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5章 お爺ちゃんと聖魔大戦

359.お爺ちゃんと聖魔大戦4

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 準備は整った。
 面目上の滞在地を後にし、ウィルバー君を率いて街を練り歩く。私と一緒に歩けば、異質な彼もそこまで気に留められなかった。

 だってルリーエが矢面に立ってくれてるもん。
 主に家畜に怯えられたり、犬に吠えられたりね。

 異形としての格を見せつけてるのか、特に気にした様子もなく歩く。ここまで差がひらけば、ウィルバー君はただの子供だ。
 所詮は御大の落し子でしかない訳だ。

 人目が捌けたのを見計らい、私はウィルバー君へ『移送』スキルを掛ける。
 体重を軽くして、風に乗るように身を任せなさいと促した。
 最初こそおっかなびっくりとしていたが、やがて意を決したように崖の上から飛び降りた。

 傍目から見れば投身自殺のよう。
 しかし、山間の上昇気流がウィルバー君の体を浮かせ、彼の体は雲の上へと到達した。
 それを追うように私もその場へと至る。


「どうだい、慣れてくると楽しいだろう? こうして真上から見ると、これからの計画が立てやすくなる」

「計画ですか?」

「実際に地図を見てもいいが、こうやって空に登る手段があるなら活用した方がいいと私は思うんだ。雲に捕まってみなさい」

「雲に?」

「ほら、こんな感じにつかむんだ。雲を集めて身を隠すことだってできる。空の上は何かと目立つからね」


 ウィルバー君は私の手腕を見守りながら、魔術師としての格を見定めているようだった。
 祖父の魔術師の腕前の程は知らないが、人類史上で空へと至った魔術師となるとあまり思い付かない。
 全くいないわけではないが、それらは人間の枠を大きく超えた神の領域に至った仙人とかどういうクラスだよ。
 私のように人のままと言うのは珍しいんだ。


「おじさんは、これからどうするの?」

「まずはそうだねぇ。海から海水を引っ張ってくるつもりだ」

「海を? 何故?」

「私の崇拝する神様は海の底に沈んでいるとは前に話したよね? だからかのお方を崇拝する神殿を作るなら海を想起させる場所がふさわしいんだ」

「そのための海水?」

「それだけでもないんだけどね」

「まだ他にあるの?」

「弟君のためでもあるんだ」

「マルスの?」


 あれ? 普通っぽい名前に決定したんだ?
 スズキさんらしくないね。
 多分徹底的にダメ出しされた挙句、ウィルバー君の知識で選んだものだろう。あの人を名付け親にしたら一生尾を引きそうだものね?


「そう、そのマルス君。今はまだあのサイズだけど、成長したらきっと今の家では入りきらなくなる」

「それは……」

「それに、この周辺を海で満たせば彼だって自由に外を歩き回れるんだ」

「出来るの? 他の人間に気づかれずに」

「私にいい考えがある」


 口の前に人差し指を添え、それっぽく提案した。
 ウィルバー君は疑わしそうに私を見るが、もはや私の魔術師の腕を疑ってないのかお手並み拝見という態度で接してくる。


「その、やり方をみててもいい?」

「もちろん。君ならどうやって解決するつもりだったのか私は知らないけど、こんなやり方もあるんだと知っておく分にはいいだろう」


 ウィルバー君は私の言葉に頷いて見せた。
 空での内緒話は40分で決着がつく。
 普通の子供であれば、上空の気温の低さに寒さを訴えることだろう。しかし神格の落し子であれば肉体強度が人間の上をいく。


「そろそろ降りるか」

「僕はまだ平気だよ?」

「君が平気でも、私達は村人に姿を目撃されている。あまり遅くなると心配されてしまうよ? 君は賢くて強い子だけど、人間換算では一才に満たない。お母さんだって心配するかもしれない」

「……うん、降りよう」

「聞き分けがよくて助かったよ。その前に」


 パシャパシャとシャッターを切って上空からの写真を撮影しておく。
 この場所に陣取っていたのは何も内緒話をするためだけではないのだ。
 この村を一望できる地理。
 そして大陸を分け隔てるように流れる川。
 そして海との距離を図るためにもある程度の高さが必要だった。雲の上まで来たのもそれが目的だ。
 目視による地図の作成だ。


