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後宮編
22.皆の前で♡
しおりを挟む体を清め、藍狐が来るのを今か今かと待ち侘びる。部屋の中で落ち着きなく外を見つめていると、宦官が嫋を呼んだ。
「嫋妃、陛下がお呼びです」
「え……?」
(まだ昼……淵様は政務中のはず)
嫋は首を傾げなからも、宦官の後ろへと着いていった。
嫋は後宮から出て、皇帝が政務を執るための部屋へと通される。
中では呂苑が椅子に座っており、入ってきた嫋ににこりと微笑んだ。
「嫋、よく来たな」
「なにか御用でしょうか……?」
「私の上に座れ」
「あっ! み、皆の前で……」
嫋は呂苑に抱きしめられ、戸惑いながらもおずおずと手を回して抱き返した。足を椅子に乗せ、呂苑の上に乗り上げるような体制になる。
2、3段ほど高い場所に椅子が置かれており、下では文官たちが忙しなく働いている。
チラリと嫋たちの様子を盗み見する者もいて、嫋は恥ずかしさに呂苑の肩に顔をうずめた。
「そうそう。昼の間はお前に会いに行けないだろう? であればお前をここに連れてくれば良いと思ったのだ」
「ぁ、ん……淵さま、みなが見ています……ん、ふふっ」
呂苑は嫋の襟を緩ませ、ちゅう、と桃色の乳首に吸い付いた。
嫋は衆目に晒される屈辱に震えながら、表向き喜んでいるかのように微笑んだ。呂苑はその震えを恥ずかしがっているのだと勘違いし、機嫌よく嫋の尻を揉む。
文官たちは目の前の仕事に集中しようと視線を逸らしているが、中には前屈みになっている者もいる。
呂苑の手はスルスルと下に降り、内衣の中に指先を潜らせ、奥にある穴をつつく。
襦裙を捲られれば、嫋の恥部が文官たちに見えてしまう。嫋は「嫌だ」と叫びそうになる口を自身の手で塞ぎ、呂苑の指を受け入れた。
こりゅっ こりゅっ こりゅっ♡
「ふ、うぅっ……♡ ぅん、んんッ♡」
嫋は前立腺を叩かれ、腰をガクガクと震わせて喉をのけぞらせる。羽織っていた紗がずれ落ち、赤く染った肩が姿を現した。
文官たちは嫋の痴態に唾液を飲み込むのも忘れて見入っていたが、呂苑の舌打ちに慌てて意識を戻す。この男に目をつけられれば、簡単に一族の首は刎ねられてしまうのだ。
「私の愛らしい母……嫋、愛している……」
呂苑は嫋の手を掴んで口元から離させ、嫋の艶々とした唇に口付ける。
「んむっ……んっ、んん……」
呂苑の機嫌を損ねれば、今までの努力が泡になる。少しでも従順に見せ、隙を作りたい嫋は、必死に舌を絡めた。傍から見れば、それは淫売の仕草に過ぎない。
何度も角度を変え、その度にボタボタと唾液が落ちる。
「ああ、やはりお前と共にいて政務などできない。部屋に戻ろうな、嫋」
「きゃあ、んっ……」
嫋は抱き上げられ、呂苑の私室へと移動する。道中、すれ違う文官たちがじっとりとした視線で嫋を見つめた。
彼らの脳内で自分がどんな風に犯されているのか想像して、嫋はその視線を感じないように呂苑の体に抱きついた。
私室に入り、呂苑は寝台に座った。嫋を地面に座らせ、開いた足の間に嫋の顔を入れる。
嫋は自分の頬をペチペチと叩く男性器から視線を逸らし、涙で潤んだ目で唇を噛む。口で奉仕しろということだろうが、そんなこと、朱鷹にすらしたことがない。
(うう……口で咥えるなんて……)
嫌だ、と思うのに、胎の奥が痛いほど疼いている。目の前から漂う蒸れた雄のにおいに唾液が止まらない。見たくもないと思うのに、視線が自身の頬を叩く逞しい男性器に釘付けになる。
ぬる、と尿道の我慢汁が唇に擦り付けられ、無意識のうちに舌で舐めて味わう。
モジモジとしているうちに、焦れた呂苑が嫋の髪を掴む。下生えの中に顔を埋めさせられ、頬にずりずりと我慢汁が塗り込まれた。
嫋はそれだけで甘イキし、下生えが口に入るのも気にせず、ちろちろと目の前の肉棒を舐める。
「随分と拙いな、まだ口で奉仕したことはないのか」
「んっ♡、ちゅっ……はい……」
「口全体で咥えるんだ。裏筋を舐め上げ、先端を吸え。」
「んっ、ふー……ふっ、んぐぅ……~~ッ♡」
