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3章 お爺ちゃんと古代の導き
206.お爺ちゃん達と[九の試練]⑧
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「よし、いよいよ当たりを引いたか」
一戦目のムーの民戦を終えて、私達の前に現れたアトランティスの民。戻り草の天麩羅は作るのが手間なので普通に『戻り草』のみを用意する。
「みんな、準備は良い?」
「「いえーい!!」」
ノリノリで答えてくれたのはスズキさんと探偵さん。
そして妻達とツルハシを担いだジキンさんが黙って頷いた。
まずは戻り草をセットしたレムリアの器でノリノリの二人がバリアを剥がす。
バリアが剥がれたらライフゲージが出るので、全員に行き渡るまでビームソードを製作するまでツルハシでカンカンする。
ツルハシ組に私も加わり、状況判断は探偵さんに任せた。
「よーしライフゲージが出たよ。一旦後退して」
「「はーい」」
採掘は光線で打ち込むとアトランティス鋼を入手できるが、その際行動の阻害は起きない様だ。
だから餅付きの様な合いの手でツルハシを振り下ろしつつライフゲージを調整する。
『先に3つづつできたのをみんなに配っておくわね』
妻とランダさんのお手製ビームソードをトレードで受け取りつつ、まだ直接的採掘は終わらせない。
事前に受け取ったこれらは攻撃用ではなく、回復用だった。
要点さえ理解すれば効率は上がるもので、躊躇なく行えばそれはもう減りすぎるほどに減った。
「80%! 海流攻撃くるよ!」
「そぉい!」
ビームソードを投げつけていち早く巻き込ませると、具現化した海がその場で霧散した。
「ナイスだスズキ君」
攻撃の準備ができたらツルハシ組が三人体制でレムリアの器で打ちつつカンカンする。
私はアトランティスの民の回復役で、足りない分は妻達が補填する。
一番厳しいのは50%を切ってから。
3回攻撃をピンポイントで攻撃阻害しつつ打ち込むのだ。
その時は四人体制でツルハシを打ち込む。
ビームソードを撃ち終わった人が先に抜けて装填する流れを作った。
50%からはどの攻撃を仕掛けてくるかの運ゲーである。
ある一定の攻撃パターンはあるものの、こっちに都合の良いものを引き込めれば苦労をしなくていいからだ。
そして三人のレムリアの器が撃ち切ったところでライフゲージが0%をさし、アトランティスの民はその場にドウと倒れた。
パターン化してもこれが最適解だと分かっていても、手間は手間なんだよね。是非シェリル達にも挑戦してもらいたいものだ。
彼女達ならどんな動きで攻略してくれるのか、興味はあった。
そしていよいよ第三戦目にレムリアの民。
『うむ、レムリアの礼儀を持つものよ。待っていたぞ』
目の前には広大なフィールド。
その全てが鏡面仕立てで対するレムリアの民は10人居た。
他に使役種族もおらず、全員がレムリアの器を持っていた。
そして役目を終えた彼らが立ち去った時、私達は無事に試練を乗り越えしものとして認められた。
スクリーンが上がり切った奥の扉が物理的に上に上がり、その奥から降り階段が現れた。
「これで終わりじゃないみたいだね。どうする?」
「どうするも何も行くしかないでしょう」
呼びかけに応じてくれたのはいつも茶々を入れてくるサブマスターだった。そうだね、私達は基本的にダメで元々。
失敗は次に活かせばいい主義の人だ。
「行きましょう。あ、探偵さんはマッピングお願いね」
「もっとシステムのマッピング機能を信じてあげなよ」
そうしたいのは山々だけど、また通路が復元されたりしたら困るじゃないの。
そんな風に思っていたのも束の間。
私達は巨大なスクリーンの前にいた。
映画館とは違うホログラフの画像には、こう書かれている。
[よくぞここまで辿り着いた。我らの世界を任せるぞ、我らの子孫よ]
意味深な、それでいて突き放す様な言葉に、想像して居たよりも斜め上の想像に行き着く。
我らの世界?
古代人からのメッセージ……そうか、ここはアトランティスワールド。
アトランティスの民が思い描いた世界。
本当の世界は別にあるのか!