「何をしてたの?」

「周辺地図をね、保存してたんだ」

「どうして?」

「それはもちろん、内緒だよ。ここからどのようにして神殿を建てるのかの目算もある。ここに来たのはそこら辺の情報収集も兼ねてさ。地図を購入するというのも手段ではあるが、細かな地理まで把握してるタイプのものは幾らかかるかわからないだろう?」

「成る程。買うにしてもお金がかかるんだ」

「そう。奪うと足がつく。だからと言って殺していたら敵を増やすばかりだ。そんなヘマを打つのは三流のやることだよ」


 手段を見透かされたと言わんばかりにウィルバー君は図星と言わんばかりの顔をした。そして自らを三流と言われて少し気落ちしていた。


「さぁ、手を出して」

「何を?」

「ここから先は一流の腕の見せ所だよ。さて、あそこがいいだろうか? ショートワープ」


 答えを待たぬまま、手を取った相手を連れて目視した場所へとテレポートする。
 突然周辺の景色が変わったことにウィルバー君は心が追いつかないというように気を動転させていた。


「なんで!? 僕たちは上空に居たはず」

「これも私の魔法の一つだ。慣れない君に合わせて降りていたら、きっと多くの人物に目撃されてしまうだろう?」

「確かにそれは……」

「人はただでさえ未知の存在を恐れる。自分と違う存在を認められない生き物なんだ。空を飛べるというだけで、恐怖を覚える人だっているかもしれない」

「でも、それは力を持って生まれたものの宿命では?」


 ウィルバー君はそう思うのだろう。
 けどね、悪意あるものたちはそれ以上の欲望に塗れている。


「うん。まあ持ってる人からすればそうかもしれないね。でも持ってない人から見たら羨ましいと妬みが始まるんだ。人によっては一躍有名人にもなれる。毎日のように記者が押しかけてきて新聞に名前が載るかもしれない」


 メリットばかりを連ねていく。
 ウィルバー君はどこか誇らしげに自分の能力だったらとそのことを空想している事だろう。しかしメリットには常にデメリットがつきまとう。
 有名になるということはいいことばかりではないんだ。
 一般人にとってのヒーローになればそれこそプライベートの時間を無くすし、些細なことで炎上する。


「でもね、君や私にそんな時間的余裕はないんだよ。君は能力をひけらかして、お父さんのこの地に呼ぶ時間を人間にのために費やそうとしている。それは果たして本当に君がやりたいことなのかな?」

「それは……違う。僕はお父さんをこの地にお呼びすることが使命だ」

「うん。確かに君は人類から見ても逸脱した存在だ。束でかかられても追い返して見せるだろう。でもね、人間は弱いからこそ厄介なんだ。数だけは無駄に多くてどこで足を引っ張られるかわからない。たった一人で行動する君が数を武器にする人間に敵わない事だってあるんだ」

「確かにそうだけど……」

「だから私は人間の意識を変えることから始めるつもりだ。手っ取り早くこちらの理解者になってもらう。その為の手段をこれから行なっていくよ。少しでも参考になれば幸いだ」

「うん。勉強させてもらうよ」


 少し自身の能力に慢心しているウィルバーくんの鼻っ柱を折っておく。彼の場合、邪魔なら殺せばいいという短絡思考に陥りがちだ。それで最後はあんな結末を迎えてしまう。
 彼らは自分の力ならなんとでもなると思っている節があるけど、実際人間はそこまで弱くないよ。
 弟君だって、人間に退治されたし。

 自分の敵は、障害物は見定めなければいけない。
 戦わずして勝つのがベスト。
 さて、私のやり方は彼には手緩く回りくどいものに見えてしまうだろうか?