嫋は呂苑に言われた通り、口いっぱいに頬張り、舌で裏筋を愛撫する。最後に我慢汁に濡れた先端を吸うように頬をすぼめると、ガクガクと腰が震え、べちゃりと地面に足をついた。
鼻から抜ける雄のにおいに、また嫋の胎が切なげに鳴く。
嫋はイッた余韻に浸っていると、体を起こされ襦裙を脱がされた。
「昔を思い出すだろう」
「これ……」
呂苑はどこからか赤い襦裙を取り出して嫋に着せた。その襦裙は妓楼にいた時に着ていたものに似ており、何も知らず呂苑と行為に浸っていた日々を嫋に思い出させる。
あのときに皇太子だった呂苑に手を出さなければ、今頃朱鷹や子供たちといられたのだろうか───などと半ば現実逃避をしながら、嫋は呂苑の口付けを受け入れた。
(だめ……引き戻される……服に着けてた香りまで同じもの……)
ふわりと自身の襦裙から香る匂いもあの頃と同じもので、嫋の頭はぐちゃぐちゃに乱される。
(朱鷹さま、しゅよう、さま……)
「ほら、仙薬の残りもまだあるぞ。口を開け、嫋」
「あぐっ、ぅく……」
頬を鷲掴みにされ、口を無理やり開けさせられる。トポトポと甘ったるい薬が嫋の胃へと流し込まれ、嫋は数日前の快感を思い出して腰を揺らしてしまった。
「まずい、ふふ、これは原液だった」
「え……?」
愉快そうに笑う呂苑を前に、嫋は目を見開く。ジワジワと胎からのぼってくる甘い痺れに反し、背中では滝のような冷や汗が流れた。
襦裙を着たまま組み敷かれ、肌を滑る男の手にビクビクと身体を震わせる。体の中に熱がこもり、ぶわりと汗が吹き出した。
「やぁ、ん……ッ♡本当は、原液だと知って飲ませたのでしょう……?」
「ふふ、すまないな。拗ねないでくれ、私の娘子」
「だめです、他の殿方の前で嫋にえっちなことをさせて……それに、袍からいつもの違うにおいがします……」
嫋はなんとか意識を繋ぎ止めようと饒舌になり、呂苑の袍からの香りに眉を顰める振りをした。
その間も媚薬は甘く嫋の体を支配し、どんどん嫋の体は隅から隅まで赤く染っていく。
「ああ……皇后のもとへ行かなければならなかった。においが移ってしまったのだろうな」
「ふぅ、ん……っ♡」
呂苑はふうふうと必死に息を吐く嫋を愛らしそうに見つめ、滾った肉棒を嫋の尻穴にあてがう。
ピトピトと穴を叩くそれを嫌がるように足を閉じようとしたが、呂苑はうつ伏せにした嫋の体にのしかかって股を開かせた。
「やぁ、乱暴……淵様は、嫋の初めてを奪ったお方でしょう? 嫋だけを見ていなきゃ、いやです……この浮気者」
「可愛いことを言うな。もうお前に骨抜きなのだ、私は。これ以上どうしてくれる?」
嫋の頬を撫で、優しげな口調とは裏腹に、強引に嫋のナカに押し入る。
ぬるぬるとしたヒダが呂苑の肉棒を愛撫し、ねっとりと膣液を絡ませる。
「ふぎゅ、ぅ゛~~ッ♡」
プシップシッ♡
嫋は入れられただけで潮を吹き、揉み込むようにヒダを痙攣させた。目の前がチカチカと点滅して、まともに思考を働かせることすらできない。
すぷぷ、どちゅんッ♡ ごちゅんッ♡
「嫋、私が愛しているのはお前だけだ。信じてくれるか?」
「お゛くッ♡、くるしぃッ♡ し、しんじる、からぁッ♡」
子宮口をでっぷりとした亀頭で殴られ、嫋は下半身をブルブルと震わせて絶頂した。
こちゅんッ♡♡ ごりゅごりゅ~っ♡
「ぉ、ほぉっ♡、いぐ、ぅ゛~~ッ♡ 」
「……なぜここがこんなに柔らかい?」
子宮口をこねるように腰を回され、嫋は思わず呂苑の首に腕を回した。
呂苑はまるで「誰かを受け入れたかのように」解れた子宮口に眉を顰め、嫋の髪を掴んで顔をあげさせた。
ブチブチと嫌な音がするが、嫋の体はそれすら快感に変える。呂苑に媚びるように、にへら、と口元を緩ませた。
「あなたのために、自分でほぐしていたのです……っ♡」
「嫋……ッ♡」
ぐ、ぐぐ……♡
「ぅ、ぎゅッ!?♡♡」
朱鷹との行為を口走らなかったことに安堵し息を吐いた瞬間、子宮口がこじ開けられる快感に腰を跳ねさせた。
呂苑は興奮したように嫋の肩を掴み、寝台に嫋の体を固定する。嫋は身動きが取れず、目の前の敷布をぎゅう、と指先が白くなるほど強く掴んだ。
(だめ、開かないで、開かないで! そこは朱鷹様だけ……!)
