錬金先輩のバズレシピ!

双葉 鳴

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RE:錬金先輩のバズレシピ(後輩性癖緩和√)

Ⅰ.

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「おい! 槍込! 今日のノルマは終わったか~?」
「大塚、そう急かしてやるな。こいつはポーションを作ることしかできない愚図なんだからよ」
「それよりもあの薬品は出来てるか? 今日はその確認だけしに来たんだ」

仕事中、同期の三人が閑散とした部署へと押しかけてくる。
僕と違ってエリートな彼らは、要領よく出世コースを歩んでいた。

大塚君は何が楽しいのか、僕を見るなり嘲る様な笑みを浮かべる。
鷹取君や富野君も同様だが、そこはきちんと理性が働いている様だ。

「勿論、出来てるよ。それにしてもよくそんな思い切った事を考えつくよね。たかがポーションと自分達の薬品を合わせたら、どんな化学変化が起こるのか? だっけ」

彼らは自分達のノルマの各5000本ものエクスポーション、ハイポーション、万能薬を、僕のノーマルポーションと合わせてみたいと言い出してきた。
最初聞いた時は寝耳に水だったけど同じ研究者としては非常に興味が湧くところ。
しかしコレが原因で僕の部署から人が絶えた。

ただでさえ作るだけ無駄と言われてるポーションだ。
一人当たりのノルマが増えれば不毛、時間の無駄として次々と編入願いを叩きつけられた。それもコレも僕が無能である事を示唆していた。

誰でも作れるから現代のダンジョンを歩む探索者でもそれほど購入しないと言われている。僕だって部署が違えば今頃違う研究を進められてたさ。
けどこの部署にいる以上、ノルマはこなさなくちゃいけないしね。

「へっへ、確かに。お前、ポーション作るしか脳がねーんだからよ! コレからも俺たちに貢げよな!」

去り際に大塚君が訳のわからない事を言う。
貢ぐって何?
コレらは研究の一環ではないのか?
5年前から始めたこのプロジェクトだけど、いまだに彼らから研究成果を聞くことがなかった。
毎週水曜日には出来てるかどうか聞いて、自分達の分を持っていくだけの関係。

まぁ別に僕はそれでもよかった。
なんせ熟練度が軒並み上がって、作りたいポーションが作れるからだ。
ウッヒョー、今日は何作ろうかなぁー!

おっとっと、それよりも先に僕のノルマをこなさないとね!
自由時間は自分で作るものだから。

ガラガラと戸棚を開けて、ドクロマークが並んだ薬品を一気に呷る。
くぅ~、効く~!
キタキタキタキタ! アドレナリンが爆発しそうだ!
ヒョー、一気にポーション作っちゃうもんねー!

ちょっとテンションがおかしくなりながら僕はポーション作りに熱中する。
社員からどんなふうに見られてるか知りもしないで。
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