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番外編

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「ん、はぁッ、くすり、を……っ」
「堕胎薬のことですか? 駄目ですよ、これ以上飲んでは子を作れなくなってしまうでしょう」

呂楼はそう言いながら、後孔に指を入れた。濡れる体質であることや、堕胎薬を必要としながら女でないこと───男であることも、数日前に知った。
この時代断袖はさほど珍しくないため、その肌のうちを見ても、呂楼が嫋の蹂躙を止めることはなかった。

「あなたという人は、腹が膨れる度にあの薬を飲んで……近頃はそのせいでぐったりとしている事が多かったので、心配していました。でも、薬のおかげで父上との間に子供は出来なかったし、手遅れになる前に父上を殺せてよかった」
「や、やめっ……はっ、んぅッ………んむぅ……」

口答えが煩わしく、深く接吻をして口を塞ぐ。
呂楼が第二関節まで入れたところで、ぷっくりと柔く存在を主張するそれを見つけた。
こりゅこりゅと引っ掻くように指の腹で撫でれば、嫋の腰はビクビクと跳ねた。

「んぶッ、~ッ、むぅっ……」
「ん……ふふ」

呂楼は嫋の穴に亀頭を付け、ヌプヌプと抜き挿しして吸い付く感覚を楽しむ。呂楼の我慢汁と嫋の膣液が混ざり合い、白い泡が立った。

ぐ、と腰を押し込むと、嫋は嫌がるように精一杯の力で呂楼の胸を押す。呂楼はそれを気にもせず、嫋の上にのしかかって挿入した。

にゅぷっ、にゅるるッ♡ こちゅん……ッ♡

「ん゙ッ♡、~~ッ♡、んぐ、ぅ゙~~───ッ♡♡」

嫋はぴちゃぴちゃと舌を絡めながら、呂楼の肉棒を受け入れてメスイキした。
とちゅ、と亀頭が子宮口とキスして、呂楼に抵抗していた手の力が抜けてしまう。手は呂楼の袍を縋るように添えられ、呂楼はそれに気を良くしたように嫋の頭をワシャワシャと撫でた。

「はぁ、嫋……やっと、嫋と呼べる日が来た」
「ぷはっ、やぁ、んッ……♡」

呂楼は目を細め、愛おしそうに嫋を呼んだ。コツン、と額を合わせながら名を呼ばれた瞬間、嫋の胎は反射的にきゅんきゅんと呂楼を締め付けた。

「ッ、嫋、嫌と言いながら私を求めてくださるではありませんか」

ぬるぅ~~ッ♡ どちゅんっ♡

「ちが、~~ッ、ゔッ♡」

肉棒は縋り付く肉ヒダを振り払い、ギリギリまで抜いてから最奥を突く。嫋は己の表情が見えないように、顔を背けて枕に頬を押し付ける。
乱れた長い黒髪が、真っ赤な耳たぶや項に汗ではりついた。顔が見えずとも、その奥に恍惚とした雌の表情が隠されているのは明白である。

「何が違うのですか?」
「やめ゙ッ♡ お゙ッ♡、ぬいて、ぇ♡」

呂楼はクスクスと笑い、嫋の耳を舐めた。

「嫋、たーお♡ 愛しています、嫋♡」

どちゅんッ♡ どちゅっ、ごちゅッ♡

「ぅ゙ッ!?♡♡ やめっ、あいしてるって、いわな、でぇッ♡」

嫋は顔を真っ赤にして、髪を振り乱す。嫋の意に反し、胸は高鳴ってナカの肉襞はぎゅうぎゅうと呂楼の肉棒を食む。

「いいえ、貴方と私は夫婦になるのですから、いくらでも愛を囁いて差し上げます……♡」

(こんなに愛おしい人が手に入るなら、もっと前にあの男を殺せばよかった)

