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第五章 ついに決勝戦!
第1話 湯原高校キャプテン堀口の覚悟
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僕の通う湯原高校は、今でこそスポーツ強豪校として全国にその名が知れ渡っているが、10年ほど前までは違っていたらしい。
市の中心部から離れた場所に位置するため交通の便が悪いこともあり、志願者は減少の一途を辿り、廃校寸前にまで追い込まれていたのだそうだ。
今の理事長はそんな現状を打開するため送り込まれてきたのだとか。
資金を集め、優秀な指導者を雇い、その指導のもと施設を整え、湯原高校をスポーツ強豪校にするべく優秀な選手をスカウトするため全国を飛び回ったのだそうだ。
理事長は失敗したら首を括るしかない、そんな覚悟を持って立て直しを図っていたらしい。
結果、サッカー、バレーボール、バスケットボール、陸上と全国大会で次々と結果を出し、そして今年の夏、僕の所属する野球部も本校の歴史上の最高成績、全国ベスト4で終えることができた。
そして、上級生が引退し新チームのキャプテンを任され数週間経ったある日の出来事だった。
僕は理事長室に呼び出しを受けたのだ。
新チームになって数週間、今更激励の言葉をもらえるとも思えない、明らかに不測の事態が起こったのだろうと想定することができた。
「失礼します」
不安な気持ちを抱えたまま理事長室に入ると野球部のチームメイトが既に集められていた、全員僕と目を合わせようとしない。
顔向けができないと思っているのは明らかだった。僕は一体何が起こったのかと不安を抱えながら理事長の前に歩みを進めた。
「理事長、遅くなって申し訳ございません。僕がキャプテンの堀口龍之介です」
「いやー、堀口さんお呼びだてして申し訳ない、ちょっと問題が起こってね、、」
理事長は思いのほか、明るい笑顔で迎えてくれた。
傍には髭をきれいに整えた男性の姿が見える。見たことのある顔だ。確か、大型スポーツ用品店の店長さん?だったような、、。
まさか!万引きでもしたのか!?
「いやー、堀口君、夏の大会は感動したよー、凄かったねー、最近調子はどう?」
この方も明るい笑顔で僕を迎えてくれた。不祥事とかではないのだろうか?
「えっ!は、はい、ありがとうございます。仕上がりは順調です」
そんなこと言いにきたんじゃないんだろ?一体何が起こったというんだよ?視線を忙しなく動かし、僕が困惑した表情をしているのを察したのか店長さんは本題に入った。
「ウチの用品店に来てくれるのは嬉しいんだけどさー、ちょっと苦情出ちゃって、もうちょっと控えてくれたらなーっと思って」
??
バツが悪そうに、申し訳なさそうに店長さんは言ってきたが、理事長はかなり強めの口調で事の詳細を説明してきた。
どうやら練習をサボってスポーツ用品店に出入りし、キャンプ用具が展示してあるところに陣取って大騒ぎしていたらしい。
最初は甲子園で見かけたこともある顔があったので、麦茶を出したりしてゆっくりしていってよ。と歓迎していたが、買い物に来られたお客さんをあっち行けよとばかりに睨みつけたり、棚に並ぶ靴を試し履きしては乱雑に戻したりと、衛生的に悪くないですか?との苦情が頻発しているらしい。
「堀口さん、キャプテンなのにそんなことになっているって、気が付いていなかったのですか?」
まったく知らなかった。
「すみません、僕は主にブルペンの方にいたので、、」
ロードワークに行って来るって言って時々いなくなっていたが、そんなことしてたのか?
僕は驚いて視線をチームメイトに向けるが、いまだに誰も目を合わせてくれなかった。
呆れて物も言えない。高校生にもなって何をやっているんだお前等は?
