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五章
24_危険生物
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「え? 隔離?」
「ああ、思っていた以上に危険らしい。グーラも相手にするのを面倒がっていたからな」
彼女とデートをした翌日。
外出前に夏目から呼びかけられた俺は、昨日送ったモンスターの使い道を聞いたところ、思いもよらぬ言葉が出てきて脊髄反射で聞き返した。
隔離、のちに封印。
ドラゴンすらオモチャにした夏目が、遊びに使わずに別の空間に閉じ込める選択をしたと言うのだから驚きだ。
「あのグーラですらやばいって、どんな規模でやばいんだ?」
「曰く、微生物レベルのサイズの生命体が、肉体に乗り移って魔改造、人格に悪影響を与えるのだそうだ」
「どっかで聞いた事あんな」
龍果とか。龍果とか。
流石に肉体改造まではしないが、バーサーカーにはなるし会話が通じなくなったなぁ。
「お前のことだから旧ドラグネス皇国の植物、龍果辺りを思い浮かべてるだろう」
「お前、エスパーかよ」
「俺くらいになればお前の考えてることくらいお見通しさ。だが、似て非なるものだ」
「お前の口から聞くときっと碌でもない情報だろうが聞いてやるよ」
「お前が普段どんな目で俺を見てるのかよく分かる発言をどうも」
俺の悪態を特に気にした様子もなく、片手でメガネの位置を直す夏目。
「グーラ曰く、あれらには高い知識がある。我々人類以上に知的で、文明も築いているとの事だ」
「対話が可能であると?」
「残念ながら、他種族をオモチャか何かとしか考えてない非常に交戦的な種族だ。見つけたら思い切って始末しろ」
「ふーん、ムーンスレイの獣人みたいなもんか」
「概ねそれであってる」
会話はできるけど、話が通じない相手ってのはどこにでもいるもんだ。
ムーンスレイも似たようなもので、腕っぷしを見せつければ対話は可能。
見せつけないと話にならないのが困りものだな。
なまじ人型なもんだから意思の疎通ができるってわけでもないらしい。
「でも正直、あまり強くなかったぞ?」
動きが早いには早いが、十分目で追えるし。
グーラと比較しちゃダメなんだろうけど、ブランクのあるバンデッドの操縦で十分対応できたし。
「阿久津にとってはだろ?」
「ああ、こっちの人類にとっては脅威になるのか。だから隔離して封印するわけね?」
「タダでさえ、国が崩壊して戦力も落ちてるからな。エルフのように隠れてれば捕捉されないが、本体がとにかく小さい。人を操る知識と、乗っ取った肉体を組み替えてモンスターを作り上げる悪辣さを持つ。人里なんかに入れたらそれこそパニックだ」
「了解、そこまで聞いたら隔離封印は妥当だわ」
人類も地球に対して似たような事をやってるが、相手は人類含めて自分以外の生命体を資源みたいに扱ってくると言う。
生命体でロボットを作って乗りこなすんだそうだ。
だから相手をキメラみたいな構造物に感じたのか。
問題は素体に人が含まれてたことくらい。
こっちの世界以外で人型生命体を手にかけてきたのだ。
許せない、と言うよりは自衛の為にも対処しないとだ。
「ありがとよ、見つけ次第送るわ。他には?」
「魔素の運用法についてササモリ氏か提案をいくつかいただいてる。お前、たまにはササモリ氏のところに顔出せよ? 相談に乗って欲しそうだったぞ?」
「最近行ったばかりだが?」
「それでもだよ。俺も忙しいし、クラスのみんなはそれぞれの事情で閉じこもってる。せっかく一緒にいるのに会話もままならないと嘆いていたぞ。顔を合わせるたびに俺が捕まるんだ」
ただの愚痴じゃねーか!
「また面白い食材見つけたら食わせに行くよ。それまで耐えてくれ」
「ああ、それと。一応気をつけておけよ」
「?」
気をつけるって何を?
