143 / 147
最弱種族の下剋上
総力戦 1
しおりを挟む
悪魔の軍勢は、周王学園生をものともせずに進軍する。
思っていた通り、ソウルグレードによるゴリ押しが向こうの持ち味だろう。しかし、それに抗って見せたのが凛華や寧々、久遠等の俺の契約者だった。
「みんな、相手に直接攻撃の類は聞きにくいわ。前のめりに攻撃せず、ヒットアンドアウェイを心掛けてちょうだい!」
「分かった!」
「怪我をした方はこちらにお越しください! お腹がすいた方もこちらへ、補給物資をご用意してます!」
「助かる!」
「こっから先はうちが突撃かけるよ! ものども続けェええええ!」
「「うぉおおおおおおお!!」」
寧々が敵の戦力を分析し、凛華が視野を広く持ち負傷兵を少なくすることを心がけた。そして久遠が攻撃できないことで不満を挙げる生徒を率い、一点突破の活躍を見せる。
「状況は?」
「劣勢という他無いな。今まで戦ったことのない相手だ。プロが相手する敵だろ、ああいうのは」
小腹を満たしにきた秋庭君が愚痴るようにこぼした。
「久遠は敵の守りを抜けてるみたいだけど?」
「Aクラスの上位三人に追いつけってか? まぁできないと言ってる場合じゃねぇもんな。おっしゃ。敵に直接敵わなくとも、体制を崩すなりなんなりして三姫のアシストでもすっか。いくぞ、木下君、関谷さん、奈緒ちゃん」
「まぁ、僕らができるのはそれぐらいかなぁ」
「相手に毒が効くんなら、あたしでも手は打てるんだけど……」
「キャッチなら任せて!」
かつてFクラスで共に行動した生徒達は、今ではこんなにも逞しくなっている。
それぞれが気後れすることなく、前向きに対処しようと息巻いた。
「じゃあ、俺はここで防衛でもしてるよ」
「六濃君が前に行けばサクッと終わるんじゃないの?」
「俺意外にここの防衛を任せられる人物が思い当たらないんだ」
「それはそう」
「というわけで、飯の支度は任せてくれ。こっちにちょっかい出す敵がいた時は、いい加減動くからさ」
「俺たちの帰る場所を頼むな。フォーメーションBだ!」
秋庭君があるかもわからないフォーメーションを高らかに掲げ、他三人が元気よく返事する。
「死ぬなよ!」
「逃げるのは得意なんだ、俺たち!」
「それは褒められたもんじゃないな」
「言ってろ! どでかい土産持って帰ってくるからな!」
俺の言葉を受け、片手を上げて戦場に向かう。
ほとんどの生徒が悪魔の攻撃に為す術もなく負傷して帰ってくる中、教師陣はといえば。
「ここで敵を通せば拠点がめちゃくちゃだ! 絶対に死守しますよ!」
教頭、足柄山公雄が先頭に立ち、どちらかといえば自分たちが助かるために学園中の結界の強度をあげていた。
「早くおうちに帰りたい~~!」
「ふひひ。俺、家に帰ったらプロポーズするんだ!」
「イマジナリー彼女に傾倒するのはやめろ! 全て終わるまで諦めるな!」
ほとんどの教師達は、自暴自棄になりつつも、元の世界への帰還をエネルギーに変えて頑張る。
しかし、それをあざ笑うかのように悪魔は簡単にバリアを砕いて砕いて侵入してきてしまった。
「ぐわぁああああ!」
「佐々木先生!」
一人目の犠牲者は、イマジナリー彼女を頭の中に住まわせる、座学教師の佐々木だった。
しかし学園の敷地内には至る所にユグドラシルが植えてある。
放っておけば復活するので、特にこちらから動くことはしなくても良さそうだ。
一度復活するときに、前後の記憶があやふやになる性質を用いて、さっき負けたような気がしたけど、夢だった。を全校生徒が体験してるのもあり、今死んだとしても「気のせい」で済ませるくらいには被害は出ていた。
ここがダンジョンの中だからこそ、俺の【才能】が発揮できるのだが、まぁあまり褒められた防衛ン方力ではないことだけは確かである。
「うわぁあああ! 悪魔が攻め入ってきたぞぉお!」
悪魔の一部侵入を許してしまう。
『ククク、ここが我が主人に逆らうクズどもが屯する拠点であるか。随分ともろい。これではせっかく私が出張ってきた甲斐がありませんね』
一般悪魔から遅れて現れたのは、頭に巻き角を生やした紳士服を纏う狡猾そうな男だった。
「脆弱な防衛で悪かったな。で、お前はここになんの要件で訪れたって?」
俺が悪魔の紳士の前に現れると、途端に目の色を変える。そんなに気絶しないことが驚きだったのだろうか?
