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三章
(4)自動販売機ガチャ!?
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ムーンスレイとの演習が無事終わり、あとは大会を待つだけとなった俺たちに悲報が入る。
なんと米の提供先であるドリュアネスの勇者、司幸雄パイセンが上司の勇者のリーダーに肉を食ってることがバレた事による密輸の件がパーになったのだ。
なぁにやってんだあの人。
まぁ、肉の匂いってすぐバレるからな。今までよく隠し通せたもんだ。その部分は賞賛に値するよ。
「でも、わざわざお米の為だけに助けに行く価値ある?」
「薫の言い分も分かる。が、米以外にも得られるもんがあればわからんだろ」
「たとえば?」
「魔道具技術は大したもんだ。うちには飛び抜けて頭のおかしい技術者がいるので、不要と思いがちだが正直夏目一人で成立しちまってる。俺らの入る余地がないんだ」
「それって僕たちでも操れる魔道具なりなんなりが欲しいってこと?」
「スマホみたいなのあれば助かるじゃん」
「あー、まぁね。夏目君に作ってくれって言っても鼻で笑われそうだもんね」
そういうところあるからな、実際。
「それに見つかってない素材もあるわ。そっちの可能性の追求も引き続き継続するわよ」
「あー、そういう意味でも交渉次第か?」
「僕の仕事だね!」
勢いづく薫だが、あんまり強気で行きすぎるなよ?
喧嘩っ早いムーンスレイの商人を追い込みすぎて向こうの勇者のリーダー(ゴリラの人)にクレイジーと評価をされた過去がある。
エルフって意固地なイメージあるから、あまり喧嘩腰でもなぁ。そんな話をまとめていた時である。
アリエルが今回はついて行けそうもないと言い出したのは。
理由はムーンスレイと同様敵対国の一員だから。
力こそ正義! 弱肉強食のムーンスレイでも破壊の傷跡は深く、ドラグネスと聞いただけで殺意を向けられた程だからな。
らしくないというより、俺たちの交渉に溝を作るのは悪いと考えての辞退だった。
あの頃のわがまま少女はもういない。
俺たちと同じように成長してるのだ。
それを喜んでいる横で茶々が入った。
「お前が出て行ったら俺たちが困るんだが?」
「飯なら俺よりも坂下さんが居るだろうが」
「お前じゃないと食えない飯があるんだよぉ~、残ってくれよぉ」
子供か!
いつまでも成長しないクラスメイトに、どうしたもんかと悩んでる俺に朗報。
狙い済ましたタイミングで天性のレベルが上がったのだ。
ご都合主義だろうって? いいんだよ、生産チートっていうのはこれくらいご都合主義で。
ちなみに言い出したらキリがないくらいに暴れすぎてるので今更だ。
「そんなお前達のために、俺のガチャが進化したぞ」
「ご都合主義の極みね」
「どんな機能なの?」
「俺のガチャを、対価を消費することで誰でも回せる自販機だ。出せるのは俺のガチャに内包されてるものに限る」
「それはまた随分とピンポイントなお悩み解決手段ね」
「それは何ができるの?」
アリエルはピンとこないように聞き返す。
あー、自動販売機そのものを知らない可能性もあるのかと説明をしたら信じられないという顔をされた。
信用商売で成り立つもんだからな。
どこかの国では破壊されて中身を取られ放題だと聞く。
「でも破壊は不可能だと思うぞ? なので買いたきゃ金を払え。金で食えるようになる。そう思うだけでいい」
「そう、アイス大福もあるの?」
ムーンスレイ大陸で手に入れられる餅米。それを求肥で包んだアイス大福が今のアリエルの好物だった。
もちろん出せると言ったら即座に機嫌が治った。
現金なやっちゃ。
クラスメイトもそれで溜飲をおろしたが、後のメニューについては権力がものを言った。
「嘘だろ! カニクリームコロッケがなんでこんなに高いんだよ!」
「それよりも杏仁豆腐が金貨一枚はおかしいわ!」
王様と榊さんの独断である。
しかしカニクリームコロッケは最初一皿金貨3枚だったが、使用人達も食べたいとクレームが殺到したので銀貨五枚に落ち着いた。それでも高いが、価値を決めるのは買う人次第なのだ。
なお、ドリュアネスに逗留中に恐ろしいほどの速さで自販機ガチャのレベルが上がり、あっという間に魔素が尽きたのは言うまでもない。
ハンドルを他人に握らせる危険性を嫌というほど味わったぜ。
なんと米の提供先であるドリュアネスの勇者、司幸雄パイセンが上司の勇者のリーダーに肉を食ってることがバレた事による密輸の件がパーになったのだ。
なぁにやってんだあの人。
まぁ、肉の匂いってすぐバレるからな。今までよく隠し通せたもんだ。その部分は賞賛に値するよ。
「でも、わざわざお米の為だけに助けに行く価値ある?」
「薫の言い分も分かる。が、米以外にも得られるもんがあればわからんだろ」
「たとえば?」
「魔道具技術は大したもんだ。うちには飛び抜けて頭のおかしい技術者がいるので、不要と思いがちだが正直夏目一人で成立しちまってる。俺らの入る余地がないんだ」
「それって僕たちでも操れる魔道具なりなんなりが欲しいってこと?」
「スマホみたいなのあれば助かるじゃん」
「あー、まぁね。夏目君に作ってくれって言っても鼻で笑われそうだもんね」
そういうところあるからな、実際。
「それに見つかってない素材もあるわ。そっちの可能性の追求も引き続き継続するわよ」
「あー、そういう意味でも交渉次第か?」
「僕の仕事だね!」
勢いづく薫だが、あんまり強気で行きすぎるなよ?