「いったい何が書いてあるんです?」
そういえば私以外は古代言語読めないんだった。
早速スクリーンショットをしながらメール送信しつつ情報を共有する。
「我らの世界? 何のことだろうか? ここは彼らの世界ではないのか?」
「もしかすると私達は根本的に間違えていたのかも知れない」
「またマスターの仮説が始まりましたよ」
「あなた、何かわかったんですか?」
「もし、この世界がただのチュートリアル空間だとして……」
「えと、こんなに広大なワールドがただのチュートリアルですか?」
「君の中のフレーバーがつながり始めたのか、少年?」
「まだ確定はしてません。でもこの世界はどうにも歪だ。真っ直ぐな世界。地球をベースにしているのに陸地は平らで世界には壁がある。地球と同じなら上に行けば下につながらないといけないのに」
「ハヤテさん、ここはゲームですよ?」
「うん、でもここまで作り込んであるゲーム。それもリアルを謳っているゲームでそれができないと言われるのもおかしいだろう? 何せ日本人だけではなく全世界のプレイヤーが同時に翻訳されて遊んでるんだ」
「それは確かにそうだ。でもたった300万人。世界の人口と比べるまでもない」
「何言ってるんですか。それはプレイヤーの話です。他にもNPCやモンスターだっている。それに全盛期のムーの民を思い出してくださいよ。あんな規模の軍隊が暴れ回るにはこの世界は狭すぎる。まるで我々人間に合わせた世界の様だ」
そう、ムーの民の規模で世界が作られていないのが不思議だった。世界にはこんな巨人がいるんだぞとゲームだからこそ再現できるのに。
だからこれはこんな世界もあるんだぞ、その場所に行く用意はいいか? と問いかけられてる様に感じられた。
まるでお遊びで作った箱庭世界で満足している子孫を不甲斐ないと思うような彼らの問いかけを、私達は今まさに問われているのかも知れない。
こんな程度で満足できるのかと言われているようで我慢ができない。
もしその先があるのなら、願えば叶う場所にあるのなら、私はそこに行きたいと願うだろう。
「少年の言い分はわかるよ。人間に合わせた規模だと」
「ちょっと秋風君まで何唆されているんですか」
「サブマスター、僕は幾つものゲームを遊んできたからこそ分かるが、この世界はリアルを謳ってる割にはファンタジー要素が少ないとは思っていた」
「何の話です?」
「世界観の構築の話ですよ。この世界は圧倒的に情報が規制され過ぎている。まるで一度滅んだ文明の上に無理矢理作り上げられたようなチグハグさが垣間見えるんだ」
「僕も不思議に思いましたね。何で魚人とか居るのに、水棲系のモンスターはいないんだろうって。エネミーにそういうのが出てくるのかと思いきや、そうでもないし」
スズキさんが探偵さんの問いかけに尻尾をビチビチさせて答える。そうだ、彼女のボディ一つとっても鱗の一枚一枚とっても緻密に描かれている。なのに、それに類した存在があまりにも少なすぎた。もっと広い世界が用意されていても良いはずなのに。
「流石だねスズキ君。その通りだ。この世界は広い筈なのに、古代人の世界はこんなに狭苦しくて良いのか? 僕は少年の言動によって気付かされた。この世界には人類を脅かすモンスターや巨大種があまりにも少なすぎた!」
探偵さんが私の言いたいことの殆どを伝えてくれた。
「つまり?」
「この世界はまさにアトランティスの民が私達に合わせた架空の世界。アトランティスワールドだ。でもその先には彼らの文明が残された本当の世界が広がっているとしたら?」
「ああ、そういうこと。この世界が虚構であるというのか」
「ゲームだから虚構云々とかじゃないよ? まだここ以外にも別のワールドもありそうだということさ」
「それよりも試練クリアにならないね? 他にも探す所があるのかい?」
話についていけず、痺れを切らすようにランダさんが切り出す。
そういえば試練クリアのアナウンスがいつまで経っても聞こえて来ない。
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■」
アトランティスの民の穏健派が私達の背後に現れる。