「いや、来てくれて全然構わないんだよ。ただちょっとだけ節度を持ってもらえれば」
僕がチームメイトに向かって何かを言おうとしたら、店長さんは申し訳なさそうにそう言った。
きっと店長さんが心優しいことにつけ込んで、マナー違反を犯し続けていたのだろう。
こんなことして輝かしい野球部の歴史を作ってきた先輩方に、どう顔向けをすればいいんだよ。
恥ずかしくて穴があったら入りたい気分だった。
店長さんの手前ここでは声を荒げないようにしたが、怒りで体は震えていた。
何をやっているんだお前等は、先輩方が引退してこれからは僕達が野球部を作っていかなくてはいけないというのに。
「本当に本当に申し訳ございませんでした。今後このようなことがないよう強く言い聞かせておきますので、どうか、どうかご容赦ください」
その後、真面目に練習するようになって更生してくれたと思っていたのだが、秋の大会が始まったある日のこと、僕はまた理事長室に呼び出された。
「ふぅー、堀口さん、困ったことになってしまいました」
理事長は度重なる野球部の不祥事に大きなため息を漏らし、虚空を見上げ苦悶の表情を浮かべていた。
「野球部が強くなって全国大会で活躍してくれるようになれば、全国に我が校の名が広まり受験してくる生徒が増えるだろうということで、全国から実績のある生徒を集め優遇し、うちの学校の看板にするという意味で特待生として我が校に入学を認めてきたのですが、もう止めざるを得ないかもしれない」
「どういうことですか?」
「不祥事が続くなら他の部活の名も汚してしまうかもしれない。臭い物には早めに蓋をした方がいいのではないかとの意見が多数出ています」
「ちょっと待ってください!?つまりどういうことですか?」
「不祥事が続き目立った活躍もできていないなら、一度部活を休部させてみてはいいんじゃないかって意見が、多数出ているんですよ」
「待ってください。不祥事が続いている2年はともかく、甲子園に出場することを夢見て入学してきた1年生にまで責任を押し付けるのはおかしいです」
「分かっています。だから結果をだしてください。結果が出ているうちは休部要請は私が断固として阻止します」
理事長は味方でいてくれているようだが、理事長1人の力ではどうすることもできない事もあるのだろう。
「分かりました」
僕はその条件を承諾するしかなかった。
なんでこんなことになってしまったのだろうか、皆んな頑張っていたじゃないか。なんで問題行動を起こしてしまうんだよ!
2年生に不祥事が続いているのであれば、僕等の処分は仕方がないが、関係のない後輩には絶対に迷惑はかけたくないと思った。
理事長と意見交換をし部屋を出ると、辺りはもう暗くなり始めていた。
一体何時間ここにいたのだろうか。
「失礼しました」
理事長室を後にし、歩を進めようとして顔を上げるとそこにはキャッチャーの北野洋平とセンターの寺田浩司の姿が見えた。
話し合いが終わるまで理事長室の前で待っていたのだろうか?
僕が声をかけようと思ったら、徐に白い封筒の束を差し出してきた。
「!!」
表面に書いてあった文字を見て絶句してしまった。
「退部届!?まさか!これ全部??」
「2年、全員退部届出してきた」
冗談じゃないよ!これから負けられない戦いになるっていうのに、2年全員退部するっていうのかよ!?
あまりの出来事に理解が追い付かず呆然としてしまい、放心状態になってしまった。
「ど、どういうことだよ!」
「周りの人達の期待が大き過ぎて耐えられないんだって」
北野は落胆した様子でそう言ってきた。
「だから2年全員辞めたの?もしかして最近やさぐれていたのも?」
「ああ、多分」
そういうことだったのか!なんで相談してくれなかったんだよ、、。
「それに負けたら休部ってことも皆んなもう知っている」
いつも明るい寺田も今日ばかりは暗い表情となっていた。
「二人は辞めないのかよ?」
「だって俺等はなー?野球以外やりたいことねーし」
二人が残ってくれると言ってくれるだけでも心強い。