大勢の内政とはバタバタ気絶していくから、簡単に悪魔に捕まってるんだよな。
俺がこの学園にユグドラシルを植えてる理由は、何かの拍子で相手側に操られた場合を想定してのことだった。
中には生徒を爆弾に変えて自爆特攻させる奴もいないとも限らないし、一応は念のため……という名目で学園内の景観に紛れて植え替えた。
『ほう、私のオーラに触れて怖気付かないクズがいるなんて驚きです。名を聞きましょうか?』
「あいにくと、自分から名乗らない相手には名乗らないことにしてるもんでな」
『この私相手にどこまでも不遜な態度。いいでしょう、格の違いというものを見せてあげますよ。やれ!』
悪魔の紳士が片手をあげて号令をかける。
すると悪魔兵士が生徒を連れてきて。その場で一人づつ命を奪っていった。
『どうしました? 道端の草を踏みつけにしただけで、そんなに怒ることはないでしょう。それとも、大切な存在が混ざっていましたか?』
俺の驚きの表情をそう受け取ったのか。
無駄だからやめとけって、そう言おうと思ってたんだが、まぁそう思いたいんならそう思っておけばいいか。
「権限せよ、ユグドラシル」
ゴォッ!
一陣の風が学園内に吹き荒れる。
つい先ほど失われた命が、瞬く間に復元し、何事もなかったように退避行動をとった。
今その場で自分が殺されたことなど記憶になく、少し遅れをとったぐらいの認識だろう。
「お前ら下がってろ、こいつは俺がやる!」
全員にアピールするように凛華のいる場所を指し示す。そこには重数本のユグドラシルが植えられているので、一本燃やしたところで、即座の復活が可能なエリアだ。
「手強いぞ。サポートの要請はいつでも受け付ける。無理はするな!」
「ありがとうございます、先輩」
凛華の元へ走り去る先輩を見送り、校庭には俺と悪魔の兵士、悪魔の紳士だけが残った。
『これは……一体なんのトリックですか?』
理解に苦しむとばかりに震える悪魔紳士に、俺はどうかしたのかと問いかける。
「誰が教えてやるかよ。お前にとってはただの雑草だ。雑草がまた生えてきた時も、同じように疑問に持つのか?」
『戯言を! どうやら惨たらしく殺されたいようですねぇ! いいでしょう、お望みを叶えて差し上げますよ!』
悪魔の紳士の体高が大きく膨れ上がる。
「巨大化なんて、まとが大きくなるだけだぞ?」
『ほざけ!』
手元に圧縮させた闇のエネルギーをグミ撃ちで発射させる悪魔紳士。
しかし……
「悪いな。その攻撃の耐性を持ってるんだ」
俺には通用しない。
遠距離が通用しないとわかるなり、肉弾戦に切り替える紳士。
「ははは、こんなにも簡単に引っかかってくれるなんてありがたい──いただきます」
突き出した拳を掴み、引き寄せ、ガラ空きになった首へと噛みつく。
そのまま暴食による吸血。
全身に活力がみなぎる。
これは、ソウルグレードが更新されたかな?
今見たら案の定上がってた。
ソウルグレードは3+。
ナーガラージャからレッサーデーモンになっていた。
蛇の王から悪魔の兵士とは、なんとも微妙な進化だが、嬉しいのはそれだけではない。
ブラッドの上限が50000→80000になっていたこと!