「お前の送ってきたモンスター、どうやら群れのボスの可能性がある。グーラ曰く、同胞を殺されると全員がバーサーカーになって襲ってくる特性を持つとかなんとか」
「狙われるって事か?」
「念の為、気をつけとけって事だよ。杜若さんを人質に取るくらいはするぞ、そいつら」
「なるほど、俺一人で突っ込むなと言うわけか」
「守る相手ができると、迷いが生まれるからな」
そういうのはきちっと戦える奴に言ってくれ。
俺はこっちの世界でサポーター一本でやってきてるからな。
守るのは慣れてるぜ!
えっ、守られてるの間違いだって?
うるせーよ。
夏目と別れていつものメンツと合流する。
「おっす、今日も行くかぁ」
「それよりも阿久津君、みゆりとはうまく行ったの?」
「ご本人はなんて?」
「阿久津君に聞けって」
揃いも揃って似た者同士。お互いに感想を譲り合って周囲に心配をかけ続けてしまうようだ。
「まあお陰様でな。みゆりとはこれから少しづつお互を知ってくことから始めたからさ。その、見守ってくれたら助かるよ」
「サラッと名前呼びし合ってるんだ?」
「雄介、それは本当?」
「相変わらずさん付けだがな」
「そっか。まぁどっちでもいいんだけど」
じゃあなんで疑いの視線を向けたんだ?
ここ数日のお前、変だぞ。
「それよりさ、さっき夏目から注意勧告を受けたんだよ」
「どんな?」
「大型の蟲に気をつけろって。どうやらグーラの意図してないモンスターがこの世界にやってきてしまったらしい。会話は通じないから出会ったら倒す方向でってさ」
「夏目さんがそんな事を……」
「その様子だとみゆりは何か知ってそうよね?」
「実は俺たちデート中に遭遇してさ、そいつを撃退して夏目に送ったら他惑星からの漂流者であることが判明したってわけ」
「別世界、じゃなくて他惑星? つまりこの世界にも宇宙があって、それ以外の星にも生命体がいるの?」
「そりゃ居るだろう」
「元の世界の基準で考えないで。月が二つあるような世界よ? 惑星の概念があったとしても、ファンタジー世界にSFを混ぜ込む気?」
「実際にいるんだから仕方ないだろ? 現実を受け止めろって」
「それもそうね、ファンタジー世界に宇宙人か……よくよく考えたらグーラもそうなのよね?」
他惑星からの放浪者、という意味ではそうだよなぁ。
「注意勧告というなら、こっちに住んでる勇者にも言って回るんでしょう?」
「なんだったらもう被害出てるかもな、急ごう」
亜空間で過ごす俺たちは、現地より80倍遅い時間を過ごしてる。つまりたった8時間の就寝でも、640時間、24日間経過している。
この時間感覚の差が、致命的だと今になって気がつく。
俺たちはアリエルの農園に急行した。
◇
「え? 大型の蟲? そう言えば最近被害多いわね。返り討ちにしてるけど。あれってなんなの? 雄介知ってる?」
アリエルは困ったように笑いながら近況報告をする。
龍果はそもそも寄生対象にならないそうだ。
お互いに寄生し合って、虫の方が負けるらしい。
それで根負けした虫が破壊活動をして回るらしいが、普通にドラグネスの勇者パーティ、厳密にはロギンが従業員(現地含む)のステータスを回収してアリエルに付与、撃退しているそうだ。
相変わらずおかしい能力だよな、と思い出しながら対処法を聞いて安堵する。
「俺も詳しくは知らないが、うちの科学者曰く、この世界の存在じゃないから気をつけろって」
「そう。うちの従業員に手を出したらどうなるか、目にもの見せてやってもいいのね?」
それを聞いて安心したわ、と快活に笑う。
強くなったなぁ。否、この場所で生きていく以上強くならざるを得ないんだ。
「坂下さんところは平気そう?」
「あの虎男と三上? 負けるところを想像できないわ」
「どっちも武器持ってないだろ?」
「武器なんて必要ないわよ。あいつ魔法で剣作れるし。最近それを思い出して虎男を圧倒してるわ。そのせいで悔しがってるから、見つけたらおつまみの一つでも恵んでやんなさい」
あのアリエルが、他人をねぎら得るようになってる……だと?
