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2章 お爺ちゃんとクラン
048.お爺ちゃんとスキル詳細
しおりを挟む昼食をいただいてからログインし、セカンドルナを集合場所として孫と合流する。本当はユーノ君も来たがっていたらしいが、遠慮してもらったそうだ。別にそこまで気を遣ってくれなくてもいいのにね?
でもせっかく彼女達が私なんかのために気を遣ってくれたのならとそこに世話になるのは吝かではない。彼女達のもてなしがどんなモノなのかを堪能してみるのも悪くないだろう。
セカンドルナはファストリアに比べて街の規模が大きい作りになっている。
街の周辺にはマナの大木を始めとする大森林がぐるりと囲っており、さらにその周囲を大自然の山々が見下ろしている形だ。
いいね、いつかその頂から見る風景を写真に納めたいモノだよ。
木がそこにあれば登りたくなるのと同様に、山もまた同じモノだと私は思う。
さて、それはさておき緊急メンテナンスで何がどう変わったのか確かめてみる必要があるな。
そういえば前回ログインした時はくま君のインパクトが強過ぎてそこら辺完全ド忘れしていたものなぁ。
まずは自分のスキルを確認してみるか。
まずメニューを開いて目についたのはスキル表記の右側にある
[▶︎スキル派生 / スキル詳細]の項目だった。
▶︎のマークが示す通り、普段見ている場面がスキル派生なのだとわかる。
よく見れば新しく取得したスキルも多く、新しく生えたスキルもあった。
【パッシヴ:21】[▶︎スキル派生 / スキル詳細]
◎持久力UP
┃┣◎持久力UP・中
┃┣◎持久力UP・大
┃┣◎持久力維持
┣╋ST維持[1/150]new!
┃┗EN維持[1/150]new!
◎ST消費軽減
◎木登り補正
┃┣◎クライミング
┃┣◎壁上り補正
┗┻◎垂直移動
┗重力無視[30/100]
◎水泳補正
┃┣◎潜水
┃┣◎古代泳法
┃┣◎水圧耐性
┃┣◎海底歩法
┗┻◎水中内活動
◎低酸素内活動
┣石の呼吸[10/150]new!
┣◎木の呼吸
┗◎水の呼吸
◎命中率UP
┣◎クリティカル
┗◎必中
【称号:3】
『妖精の加護/特殊スキル:妖精看破』
『木登りマスター/特殊スキル:垂直移動時速度上昇』
『古代の代弁者/特殊スキル:古代言語理解』new!
称号にも新しく『古代の代弁者』が入っているね。
しかしこれらは派生なしの特殊スキル扱いか。
強力な分、特定のイベントを踏まないと取得そのものが出来ないのだろうね。いやはや、そういう意味では私は運が良かったな。
ではスキル詳細を覗いてみようか。
視線をそこに合わせて押し込む感覚でタップするといつも見ている場面から画面が切り替わった。
「おお、これは凄いね」
そこに羅列されていたのは今までではただの文字としてしか記されていなかったスキルの詳細が文字通り記されていた。
ただ、この表記の場合だと派生元がわからない仕組みだ。
だから画面を分けたんだなぁと納得する。
【パッシヴ:21】[ スキル派生 /▶︎スキル詳細]
◆持久力UP :スタミナゲージ+5%
◇持久力UP中:スタミナゲージ+10%
◇持久力UP大:スタミナゲージ+30%
◇持久力維持 :スタミナ消費タイミング5秒から10秒毎に拡大
◇ST消費軽減:移動時のスタミナ消費:固定2→1%
[ST維持:1/150]???
[EN維持:1/150]???
◆木登り補正 :木登り時、スタミナ消費:固定3→2%
◇クライミング:垂直移動時、落下LPダメージ:5%カット
◇壁上り補正 :垂直移動時、落下LPダメージ:10%カット
◇垂直移動 :垂直移動時、スタミナ消費:固定2→1%
[重力無視:30/100]???
◆水泳補正 :水中活動時、スタミナ消費:固定3→2%
◇潜水 :水中活動時、スタミナ消費:固定2→1%
◇古代泳法 :水中活動時、移動速度+40%
◇水圧耐性 :水中活動時、水圧によるLPダメージ無視
◇海底歩法 :水中活動時、地上と同じ重力感覚で歩行可能
◇水中内活動 :水中活動時、全てのデバフ要素無視
◆低酸素内活動:空気の薄い場所でのスタミナ消費:固定5→4%
◇水の呼吸 :水中活動時、エネルギー準拠でスタミナ回復
◇木の呼吸 :垂直移動時、エネルギー準拠でスタミナ回復
[石の呼吸:10/150]???
◆命中率UP :全ての行動時、特定行動の判定率30%
◇クリティカル:全ての行動時、特定行動の判定率50%
◇必中 :全ての行動時、10%の確率で特定行動確定
面白いなぁ、こういうの。
今まで文字だけで想像していたけど、呼吸系の効果が思いの外大きい事を今になって知った。随分とこれには助けられてたんだなぁ、と今までを振り返ってみて苦笑する。
当時とったときはなんの効果があるんだと思ったが、思えば呼吸という字面に騙されて居たんだね。
名称が変化する前は水中呼吸だったから、空気をあまり必要しないだけのものだとしか認識していなかった。
取る前はあんなにも空気が減っていく感覚に恐怖したというのに、我ながら現金なやつだなと思わなくもないね。
あと当たり前だけどスキルを獲得しない限りは詳細が見れない仕組みか。
いいねぇ、こういう手探り感。俄然欲しくなってくる。
ただ、どんな行動をして何を獲得したかなんていちいち気にしてないからねぇ。いまだにどの行動が分子を埋めているのかわからないのが辛いかな?
それはさておきとして今後の目標を決めてしまおうか。
まずは妖精の城に行くために重要と思われる重力無視を手に入れる。でもってその次は新しく生えた呼吸系統の回収だ。
これがあるだけで行動範囲がグッと広がっていくからねぇ。
地上と同じような環境下のスタミナ回復って、わざわざスキルにされる時点で普段は無理なのだろうからね。どうせならどんどん取得していきたいよ。
「おじいちゃーん」
スキル詳細に夢中になっていたら孫が走って駆け寄ってきた。側にユーノ君はおらず、本当に一人で案内してくれるようだ。少し不安な気持ちを抱えつつ、それでも楽しみにしている私がいた。
さて行きますかね。
「おお、マリン。スキル詳細は確認してみたかね?」
「うん。みたけど思ってた通りのものだったよ」
「そうかい、私は新しい発見があったよ」
「見せて見せて!」
せがむ孫に苦笑しながら、まずは散策を開始しようかと背を押して促した。やはり何処かから視線を感じるのだ。
「後でね。それよりも今日はマリンが私を案内してくれるんだろう?」
「そうだった」
さっきまで準備で大忙しという感じだったのに、この子ときたら私の顔を見るなり忘れてしまうんだから。
「それじゃあ、お願いするよ?」
「うん、最初はこっち」
駆け出す彼女の背を追って、私も足に力を込めるのだった。
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