これまでは、呂苑に腰を抱かれる嫋を憎らしく睨み上げていたが、今は自分の手の内にあるのだ。

ふと呂楼は嫋が手に持っている簪を見つけ、力の入っていない手からするりと抜き取る。
腰の動きが止まり、嫋はほんの少しの期待を滲ませたまま呂楼を見上げる。

「ああ、これがあなたが言っていた夫の簪なのですね」
「なに……ん、ぅう……ッ♡」

呂楼は嫋に見せつけるように簪を握った。

「ふふッ、これはもう要りませんから、壊してしまいましょうね」
「ッ! 返してッ!」

嫋が目を見開き、四肢を暴れさせてその簪を取り返そうとする。しかし、呂楼は柔く微笑み、その簪の羽を握りつぶしてしまった。

パキパキ、と音がして、呂楼の手の中から黒い羽だったものの残骸が落ちる。

嫋には羽が落ちるのがひどくゆっくりに見えた。目の前の男が、夫との全てを断ち切ったのを五感で捉えてしまう。

「あ、あ……」
「もう5年も経っているのです。あなたの夫は迎えに来ませんよ」

呂楼は嫋の耳元で囁き、腹の奥を肉棒で殴った。

「出しますね、あなたの奥で♡」
「やめ、そとにっ、だして……あんっ、あっ♡ あかちゃん、できちゃ……ッ!」
「妊娠したいのでしょう? 腰が揺れてますよ」

呂楼が首を傾げて不思議そうに言い、嫋は息を飲んだ。孕みたいなど、呂苑との行為の中で考えたことすらなかった。
そんなことを考える前に薬を飲んでいたのだから。

(妊娠したい? 妊娠、にんしん……)

呂楼は動いていないのに、亀頭はとちゅ、とちゅ、と子宮口とキスをしている。嫋が腰を動かしているからだ。
我慢汁が最奥に塗り付けられる度、ビリビリと頭が痺れ、欲に濡れた湿った息が漏れる。

(もう、ぜんぶ、あきらめたい……)

嫋は壊されてしまった夫との縁を見つめ、そろ、と視線を呂楼に移した。呂楼は誰もが見惚れてしまうような甘い顔で微笑み、嫋の答えを待っている。

ダメだ、と叫ぶ理性をかき消すくらい、鼓動がドクドクとうるさく鳴った。静かな薄暗い寝室の中で、はっ、はっ、と嫋の犬のような呼吸音と、ねちゃねちゃと粘液が混ざり合う音が響く。

「した、い……」
「うん?」

嫋は顔を背け、静寂の中に消えてしまうほどの声量で呟いた。
顔は真っ赤に染まり、涙だけでなく鼻水も出てしまっている。眉は八の字に下げられ、肩がビクビクと震えていた。

呂楼が目を細めて嫋の骨盤からへその辺を爪先でなぞると、嫋は鼻にかかった甘ったるい嬌声をもらして足を開き、柔い太ももを手で持って上半身に引き寄せた。
呂楼の肉棒を受け入れているところが見えやすくなるし、なによりこの体勢は呂楼が嫋を犯しやすい。

「……妊娠……したい、です……ぅ♡」

呂楼はニタリと笑みを浮かべ、開かれた股の上に自らの体重を乗せた。自重でその奥をこじ開けようとしているのだ。

「ええ、そうでしょう……ッ♡ あなたは自分を騙していたのです。んっ、あなたはずっと、父の子を孕みたくないと、言いながらッ、父に腰を抱かれ、娼婦の顔をしていました。子宮も、降りてきていますね……っ♡」

ぐぐッ……ぐぽんッ♡♡

「かはッ、ほ、ぉ゙~~~────ッ♡♡」

子宮口にカリがハメられ、嫋はメスイキと同時に潮をふく。頭が真っ白に弾け、咄嗟に指先が白くなるほどシーツを掴んだ。
ナカは痙攣し、太い肉棒にねとねとと膣液を絡ませている。粘液によって、精子を子宮に受け入れやすくし、受精を助けるのだ。

(孕まされる、こんな、何歳も年下の子に……っ♡)

喉から空気が抜ける音が鳴り、歯がカチカチと擦れ合う。嫋は子宮に脳が移ったかのような錯覚に陥り、ぶわりと全身から汗を滲ませた。

嫋はガクガクと震える体を呂楼に抱きしめられ、子宮にハメられたまま耳元で言葉を吹き込まれた。

ぐりゅりゅ~~ッ♡ とちゅっ、ちゅ~ッ♡

「嫋、相公が何人でも産ませて差し上げます……ね♡」
「んぎゅッ♡ たおは、あなたより、ッ♡ いくつも年上ですッ……♡ あんっあッ♡、よいのですか……ッ?」

嫋は齢25になり、呂楼は齢20になった。この時代、嫁ぐのは15から18が主流で、それ以降となれば適齢期を逃したと見られる。
そもそも妻が夫より歳上であることすら珍しく、嫋は泣き出しそうな顔で呂楼を見上げた。

