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妖編
12.嫋の産卵♡
しおりを挟む数日後、嫋は寝台の上で苦しげに息を吐いていた。
産卵の時がやってきたのだ。
ズキズキと痛む腹に吐き気が襲ってきて、嫋は思わず嘔吐く。
「はぁ……ッ、ぁっ」
「嫋、息が乱れてる。もっと体勢を崩そう、ほら」
あまりに苦しそうに眉を顰める嫋を見て、朱鷹が嫋の腹をさすりながら泣きそうな顔をする。
「嫋、嫋、もうちょっと我慢して、な」
「ぅん、んっ……」
腹の中の卵がずりゅずりゅと動いた。腹の膨れ具合からして、卵はおそらく3つ。
嫋は朱鷹の体に寄りかかり、足を開いて少しでも産卵しやすいようにと構えている。
しばらくふぅふぅと息を吐いていたが、ようやく動きがあった。腹の痛みが収まり、嫋は戸惑ったように朱鷹を見る。
ぐっ、と一番下にあった卵が子宮口を押し開こうとする。
ぐぐ……っ
「ぅ゛っ♡ ま、まって、なんか、おかし……ッ♡」
産卵に快感などおかしい、と嫋が目を白黒させていると、朱鷹が安心したようにため息をついた。
「嫋、良かった。ここからは安心していいぞ、気持ちいいだけだからな……♡」
くぽっ、ぐぽんっ♡ にゅる、にゅるるっ♡
「ぉ゛っ、お────~~~~ッ♡」
大鷲の卵が子宮口をこじ開け、嫋のナカを通って顔を出そうとする。
嫋のナカは子宮から分泌された膣液で湿っており、卵は膣液でコーティングされながら嫋のナカを通った。
嫋が足をバタバタと暴れさせるが、朱鷹がその上から足をかけ、開脚させられたまま動けなくなった。
「嫋、ほら、ちょっと見えてきてるぞ」
「ぁ、あう……ひっ、ひっ……♡」
(産卵で……子供にイかされちゃった……♡)
嫋は鼻水と涙を垂れさせ、必死に胸を上下させる。
にゅるぅ……♡ ニュポンッ♡
「おっと。1個でたぞ、お疲れ様」
「はひ……」
割れないよう受け止め、敷いていた布の上に置く。あとの2つが産まれたら、すぐに暖めなければならない。
嫋は朱鷹に背をもたれてぼうっとしている。まだ2つ卵があることを忘れているのだ。
朱鷹はまだ膨れている腹を撫で、「偉い娘子ならちゃんと産卵できるよな」と囁いて耳たぶを舐める。
嫋がコクコクと無心で頷いた。耳たぶを舐められるのに合わせて、腹がビクリと震える。
その刺激もあってか、子宮にあった卵がぽこ、と動いた。
ぐぐ、ぐぽんッ♡ ぐぽぉっ♡
「あへ、ぇ゛ッ♡♡」
2個が順々に嫋の子宮口をこじ開ける。
ヒダが卵を肉棒と勘違いして愛撫し、にゅるにゅると膣液を纏わせる。
卵がごりゅ、と前立腺を削る。嫋の腰が跳ねたが、すぐに朱鷹に押さえつけられた。
「あっ、母乳」
「はへ……?♡」
鳥は母乳など必要ない。しかし嫋が人間であるためか、ぷっくりとした乳頭からはぽたぽたと乳が流れている。
朱鷹はそれを指先で掬いとる。味見するように舐め、喉を上下させる。
「うま……嫋、もっと」
「んッ♡ らめ、あっあっ♡ あかちゃんのぉッ♡」
「暫くは卵だから、ちゅっ、らいじょうぶらって。ほら、溜めてるほうが、むぐっ、ふるしいらろ」
朱鷹が前に回り込み、嫋の胸を揉みながら乳首をちゅうちゅうと吸う。口の中にほのかな甘さが広がり、朱鷹は夢中になって母乳を飲む。
嫋はだめだめと言いながら、朱鷹の黒髪をそっと撫でて胸を押し付ける。
「あっ、朱鷹さまぁっ♡ おなか、あかちゃんくるしぃ……ッ♡」
「確かに遅いな、突っかかってるのか……?」
朱鷹は嫋のぬかるみに指を2本突っ込み、ナカで左右に開いた。
くぱぁっ♡
「やぁん……っ♡」
「ん、あった」
指先でちょいちょいと卵をつつき、指で挟んで引っ張りだそうとする。嫋はビクビクと四肢を震わせ、排泄に似た快感にヨダレを垂らす。
ぬぽんッ♡ ぬるる、ぬぽっ♡
「産卵お疲れ様、嫋───聞いてないな」
嫋は定まらない視線で宙を見ている。
顔も肩も真っ赤に染まっており、嫋のへそには自身の精液がかかっていた。
まるで産後とは思えないような姿に朱鷹が舌なめずりをするが、すぐに卵の方へと意識を戻す。
「さっさとこいつらを暖めなきゃなぁ。おい、お前」
「はい!」
部屋の外でソワソワと待っていた妖鳥の少年が入ってくる。嫋の出産を心待ちにしていたのだ。
「媽媽の体を綺麗にしてやれ。それと、そう。兄弟が生まれたぞ。孵化するかはこれからだけどな」
「きょうだい……! わかりました!」
簡単な言葉も喋れるようになり、ニコニコと笑顔で朱鷹の指示に返事をする。
暖かい濡れ布で嫋の体を拭きはじめたのを確認し、大鷲の姿へと変化する。
寝台が大きく軋んだ。押し潰してしまわないように注意しながら、ゆっくりと卵を抱きしめる。
(俺と嫋の子供……)
愛おしい気持ちもあるが、これからの事を思えば心配の方が大きい。
一先ず出産は無事に終わった。嫋にはまだ明かしていないが、妖の子供をその胎で育てたことで、嫋の体は妖に近いものになりつつある。
朱鷹が懸念していた妖と人の寿命の差をこれで縮められるのだ。
しかし、人間は子供をよく愛すると聞く。
鷲は1番目に産まれてくる子供とそれ以降の子供の体格には差があり、1番目以降の子供は「保険」のような側面を持つ。
雛鳥同士で殺し合うこともあれば、母鳥が弱い雛鳥を巣から突き落とすこともあるのだ。
もし、嫋が弱い子供にまで愛を与え、番である自分より子供を優先したら───。
はぁ、とため息をついた。なんだか、とても嫌な予感がする。
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