だがしかしこの先も上手くいくとは思うなよ。我が主となっているウラガーン様はそう簡単にはいかぬぞ、、」
そう言い残し煌めきとなってヒュドラは消えていった。
異空間を抜け元の世界に戻ると見覚えのある顔があった。
「ひょう君!」
「リズさん?と、ルーシアか!」
「なぜこんなところに?」
「もしかして、あなたがキマイラとヒュドラを倒したの?」
「ええ、まぁ、、」
ヤバっ!余計なことしてって怒られるのか?
「俺の任務はこの子を保護するだけだったんですけど。話している途中に邪魔するから、消してしまいました」
俺はそう言いながらサディを二人に紹介するように前に突き出した。
「事も無げに言ってくれるわね。あの化け物を退治したっていうの?」
呆れ顔をしながらルーシアはそう言ってきた。
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