呂楼は唸り、グリグリと腰を押し付けて射精する。

「そんなこと、心底どうでもいい……! 孕め、嫋……ッ」

パンッパンッ、ぐりゅ~~ッ♡ ぐぽんっ♡ びゅーッ♡ びゅるるッ♡♡

「はひッ、~~ッ♡ はらみまひゅっ♡ たおの赤ちゃんのへや、お゙っ♡、犯してっ♡ いぐ、いくぅ、ぃ゙、ゔ~~───っ♡♡」

5年前、嫋と出会ったばかりの呂楼は身長も今より低く、頼りなかった。いつも嫋に抱きついては、今日も両親に蔑ろにされたと泣いていたのだ。

正式に皇太子に擁立される前日、緊張で眠れないと泣く呂楼をこの寝台の上で慰めてやったこともあった。

それが今、先帝から嫋を強引に略奪し、ギラギラとした雄の目で嫋の胎を射抜いている。それも、15の頃一緒に戯れたこの寝台で。

その事実に背徳感が湧き上がり、嫋はゾクゾクと背中を震わせた。

「あはっ、はぁ……ッ♡」

ヒダに絡みつく精液を、嫋が腹越しに撫でる。

「あなたが私の種を受け入れてくださって、天にも昇る心地です。あなただけを愛しています、嫋……ッ」

呂楼は嫋の体を起こして四つん這いをさせ、痣が残るほど腰を強く掴んでピストンを再開した。

どちゅッ♡ くぽっくぽっ ごちゅんッ♡♡

「きゃあ、あっあっ♡ お゙ほ、ぉッ♡ きもち、これ、これッ♡ いぬ、みたいっ♡」
「ああ、嫋は畜生扱いも好きなのですね。今度、首輪を着けて、ッ、四つん這いで散歩させて差し上げます♡」

パンパンパンパンと腰を打ち付けられる度に寝台が軋み、呂楼が一人の男として成長していたことを嫌でも実感させられる。
嫋は揺さぶられながら、ボタボタと理由も分からぬまま熱い涙を流した。

その後、呂楼と嫋は日をまたいであらゆる場所でまぐわい、青年であったときの呂楼と暖かな思い出は、全て白濁に濡れた。



「元気な子を産みましょうね、嫋」
「ひゃい……っ♡」

少しでも身じろぐと、たぷ、と胎の精液が揺れる。嫋はそれを撫で擦り、着床しますように、と願う。

自分でも、もう壊れてしまっているのだと思う。夫と子供たちとは二度と会えず、呂苑は自分のせいで殺された。息子のように接してきた男に組み敷かれ、それでも嫋の体は雄を求める。

もういっそ、流れに身を任せたほうがマシだ。呂楼の言う通り、きっと夫は迎えに来ないし、自分は外に出ることすら出来ないのだから。

嫋は目を蕩けさせ、自身を組み敷いた目の前の逞しい雄に、ぎゅう、と力の限り抱きつく。ふっくらとした乳頭が呂楼の雄々しい胸筋に潰され、ぴゅる、と微かな母乳が滴った。乳首はぽってりと腫れ、何度もこの男に吸われていることが見て取れる。

呂楼は嫋の髪に光り輝く簪を挿したが、嫋は嬉しそうに笑って受け入れた。黒い羽だったものと、呂苑の翡翠の簪が一緒くたに捨てられる。

かつて相公と呼んだ男がどんな顔と声で自分を呼ぶのか、先帝がどうして自分に字の読み書きを教えていたのか、嫋が思い出すことは無いだろう。




「聞いたか、嫋妃の子から皇太子が擁立され、反対した皇太后が陛下からの賜死を受けた と……」

こそ、と宦官が口を開く。

「なんと! 母である皇太后に賜死など……まるで先帝のようだ」
「そうだ。先帝の母の死といい、もしや、嫋妃が権力欲しさに陛下に取り入ったのでは?」

二人の宦官は眉を顰めながら囁き、人が通れば何事も無かったような顔をして仕事に戻った。




─────以下あとがき
呂楼と嫋は、父文帝と息子煬帝の寵妃、陳氏のエピ(not 史実)を元に書きました。

呂楼と嫋のプレイはおねショタ、人妻NTRを意識。朱鷹の子供を産んだあたりから半不老で外見変わってないので、おねショタと言っても呂楼のほうが身長もあるし体格もいい。
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