「ねぇ、今失礼なこと考えてたでしょ?」
「めめ、滅相もありません」
「白状してるようなもんじゃないの。あの時から何も変わってないようで何よりよ」
ツン、と上を向いてアリエルは踵を返す。
一瞬笑みを浮かべたように見えたが、すぐに真顔に戻して仕事の続きをした。
すぐ横で委員長が額に手を当てる。
「まったく、揃いも揃って不器用な奴ばかりが勢揃いだ」
「なんの話?」
「恋する乙女ってのは、どうしてこうも奥手なのかねって悩んでるんだよ雄介。ね、由乃さん」
「薫君、それ以上はやめて」
いつの間にか名前で呼び合う二人を、俺とみゆりは「おや?」という顔で眺めた。
残した二人には悪いな、と心のどこかで思っていたが。
なんだよ、残り物同士で仲良くやってるんじゃないか。
そんなこんなで坂下さんのレストランへ赴くと、そこにはテーブルに突っ伏してるシグルドさんが居た。
「これ、どうしたの?」
「どうやら最近増えたモンスターに魔石がくっついてなくて、それで落ち込んでるらしいの」
ああ、例の蟲か。
魔石も壊しちゃってるのかぁ、それじゃ落ち込むのも仕方ないな。飯は食えるが、肝心の酒が手に入らないからこうもグロッキーなんだな。
思っていた以上に悩む観点が違うが、まぁヨシ!
「で、それは?」
坂下さんの持ってきた皿には、美味しそうな料理が並んでいた。
「そのモンスターのお肉を使った料理よ。最初はマズイだけだったお肉でも、龍果と同じ工夫を施したら驚きの味に化けたわ。これだから料理は奥が深いのよ! やめられないわ」
ニッコニコだぁ。
そのモンスターに人間のパーツも含まれてるって知ったらどう思うだろうか。
いや、こっちのモンスターだってさんざん人間襲って食ってるわけだが。
そのモンスターの肉を加工して食ってる時点で気の持ちようだったりするのか?
「ああ、思っていた以上に危険らしい。グーラも相手にするのを面倒がっていたからな」
彼女とデートをした翌日。
外出前に夏目から呼びかけられた俺は、昨日送ったモンスターの使い道を聞いたところ、思いもよらぬ言葉が出てきて脊髄反射で聞き返した。
隔離、のちに封印。
ドラゴンすらオモチャにした夏目が、遊びに使わずに別の空間に閉じ込める選択をしたと言うのだから驚きだ。
「あのグーラですらやばいって、どんな規模でやばいんだ?」
「曰く、微生物レベルのサイズの生命体が、肉体に乗り移って魔改造、人格に悪影響を与えるのだそうだ」
「どっかで聞いた事あんな」
龍果とか。龍果とか。
流石に肉体改造まではしないが、バーサーカーにはなるし会話が通じなくなったなぁ。
「お前のことだから旧ドラグネス皇国の植物、龍果辺りを思い浮かべてるだろう」
「お前、エスパーかよ」
「俺くらいになればお前の考えてることくらいお見通しさ。だが、似て非なるものだ」
「お前の口から聞くときっと碌でもない情報だろうが聞いてやるよ」
「お前が普段どんな目で俺を見てるのかよく分かる発言をどうも」
俺の悪態を特に気にした様子もなく、片手でメガネの位置を直す夏目。
「グーラ曰く、あれらには高い知識がある。我々人類以上に知的で、文明も築いているとの事だ」
「対話が可能であると?」
「残念ながら、他種族をオモチャか何かとしか考えてない非常に交戦的な種族だ。見つけたら思い切って始末しろ」
「ふーん、ムーンスレイの獣人みたいなもんか」