「これからどうするんだよ?」
北野は耳たぶを触りながら不安そうに聞いてきた。
「1年鍛え上げるしかないでしょ」
「大会もう始まってんだぜ、無理だよ!」
「じゃあ、どうするの?なにもしないまま諦めるの?」
「いや、そりゃー諦めたくないけど、、」
「やるしかないかー」
「寺田まで何言ってんだよ!」
「俺達の世代は本気で甲子園に行きたいって思って入学してきた訳じゃない。でも1年は違う。先輩達の活躍を見て本気で甲子園に行きたいと思って入学して来ている。可愛い可愛い後輩だろ。あいつ等に、もう野球はできませんって言えんのかよ。やるだけやろうぜ」
「分かったよ」
市の中心部から離れた場所に位置するため交通の便が悪いこともあり、志願者は減少の一途を辿り、廃校寸前にまで追い込まれていたのだそうだ。
今の理事長はそんな現状を打開するため送り込まれてきたのだとか。
資金を集め、優秀な指導者を雇い、その指導のもと施設を整え、湯原高校をスポーツ強豪校にするべく優秀な選手をスカウトするため全国を飛び回ったのだそうだ。
理事長は失敗したら首を括るしかない、そんな覚悟を持って立て直しを図っていたらしい。
結果、サッカー、バレーボール、バスケットボール、陸上と全国大会で次々と結果を出し、そして今年の夏、僕の所属する野球部も本校の歴史上の最高成績、全国ベスト4で終えることができた。
そして、上級生が引退し新チームのキャプテンを任され数週間経ったある日の出来事だった。
僕は理事長室に呼び出しを受けたのだ。
新チームになって数週間、今更激励の言葉をもらえるとも思えない、明らかに不測の事態が起こったのだろうと想定することができた。
「失礼します」
不安な気持ちを抱えたまま理事長室に入ると野球部のチームメイトが既に集められていた、全員僕と目を合わせようとしない。
顔向けができないと思っているのは明らかだった。僕は一体何が起こったのかと不安を抱えながら理事長の前に歩みを進めた。
「理事長、遅くなって申し訳ございません。僕がキャプテンの堀口龍之介です」
「いやー、堀口さんお呼びだてして申し訳ない、ちょっと問題が起こってね、、」
理事長は思いのほか、明るい笑顔で迎えてくれた。
傍には髭をきれいに整えた男性の姿が見える。見たことのある顔だ。確か、大型スポーツ用品店の店長さん?だったような、、。
まさか!万引きでもしたのか!?
「いやー、堀口君、夏の大会は感動したよー、凄かったねー、最近調子はどう?」
この方も明るい笑顔で僕を迎えてくれた。不祥事とかではないのだろうか?
「えっ!は、はい、ありがとうございます。仕上がりは順調です」
そんなこと言いにきたんじゃないんだろ?一体何が起こったというんだよ?視線を忙しなく動かし、僕が困惑した表情をしているのを察したのか店長さんは本題に入った。
「ウチの用品店に来てくれるのは嬉しいんだけどさー、ちょっと苦情出ちゃって、もうちょっと控えてくれたらなーっと思って」
??
バツが悪そうに、申し訳なさそうに店長さんは言ってきたが、理事長はかなり強めの口調で事の詳細を説明してきた。
どうやら練習をサボってスポーツ用品店に出入りし、キャンプ用具が展示してあるところに陣取って大騒ぎしていたらしい。
最初は甲子園で見かけたこともある顔があったので、麦茶を出したりしてゆっくりしていってよ。と歓迎していたが、買い物に来られたお客さんをあっち行けよとばかりに睨みつけたり、棚に並ぶ靴を試し履きしては乱雑に戻したりと、衛生的に悪くないですか?との苦情が頻発しているらしい。
「堀口さん、キャプテンなのにそんなことになっているって、気が付いていなかったのですか?」
まったく知らなかった。
「すみません、僕は主にブルペンの方にいたので、、」
ロードワークに行って来るって言って時々いなくなっていたが、そんなことしてたのか?
僕は驚いて視線をチームメイトに向けるが、いまだに誰も目を合わせてくれなかった。
呆れて物も言えない。高校生にもなって何をやっているんだお前等は?
