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後宮編
21.相公との再会♡
しおりを挟む翌朝、嫋は起ききれず、毛布のなかでくるまっていた。
「嫋妃、いらっしゃいますか?」
「ぅん……はい、開けてください……」
侍女が扉を開ける。
気だるげに布を体に被せる嫋を見て、ハッと呂楼の目が見開かれる。身体中に呂苑の付けた鬱血痕が広がり、性のにおいを漂わせている。
「殿下が昨日の話の続きを聞きたいそうなので、2人きりでお願いします」
「かしこまりました」
呂苑に何度も食まれて腫れた唇を煩わしそうにひと舐めし、楼の後ろについて行った。
人気のいない道を進み、やがて1つの扉の前に立つ。
「ここが、妖が捕らえられているという牢です。それと、その……頼まれていた堕胎薬を、医局から持ってきました……」
「ありがとうございます、殿下。外で見張って頂いてもよろしいですか?」
「は、はい」
呂楼は昨日の約束を果たしてくれたのだ。
嫋が唇の端に軽くキスをする。呂楼はそれだけで顔を真っ赤にした。
嫋はドキドキと胸を高鳴らせ、そっと重い扉を開ける。蝋燭を持って暗い階段を下りる。
こつ、こつ、と足音が響く。
身じろぐ音が聞こえ、嫋はそっと蝋燭を音の方へとかざす。
「たお……?」
「朱鷹様!」
朱鷹は床に横たわっており、嫋が来たと気付くと檻を強く握った。発情期に入っているのか、その息は荒く、ギラギラとした目で嫋の胎を射抜いている。
「娘子はずっと、相公にあいたくて仕方ありませんでした……!」
必死に抱きしめようとするも、檻が邪魔をする。その焦れったさに、嫋はポロポロと涙をこぼす。
発情期に入っても他の雌にうつつを抜かす事無く、自分のためにここまで迎えに来てくれた朱鷹が愛おしくて仕方がない。
「朱鷹さま、はやく、はやくぅ……ッ♡」
我慢の出来なくなった嫋は朱鷹のほうへと腰を押し付ける。
「娘子、俺の雌……!」
朱鷹は檻の中から腕を伸ばし、嫋の腰を強く掴んだ。固く勃起したものを尻の割れ目に擦り付けられ、嫋は甘い吐息を漏らす。
「きて、朱鷹様……ッ♡」
この後宮に来て初めて、嫋は心の底から嬉しさを露わにする。口角は上がり、その目は甘露のようにあまく蕩けた。
ぬぷ、ずぷぷッ♡ ご、ちゅんッ♡
「あな、たぁッ♡ は、ぅ゛ッ───~~~~~ッ♡♡」
嫋は足をガクガクと震わせ、後ろ手で檻を掴んだ。
興奮して手汗が止まらず、滑る檻に必死にしがみつく。
脳天まで貫くような心地良さが嫋を包み込み、プシュプシュと性器から潮を吹いた。
ぐぐ、ぐ……ッ♡
亀頭が嫋の子宮口を押し開き、その中に入ろうとする。嫋は口からダラダラと涎を垂らし、顔を真っ赤にさせて胎の最奥を明け渡した。
ぐぽんッ♡ とちゅぅ……ッ♡
「ぁ゛、へぇッ♡、ッ~~~♡♡」
「娘子、娘子……ッ! 俺が暴れていた間に、藍狐が化けてここに入ってるはずだ……ッ! すぐに迎えに行くから、なっ」
「はひッ♡ 娘子は、んぐッ♡、しゃんごんをずっとッ♡ 待って、お♡ おりまずぅ゛っ♡」
くぽ、くぽッ、くぽッ♡
何回も子宮口を出入りされ、嫋は思わず自身の腹をぎゅうっと力強く掴んだ。ヒダが夫の肉棒にしゃぶりついているのを感じ、恍惚の吐息を漏らす。
「ぉ゛っ♡ おほぉ……ッ♡ ばかに、なるぅ……っ♡」
「なぁ……ッ俺、お前との約束を守って誰も殺してない! 偉いか、っ? 嫋」
ぬぽんッ♡ ごちゅんッ♡
「えら、ぁ゛ッ♡、嫋のしゃんごんはッ♡、えらいですッ♡」
ガシャガシャと耳障りな金属音をたてながら腰を揺さぶられ、すっかり雌になってしまった子宮口を亀頭とカリで殴られる。
脳がバチバチと白く弾け、嫋はへらりと笑った。
「ぁ……」
(嫋妃……? どうして、その妖と……)
出てくるのが遅く、気になって扉の向こうを開いただけだった。松明をかざし、階段の向こうに聞こえたものに体を固まらせる。
若い皇太子は耳が離せなくなっていた。
あんなに優しくリードしてくれた嫋妃が、妖を「相公」や「あなた」と呼び、その種が欲しいとアバズレのように喘いでいる声が聞こえてくる。
朱鷹が精を嫋のナカに出し、ずるりと肉棒を抜く。
嫋は名残惜しそうに腹を撫でながら、朱鷹に泣く泣く別れを告げた。
階段を上ると、顔を真っ赤にした呂楼が嫋を見つめている。嫋は困ったように笑うと、そっと呂楼にキスをした。
「ん、むぅ……殿下……今見たことは、内密にお願いいたしますね」
「んっ……は、い」
部屋に戻り、ここにいたいと駄々をこねる呂楼を諌める。
「もう皇后様のもとへお戻りくださいませ。これ以上嫋といては怪しまれてしまいましょう」
(ただでさえ、この数日間お渡りがないと不機嫌になっておられるのですから)
ふつう、皇后は月5日、次に位の高い妃は月3日、というふうに妃の位ごとに夜伽の日数が決まっているものだ。
呂苑自身もそれを何年間も守り続けている。
しかし嫋が入宮してからと言うものの、呂苑はそれを破り、この数日間、政にも身が入っていないようだ。
嫋は家柄もなく位は1番下であり、夜伽の回数は1ヶ月に1日あればよいほうだろう。嫋と同じ位、もしくは上の妃であっても、一生呂苑のお手つきになれず老いていく女もいるのだ。
美しさを認められて後宮に入れられた彼女たちにとって、唯一の武器である容姿が衰えていく中、ぽっと出の妃に寵愛を独り占めされる焦りと憎悪は、庶民たちの想像を絶する。
皇后も例外ではなく、自らの地位への焦りと、嫋への怒りを感じているはず。
さらに皇太子である楼と接触していると知られれば、明日にでも毒を飲まされそうだ。
1秒でも早く後宮を脱したい嫋にとって、皇后や位の高い妃に目をつけられるのは得策ではない。
「嫋……もう一度だけ、繋がりたいのです……。でなければ、口を滑らせてしまうかもしれません……」
「あっ、んっ……♡ もう、私は貴方の父上の妻なのですから……」
自分から手を出したくせに、用が済めば呂楼を諌める。父上の妻などと、微塵も思っていないくせに。
呂楼はそんな嫋を憎らしげに見つめながらも、欲望に抗えず滾った熱を嫋の中に押し入れた。
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