朱鷹との子供を育てた、朱鷹のためだけの場所。そこにもう他の誰も入れたくないのだ。
それに、子宮に挿れられてしまえばなにも考えられなくなってしまう。だというのに、呂苑は執拗にそこを責める。
「嫋、お前の子宮を使うぞッ……いいな?」
「ぁ、ゃ、ゃだ……」
「うん?」
ごちゅんッ!♡ ぐぐ……ッ♡
腹を亀頭で殴られ、切っ先が子宮口をこじ開ける。視界が真っ白になり、嫋は獣のような呻き声を出すことしかできない。
「ぅぐッ♡、ぉ゛ッ♡ど、どうぞ……お使いください……ッ♡」
「嫋……孕め……ッ」
(ごめん、なさい……ッ)
ぐッ、ぐぽんッ♡♡ びゅる、びゅーっ♡
「ッ────~~~~♡♡」
嫋の子宮に精液が直に叩きつけ、蹂躙しながら卵子を探し回る。
嫋の頭はバカになってしまい、鼻水をたらしてみっともなく足をがに股に開いている。黒い瞳はぐるりと上を向き、半開きの口からダラダラと唾液がこぼれた。
(支配されてる、注がれてる……っ♡)
「はぁ、嫋……懐かしいな、お前は男でありながら、私に組み敷かれ自慰道具のように使われるのが一番の幸せだと啼いていた」
「しあわ、せ……」
「そうだ、そう教えこんだのだから」
呂苑に髪をぐしゃぐしゃに撫でられ、ぐらぐらと頭が力なく揺れる。媚薬と快楽で思考が働かず、独り言のように、しあわせ、と言葉を繰り返す。
呆然と子宮の中で精を泳がせる嫋を見下ろし、呂苑は口角を歪めて熱い息を漏らす。
妖と結ばれただの子供がなんだのと言って抵抗したが、1度胎を肉棒で揺さぶれば、やはり嫋は雄に抗えなどしない。
呂苑は嫋を仰向けにさせ、子宮口に亀頭をハメたまま、恋人繋ぎのように手を繋ぎなおす。嫋は弱い力ながらも、呂苑の手を握り返した。
「嫋、お前は私にとってのなんだ?」
「嫋、は……ッ」
「ずっと前に教えやっただろう、ほら」
嫋は言葉を詰まらせる。媚薬で回らない頭でも、言ってしまったら終わりだ、と分かっていた。呂苑は口ごもる嫋に苛立ち、強く腰を押し付ける。
ぐりゅぅ~~ッ♡
「やめ゛♡、ぃぐっ♡、あなたのせいしょり、どうぐですッ!♡ お好きな時にハメてくだざいッ♡」
子宮をグリグリと潰され、嫋は潮を吹きながら叫んだ。バチバチと嫋の視界が点滅し、思わず呂苑の腰に足を回して引き寄せた。
「ああ、本当に愛らしい……お前に惑わされた日から、お前のために私の頭は壊れてしまったのだぞ?」
「たおの、せい……ッ?♡」
「勿論。お前が母になってくれると言うから、幽閉していた母上───あの女ももう殺した。お前にあの人を重ねていたのに、それなのに今は……」
ぐぅ、と呂苑の喉が鳴った。嫋の全てを手の内に収めたいのに、心を嫋に支配されているのを認めたくなかった。
ちら、と好青年な皇太子であった頃の呂苑が顔を覗かせる。薬でやり込めるようなやり方、本当は正しくないことくらい呂苑には分かっていた。
生贄として妖に嫁がされたと聞いて、藁にもすがる思いで嫋の町に遣いを出したのだ。無事に生きていると聞いて、一目でも見れればよかった。連れ出して、適当な家でも与えてやろうと思っていたのに。
それなのに、呂苑に明け渡さなかった心を妖にやったと聞き、視界が真っ赤になった。なぜ私じゃないんだ、と泣き喚きたくなった。
(もう後には引き戻せない、それならいっそ……)
母になってくれると言うなら、それが本心からの言葉でもそうでなくても、「そう」させるだけ。
呂苑はふっと笑い、甘く震える最奥を突いた。
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