「いや、来てくれて全然構わないんだよ。ただちょっとだけ節度を持ってもらえれば」
僕がチームメイトに向かって何かを言おうとしたら、店長さんは申し訳なさそうにそう言った。
きっと店長さんが心優しいことにつけ込んで、マナー違反を犯し続けていたのだろう。
こんなことして輝かしい野球部の歴史を作ってきた先輩方に、どう顔向けをすればいいんだよ。
恥ずかしくて穴があったら入りたい気分だった。
店長さんの手前ここでは声を荒げないようにしたが、怒りで体は震えていた。
何をやっているんだお前等は、先輩方が引退してこれからは僕達が野球部を作っていかなくてはいけないというのに。
「本当に本当に申し訳ございませんでした。今後このようなことがないよう強く言い聞かせておきますので、どうか、どうかご容赦ください」
その後、真面目に練習するようになって更生してくれたと思っていたのだが、秋の大会が始まったある日のこと、僕はまた理事長室に呼び出された。
「ふぅー、堀口さん、困ったことになってしまいました」
理事長は度重なる野球部の不祥事に大きなため息を漏らし、虚空を見上げ苦悶の表情を浮かべていた。
「野球部が強くなって全国大会で活躍してくれるようになれば、全国に我が校の名が広まり受験してくる生徒が増えるだろうということで、全国から実績のある生徒を集め優遇し、うちの学校の看板にするという意味で特待生として我が校に入学を認めてきたのですが、もう止めざるを得ないかもしれない」
「どういうことですか?」
「不祥事が続くなら他の部活の名も汚してしまうかもしれない。臭い物には早めに蓋をした方がいいのではないかとの意見が多数出ています」
「ちょっと待ってください!?つまりどういうことですか?」
「不祥事が続き目立った活躍もできていないなら、一度部活を休部させてみてはいいんじゃないかって意見が、多数出ているんですよ」
「待ってください。不祥事が続いている2年はともかく、甲子園に出場することを夢見て入学してきた1年生にまで責任を押し付けるのはおかしいです」
「分かっています。だから結果をだしてください。結果が出ているうちは休部要請は私が断固として阻止します」
理事長は味方でいてくれているようだが、理事長1人の力ではどうすることもできない事もあるのだろう。
「分かりました」
僕はその条件を承諾するしかなかった。
なんでこんなことになってしまったのだろうか、皆んな頑張っていたじゃないか。なんで問題行動を起こしてしまうんだよ!
2年生に不祥事が続いているのであれば、僕等の処分は仕方がないが、関係のない後輩には絶対に迷惑はかけたくないと思った。
理事長と意見交換をし部屋を出ると、辺りはもう暗くなり始めていた。
一体何時間ここにいたのだろうか。
「失礼しました」
理事長室を後にし、歩を進めようとして顔を上げるとそこにはキャッチャーの北野洋平とセンターの寺田浩司の姿が見えた。
話し合いが終わるまで理事長室の前で待っていたのだろうか?
僕が声をかけようと思ったら、徐に白い封筒の束を差し出してきた。
「!!」
表面に書いてあった文字を見て絶句してしまった。
「退部届!?まさか!これ全部??」
「2年、全員退部届出してきた」
冗談じゃないよ!これから負けられない戦いになるっていうのに、2年全員退部するっていうのかよ!?
あまりの出来事に理解が追い付かず呆然としてしまい、放心状態になってしまった。
「ど、どういうことだよ!」
「周りの人達の期待が大き過ぎて耐えられないんだって」
北野は落胆した様子でそう言ってきた。
「だから2年全員辞めたの?もしかして最近やさぐれていたのも?」
「ああ、多分」
そういうことだったのか!なんで相談してくれなかったんだよ、、。
「それに負けたら休部ってことも皆んなもう知っている」
いつも明るい寺田も今日ばかりは暗い表情となっていた。
「二人は辞めないのかよ?」
「だって俺等はなー?野球以外やりたいことねーし」
二人が残ってくれると言ってくれるだけでも心強い。
「これからどうするんだよ?」
北野は耳たぶを触りながら不安そうに聞いてきた。
「1年鍛え上げるしかないでしょ」
「大会もう始まってんだぜ、無理だよ!」
「じゃあ、どうするの?なにもしないまま諦めるの?」
「いや、そりゃー諦めたくないけど、、」
「やるしかないかー」
「寺田まで何言ってんだよ!」
「俺達の世代は本気で甲子園に行きたいって思って入学してきた訳じゃない。でも1年は違う。先輩達の活躍を見て本気で甲子園に行きたいと思って入学して来ている。可愛い可愛い後輩だろ。あいつ等に、もう野球はできませんって言えんのかよ。やるだけやろうぜ」
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