「概ねそれであってる」
会話はできるけど、話が通じない相手ってのはどこにでもいるもんだ。
ムーンスレイも似たようなもので、腕っぷしを見せつければ対話は可能。
見せつけないと話にならないのが困りものだな。
なまじ人型なもんだから意思の疎通ができるってわけでもないらしい。
「でも正直、あまり強くなかったぞ?」
動きが早いには早いが、十分目で追えるし。
グーラと比較しちゃダメなんだろうけど、ブランクのあるバンデッドの操縦で十分対応できたし。
「阿久津にとってはだろ?」
「ああ、こっちの人類にとっては脅威になるのか。だから隔離して封印するわけね?」
「タダでさえ、国が崩壊して戦力も落ちてるからな。エルフのように隠れてれば捕捉されないが、本体がとにかく小さい。人を操る知識と、乗っ取った肉体を組み替えてモンスターを作り上げる悪辣さを持つ。人里なんかに入れたらそれこそパニックだ」
「了解、そこまで聞いたら隔離封印は妥当だわ」
人類も地球に対して似たような事をやってるが、相手は人類含めて自分以外の生命体を資源みたいに扱ってくると言う。
生命体でロボットを作って乗りこなすんだそうだ。
だから相手をキメラみたいな構造物に感じたのか。
問題は素体に人が含まれてたことくらい。
こっちの世界以外で人型生命体を手にかけてきたのだ。
許せない、と言うよりは自衛の為にも対処しないとだ。
「ありがとよ、見つけ次第送るわ。他には?」
「魔素の運用法についてササモリ氏か提案をいくつかいただいてる。お前、たまにはササモリ氏のところに顔出せよ? 相談に乗って欲しそうだったぞ?」
「最近行ったばかりだが?」
「それでもだよ。俺も忙しいし、クラスのみんなはそれぞれの事情で閉じこもってる。せっかく一緒にいるのに会話もままならないと嘆いていたぞ。顔を合わせるたびに俺が捕まるんだ」
ただの愚痴じゃねーか!
「また面白い食材見つけたら食わせに行くよ。それまで耐えてくれ」
「ああ、それと。一応気をつけておけよ」
「?」
気をつけるって何を?
「お前の送ってきたモンスター、どうやら群れのボスの可能性がある。グーラ曰く、同胞を殺されると全員がバーサーカーになって襲ってくる特性を持つとかなんとか」
「狙われるって事か?」
「念の為、気をつけとけって事だよ。杜若さんを人質に取るくらいはするぞ、そいつら」
「なるほど、俺一人で突っ込むなと言うわけか」
「守る相手ができると、迷いが生まれるからな」
そういうのはきちっと戦える奴に言ってくれ。
俺はこっちの世界でサポーター一本でやってきてるからな。
守るのは慣れてるぜ!
えっ、守られてるの間違いだって?
うるせーよ。
夏目と別れていつものメンツと合流する。
「おっす、今日も行くかぁ」
「それよりも阿久津君、みゆりとはうまく行ったの?」
「ご本人はなんて?」
「阿久津君に聞けって」
揃いも揃って似た者同士。お互いに感想を譲り合って周囲に心配をかけ続けてしまうようだ。
「まあお陰様でな。みゆりとはこれから少しづつお互を知ってくことから始めたからさ。その、見守ってくれたら助かるよ」
「サラッと名前呼びし合ってるんだ?」
「雄介、それは本当?」
「相変わらずさん付けだがな」
「そっか。まぁどっちでもいいんだけど」
じゃあなんで疑いの視線を向けたんだ?