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■」
「あなたは……ゲームマスター?」
「■■■■■■■■■■」
頭蓋が落ち窪み、ひしゃげた頭部が鎮座したライトゴールドの金属生命体は静かに私達に語りかけてきた。
一戦目のムーの民戦を終えて、私達の前に現れたアトランティスの民。戻り草の天麩羅は作るのが手間なので普通に『戻り草』のみを用意する。
「みんな、準備は良い?」
「「いえーい!!」」
ノリノリで答えてくれたのはスズキさんと探偵さん。
そして妻達とツルハシを担いだジキンさんが黙って頷いた。
まずは戻り草をセットしたレムリアの器でノリノリの二人がバリアを剥がす。
バリアが剥がれたらライフゲージが出るので、全員に行き渡るまでビームソードを製作するまでツルハシでカンカンする。
ツルハシ組に私も加わり、状況判断は探偵さんに任せた。
「よーしライフゲージが出たよ。一旦後退して」
「「はーい」」
採掘は光線で打ち込むとアトランティス鋼を入手できるが、その際行動の阻害は起きない様だ。
だから餅付きの様な合いの手でツルハシを振り下ろしつつライフゲージを調整する。
『先に3つづつできたのをみんなに配っておくわね』
妻とランダさんのお手製ビームソードをトレードで受け取りつつ、まだ直接的採掘は終わらせない。
事前に受け取ったこれらは攻撃用ではなく、回復用だった。
要点さえ理解すれば効率は上がるもので、躊躇なく行えばそれはもう減りすぎるほどに減った。
「80%! 海流攻撃くるよ!」
「そぉい!」
ビームソードを投げつけていち早く巻き込ませると、具現化した海がその場で霧散した。
「ナイスだスズキ君」
攻撃の準備ができたらツルハシ組が三人体制でレムリアの器で打ちつつカンカンする。
私はアトランティスの民の回復役で、足りない分は妻達が補填する。
一番厳しいのは50%を切ってから。
3回攻撃をピンポイントで攻撃阻害しつつ打ち込むのだ。
その時は四人体制でツルハシを打ち込む。
ビームソードを撃ち終わった人が先に抜けて装填する流れを作った。
50%からはどの攻撃を仕掛けてくるかの運ゲーである。
ある一定の攻撃パターンはあるものの、こっちに都合の良いものを引き込めれば苦労をしなくていいからだ。
そして三人のレムリアの器が撃ち切ったところでライフゲージが0%をさし、アトランティスの民はその場にドウと倒れた。
パターン化してもこれが最適解だと分かっていても、手間は手間なんだよね。是非シェリル達にも挑戦してもらいたいものだ。
彼女達ならどんな動きで攻略してくれるのか、興味はあった。
そしていよいよ第三戦目にレムリアの民。
『うむ、レムリアの礼儀を持つものよ。待っていたぞ』
目の前には広大なフィールド。
その全てが鏡面仕立てで対するレムリアの民は10人居た。
他に使役種族もおらず、全員がレムリアの器を持っていた。
そして役目を終えた彼らが立ち去った時、私達は無事に試練を乗り越えしものとして認められた。
スクリーンが上がり切った奥の扉が物理的に上に上がり、その奥から降り階段が現れた。
「これで終わりじゃないみたいだね。どうする?」
「どうするも何も行くしかないでしょう」
呼びかけに応じてくれたのはいつも茶々を入れてくるサブマスターだった。そうだね、私達は基本的にダメで元々。
失敗は次に活かせばいい主義の人だ。
「行きましょう。あ、探偵さんはマッピングお願いね」
「もっとシステムのマッピング機能を信じてあげなよ」
そうしたいのは山々だけど、また通路が復元されたりしたら困るじゃないの。
そんな風に思っていたのも束の間。
私達は巨大なスクリーンの前にいた。
映画館とは違うホログラフの画像には、こう書かれている。
[よくぞここまで辿り着いた。我らの世界を任せるぞ、我らの子孫よ]
意味深な、それでいて突き放す様な言葉に、想像して居たよりも斜め上の想像に行き着く。
我らの世界?
古代人からのメッセージ……そうか、ここはアトランティスワールド。
アトランティスの民が思い描いた世界。
本当の世界は別にあるのか!