 山から歩いて農村へと戻る。
 帰る途中に珍しい草花を摘んで、土産話に花を咲かせる。
 昨日来た時よりもすっかり信用を得たのか、話しかける言葉にニムを傾けてくれる。


「それよりも奥さん、昨日もらったとうもろこし。スープに入れたら最高でしたよ」


 夫婦で畑を営んでる奥さんの方へと話しかける。
 農家ならば自分の作った野菜を褒められて嫌な顔はしないはずだ。少し照れ臭そうにしながら、私の言葉に気を良くした。

 そこでルリーエに頼んで例の薬品を渡す。
 これは一種の調味料だと添えて、スープに落とせば疲労の解消、ちょっとした悩み事の解決。
 少し磯の香りが強いのは、海産物を素材にしているからだと語れば塩の代わり程度に思ってくれるだろうと思って調子のいい言葉を並べた。


 おおよそ三件、例の薬品を手渡して家路につく。
 こういうのは一度に多く手渡す必要はない。
 実際に効果が出て、そこからクチコミで広がっていくんだ。

 例えるなら魅惑の調味料。
 一度目は疑わしいけど、食べていくうちに美味しさしか感じなくなる。
 海の眷属向けの味付けだからね。
 人間のウチは抵抗があるのは仕方がないんだ。


 夕食もラヴィニアさんの手料理を振る舞ってもらい、最初ほど違和感なくスープを口に運ぶ。
 そして葉野菜を中心にしたサラダにも振りかけられているのがわかった。
 ラヴィニアさんからしてみれば極上の味なんだろうけど、なりかけの家族にしたら少し濃い味付けかもしれないね。

 これなら近日中に一族になってくれそうだ。


 ウィルバー君はスズキさんに任せて、私は今日撮った空撮映像と睨めっこして計画を進めた。


 翌日のことである。
 村に顔を出せば、早速効果が得られたと薬品を配った奥方様が調子良さげに話しかけてきた。
 長年悩んでいた腰の痛みとおさらばできたと上機嫌で、今日の収穫物をたくさん頂く。
 行きがけの駄賃にしては大荷物だ。

 道ゆく三件で同じようにお返しの野菜をもらう。
 そんな様子を見て私の噂はダン・ウィッチ村を駆け巡った。


 やがて私の元に噂を聞いた村人がやってくるようになった。
 私が部屋を借りてる村長の家に、ここまで人が訪れる事があまりなかったのか、ラヴィニアさんは困惑していた。

 しかし訳を聞けば、納得するように頷いた。
 何しろラヴィニアさんもその恩恵に預かっているからだ。

 そこからはルリーエが引っ張りだこになる。
 犬に吠えられても、家畜に怯えられても、彼女の手から生み出す薬品を求めるように人が集まった。

 結局のところそこに旨みがあれば多少のことに目を瞑るのが人間なのだ。
 後遺症も特になく、むしろ飲む前より調子の良さが違う。
 そんな嘘のような本当の噂はやがてダン・ウィッチ村を飛び越えて近隣の街へと飛んでいく。


 計画に第一段階は、この村長宅を拠点にしてたったの5日で完了した。
 時間にして120時間。
 滞在時間はまだ819時間もある。

 果たしてこれがこの場所にいられるだけの時間なのか、時間内に帰らなければずっと囚われ続ける為の制限なのかもわからない。

 が、侵蝕領域は30%と着実に増えていた。
 もはやダン・ウィッチ近隣住民はハーフマリナーの巣窟になっている。
 海を引くのならこのタイミングを逃す手はない。


「さて、神殿を建てるよ。神様を祀る為の施設を建築するんだ。ルルイエの眷属が集まっている今のうちにね」


 ウィルバー君はいまだに理解が追いつかず、首を傾げた。

 無理もない。恐ろしく早く流れる状況についていけないのだ。
 彼が成長してアーカムシティに旅立つまで15日程かかる。

 家を出るまでまだ9日もあるのにここで計画を前倒しするのは一つの懸念を塗りつぶす為であった。

 それは噂の拡散率がこちらの予想を上回る速さでアーカムシティに伝わったことにある。

 あそこの魔術師たちに出張ってこられたら流石に厄介だ。
 被害はまだ出ていないとはいえ、村の状況を見られたら一目瞭然。
 クトゥルフさんの気配を感じ取るに違いない。

 そういう厄介ごとはなるべくなら潰しておきたいんだ。
 だから……ダン・ウィッチ村は今日この時をもって、海の底に沈んでもらう必要があった。

 海の底に沈めてしまえば、捜索の手は一時頓挫するだろうことが窺える。その隙に我々は眷属の獲得に終始する。

 ここからは時間との勝負だ。
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