ここ数日のお前、変だぞ。
「それよりさ、さっき夏目から注意勧告を受けたんだよ」
「どんな?」
「大型の蟲に気をつけろって。どうやらグーラの意図してないモンスターがこの世界にやってきてしまったらしい。会話は通じないから出会ったら倒す方向でってさ」
「夏目さんがそんな事を……」
「その様子だとみゆりは何か知ってそうよね?」
「実は俺たちデート中に遭遇してさ、そいつを撃退して夏目に送ったら他惑星からの漂流者であることが判明したってわけ」
「別世界、じゃなくて他惑星? つまりこの世界にも宇宙があって、それ以外の星にも生命体がいるの?」
「そりゃ居るだろう」
「元の世界の基準で考えないで。月が二つあるような世界よ? 惑星の概念があったとしても、ファンタジー世界にSFを混ぜ込む気?」
「実際にいるんだから仕方ないだろ? 現実を受け止めろって」
「それもそうね、ファンタジー世界に宇宙人か……よくよく考えたらグーラもそうなのよね?」
他惑星からの放浪者、という意味ではそうだよなぁ。
「注意勧告というなら、こっちに住んでる勇者にも言って回るんでしょう?」
「なんだったらもう被害出てるかもな、急ごう」
亜空間で過ごす俺たちは、現地より80倍遅い時間を過ごしてる。つまりたった8時間の就寝でも、640時間、24日間経過している。
この時間感覚の差が、致命的だと今になって気がつく。
俺たちはアリエルの農園に急行した。
◇
「え? 大型の蟲? そう言えば最近被害多いわね。返り討ちにしてるけど。あれってなんなの? 雄介知ってる?」
アリエルは困ったように笑いながら近況報告をする。
龍果はそもそも寄生対象にならないそうだ。
お互いに寄生し合って、虫の方が負けるらしい。
それで根負けした虫が破壊活動をして回るらしいが、普通にドラグネスの勇者パーティ、厳密にはロギンが従業員(現地含む)のステータスを回収してアリエルに付与、撃退しているそうだ。
相変わらずおかしい能力だよな、と思い出しながら対処法を聞いて安堵する。
「俺も詳しくは知らないが、うちの科学者曰く、この世界の存在じゃないから気をつけろって」
「そう。うちの従業員に手を出したらどうなるか、目にもの見せてやってもいいのね?」
それを聞いて安心したわ、と快活に笑う。
強くなったなぁ。否、この場所で生きていく以上強くならざるを得ないんだ。
「坂下さんところは平気そう?」
「あの虎男と三上? 負けるところを想像できないわ」
「どっちも武器持ってないだろ?」
「武器なんて必要ないわよ。あいつ魔法で剣作れるし。最近それを思い出して虎男を圧倒してるわ。そのせいで悔しがってるから、見つけたらおつまみの一つでも恵んでやんなさい」
あのアリエルが、他人をねぎら得るようになってる……だと?
「ねぇ、今失礼なこと考えてたでしょ?」
「めめ、滅相もありません」
「白状してるようなもんじゃないの。あの時から何も変わってないようで何よりよ」
ツン、と上を向いてアリエルは踵を返す。
一瞬笑みを浮かべたように見えたが、すぐに真顔に戻して仕事の続きをした。
すぐ横で委員長が額に手を当てる。
「まったく、揃いも揃って不器用な奴ばかりが勢揃いだ」
「なんの話?」
「恋する乙女ってのは、どうしてこうも奥手なのかねって悩んでるんだよ雄介。ね、由乃さん」
「薫君、それ以上はやめて」
いつの間にか名前で呼び合う二人を、俺とみゆりは「おや?」という顔で眺めた。
残した二人には悪いな、と心のどこかで思っていたが。
なんだよ、残り物同士で仲良くやってるんじゃないか。
そんなこんなで坂下さんのレストランへ赴くと、そこにはテーブルに突っ伏してるシグルドさんが居た。
「これ、どうしたの?」
「どうやら最近増えたモンスターに魔石がくっついてなくて、それで落ち込んでるらしいの」
ああ、例の蟲か。
魔石も壊しちゃってるのかぁ、それじゃ落ち込むのも仕方ないな。飯は食えるが、肝心の酒が手に入らないからこうもグロッキーなんだな。
思っていた以上に悩む観点が違うが、まぁヨシ!
「で、それは?」
坂下さんの持ってきた皿には、美味しそうな料理が並んでいた。
「そのモンスターのお肉を使った料理よ。最初はマズイだけだったお肉でも、龍果と同じ工夫を施したら驚きの味に化けたわ。これだから料理は奥が深いのよ! やめられないわ」
ニッコニコだぁ。
そのモンスターに人間のパーツも含まれてるって知ったらどう思うだろうか。
いや、こっちのモンスターだってさんざん人間襲って食ってるわけだが。
そのモンスターの肉を加工して食ってる時点で気の持ちようだったりするのか?
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