「いったい何が書いてあるんです?」
そういえば私以外は古代言語読めないんだった。
早速スクリーンショットをしながらメール送信しつつ情報を共有する。
「我らの世界? 何のことだろうか? ここは彼らの世界ではないのか?」
「もしかすると私達は根本的に間違えていたのかも知れない」
「またマスターの仮説が始まりましたよ」
「あなた、何かわかったんですか?」
「もし、この世界がただのチュートリアル空間だとして……」
「えと、こんなに広大なワールドがただのチュートリアルですか?」
「君の中のフレーバーがつながり始めたのか、少年?」
「まだ確定はしてません。でもこの世界はどうにも歪だ。真っ直ぐな世界。地球をベースにしているのに陸地は平らで世界には壁がある。地球と同じなら上に行けば下につながらないといけないのに」
「ハヤテさん、ここはゲームですよ?」
「うん、でもここまで作り込んであるゲーム。それもリアルを謳っているゲームでそれができないと言われるのもおかしいだろう? 何せ日本人だけではなく全世界のプレイヤーが同時に翻訳されて遊んでるんだ」
「それは確かにそうだ。でもたった300万人。世界の人口と比べるまでもない」
「何言ってるんですか。それはプレイヤーの話です。他にもNPCやモンスターだっている。それに全盛期のムーの民を思い出してくださいよ。あんな規模の軍隊が暴れ回るにはこの世界は狭すぎる。まるで我々人間に合わせた世界の様だ」
そう、ムーの民の規模で世界が作られていないのが不思議だった。世界にはこんな巨人がいるんだぞとゲームだからこそ再現できるのに。
だからこれはこんな世界もあるんだぞ、その場所に行く用意はいいか? と問いかけられてる様に感じられた。
まるでお遊びで作った箱庭世界で満足している子孫を不甲斐ないと思うような彼らの問いかけを、私達は今まさに問われているのかも知れない。
こんな程度で満足できるのかと言われているようで我慢ができない。
もしその先があるのなら、願えば叶う場所にあるのなら、私はそこに行きたいと願うだろう。
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「ちょっと秋風君まで何唆されているんですか」
「サブマスター、僕は幾つものゲームを遊んできたからこそ分かるが、この世界はリアルを謳ってる割にはファンタジー要素が少ないとは思っていた」
「何の話です?」
「世界観の構築の話ですよ。この世界は圧倒的に情報が規制され過ぎている。まるで一度滅んだ文明の上に無理矢理作り上げられたようなチグハグさが垣間見えるんだ」
「僕も不思議に思いましたね。何で魚人とか居るのに、水棲系のモンスターはいないんだろうって。エネミーにそういうのが出てくるのかと思いきや、そうでもないし」
スズキさんが探偵さんの問いかけに尻尾をビチビチさせて答える。そうだ、彼女のボディ一つとっても鱗の一枚一枚とっても緻密に描かれている。なのに、それに類した存在があまりにも少なすぎた。もっと広い世界が用意されていても良いはずなのに。
「流石だねスズキ君。その通りだ。この世界は広い筈なのに、古代人の世界はこんなに狭苦しくて良いのか? 僕は少年の言動によって気付かされた。この世界には人類を脅かすモンスターや巨大種があまりにも少なすぎた!」
探偵さんが私の言いたいことの殆どを伝えてくれた。
「つまり?」
「この世界はまさにアトランティスの民が私達に合わせた架空の世界。アトランティスワールドだ。でもその先には彼らの文明が残された本当の世界が広がっているとしたら?」
「ああ、そういうこと。この世界が虚構であるというのか」
「ゲームだから虚構云々とかじゃないよ? まだここ以外にも別のワールドもありそうだということさ」
「それよりも試練クリアにならないね? 他にも探す所があるのかい?」
話についていけず、痺れを切らすようにランダさんが切り出す。
そういえば試練クリアのアナウンスがいつまで経っても聞こえて来ない。
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■」
アトランティスの民の穏健派が私達の背後に現れる。
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■」
「あなたは……ゲームマスター?」
「■■■■■■■■■■」
頭蓋が落ち窪み、ひしゃげた頭部が鎮座したライトゴールドの金属生命体は静かに私達に語りかけてきた。
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