喧嘩っ早いムーンスレイの商人を追い込みすぎて向こうの勇者のリーダー(ゴリラの人)にクレイジーと評価をされた過去がある。
エルフって意固地なイメージあるから、あまり喧嘩腰でもなぁ。そんな話をまとめていた時である。
アリエルが今回はついて行けそうもないと言い出したのは。
理由はムーンスレイと同様敵対国の一員だから。
力こそ正義! 弱肉強食のムーンスレイでも破壊の傷跡は深く、ドラグネスと聞いただけで殺意を向けられた程だからな。
らしくないというより、俺たちの交渉に溝を作るのは悪いと考えての辞退だった。
あの頃のわがまま少女はもういない。
俺たちと同じように成長してるのだ。
それを喜んでいる横で茶々が入った。
「お前が出て行ったら俺たちが困るんだが?」
「飯なら俺よりも坂下さんが居るだろうが」
「お前じゃないと食えない飯があるんだよぉ~、残ってくれよぉ」
子供か!
いつまでも成長しないクラスメイトに、どうしたもんかと悩んでる俺に朗報。
狙い済ましたタイミングで天性のレベルが上がったのだ。
ご都合主義だろうって? いいんだよ、生産チートっていうのはこれくらいご都合主義で。
ちなみに言い出したらキリがないくらいに暴れすぎてるので今更だ。
「そんなお前達のために、俺のガチャが進化したぞ」
「ご都合主義の極みね」
「どんな機能なの?」
「俺のガチャを、対価を消費することで誰でも回せる自販機だ。出せるのは俺のガチャに内包されてるものに限る」
「それはまた随分とピンポイントなお悩み解決手段ね」
「それは何ができるの?」
アリエルはピンとこないように聞き返す。
あー、自動販売機そのものを知らない可能性もあるのかと説明をしたら信じられないという顔をされた。
信用商売で成り立つもんだからな。
どこかの国では破壊されて中身を取られ放題だと聞く。
「でも破壊は不可能だと思うぞ? なので買いたきゃ金を払え。金で食えるようになる。そう思うだけでいい」
「そう、アイス大福もあるの?」
ムーンスレイ大陸で手に入れられる餅米。それを求肥で包んだアイス大福が今のアリエルの好物だった。
もちろん出せると言ったら即座に機嫌が治った。
現金なやっちゃ。
クラスメイトもそれで溜飲をおろしたが、後のメニューについては権力がものを言った。
「嘘だろ! カニクリームコロッケがなんでこんなに高いんだよ!」
「それよりも杏仁豆腐が金貨一枚はおかしいわ!」
王様と榊さんの独断である。
しかしカニクリームコロッケは最初一皿金貨3枚だったが、使用人達も食べたいとクレームが殺到したので銀貨五枚に落ち着いた。それでも高いが、価値を決めるのは買う人次第なのだ。
なお、ドリュアネスに逗留中に恐ろしいほどの速さで自販機ガチャのレベルが上がり、あっという間に魔素が尽きたのは言うまでもない。
ハンドルを他人に握らせる危険性を嫌というほど味わったぜ。
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