これで新しく契約を結べる上限が上がった。
無理を押して、本体を学園に大輝させててよかった。
凛華達がだいぶ心配をしてたのは、これが大きな理由か。俺は賭けに勝った。
『凛華達に通達。俺のソウルグレードは3+に上昇。パッシブに飛行が追加された』
『道理で、攻撃が通るようになった気がするわけだよ!』
早速返事をくれたのは久遠だった。
一番てきと戦闘してるからこそわかる実感というものだろう。
『助かるわ、敵からの攻撃がシビアになってきたから、これで防衛の方も抜かりなく耐えられると思う。あなたの能力って、周り回って私たちもパワーアップするから抜け目ないのよね』
寧々の結界の防御力も上昇したようだ。
『まだ他に、見通す目というものが備わっているように思います。これは相手の思っていることをわずかながら判断できるようなものですわね。格上相手には抵抗されるようですが、同等価格下のソウルグレードに特効だと思います』
凛華は、直接広範囲を見通しているからこそ、俺に新しく備わった能力にいち早く気づけたらしい。
よく見たら、確かについてた。
俺が見落としたものすら、上手に使うのだから、痒い所に手が届くというか。
まぁ、助かってるよ。
「さて、お前らの隊長は俺が倒した。次に相手になりたいものはいるか!?」
口元を拭い、高らかに宣言する。
こういうのは性に合わないが、寧々曰く勝鬨は士気を上昇させるのに必要不可欠なんだとか。
結果、悪魔は逃げ出さずに俺に立ち向かってきたが、返り討ちにして鍋の具材になった。
生徒達は悪魔の肉を食うのは躊躇したが、腹ペコで帰ってきた一番槍の久遠が真っ先に口にして美味しそうに食べたのを見てから見境なく食べるようになった。
案の定、久遠は俺と同じ耐性があるから腹を下さなかったが、食べた連中が立て続けに集団食中毒を起こした。
ユグドラシルがあるから即座に完治したが、それから好んで食べる勇者はついぞ現れなかった。
思っていた通り、ソウルグレードによるゴリ押しが向こうの持ち味だろう。しかし、それに抗って見せたのが凛華や寧々、久遠等の俺の契約者だった。
「みんな、相手に直接攻撃の類は聞きにくいわ。前のめりに攻撃せず、ヒットアンドアウェイを心掛けてちょうだい!」
「分かった!」
「怪我をした方はこちらにお越しください! お腹がすいた方もこちらへ、補給物資をご用意してます!」
「助かる!」
「こっから先はうちが突撃かけるよ! ものども続けェええええ!」
「「うぉおおおおおおお!!」」
寧々が敵の戦力を分析し、凛華が視野を広く持ち負傷兵を少なくすることを心がけた。そして久遠が攻撃できないことで不満を挙げる生徒を率い、一点突破の活躍を見せる。
「状況は?」
「劣勢という他無いな。今まで戦ったことのない相手だ。プロが相手する敵だろ、ああいうのは」
小腹を満たしにきた秋庭君が愚痴るようにこぼした。
「久遠は敵の守りを抜けてるみたいだけど?」
「Aクラスの上位三人に追いつけってか? まぁできないと言ってる場合じゃねぇもんな。おっしゃ。敵に直接敵わなくとも、体制を崩すなりなんなりして三姫のアシストでもすっか。いくぞ、木下君、関谷さん、奈緒ちゃん」
「まぁ、僕らができるのはそれぐらいかなぁ」
「相手に毒が効くんなら、あたしでも手は打てるんだけど……」
「キャッチなら任せて!」
かつてFクラスで共に行動した生徒達は、今ではこんなにも逞しくなっている。
それぞれが気後れすることなく、前向きに対処しようと息巻いた。
「じゃあ、俺はここで防衛でもしてるよ」
「六濃君が前に行けばサクッと終わるんじゃないの?」
「俺意外にここの防衛を任せられる人物が思い当たらないんだ」
「それはそう」
「というわけで、飯の支度は任せてくれ。こっちにちょっかい出す敵がいた時は、いい加減動くからさ」
「俺たちの帰る場所を頼むな。フォーメーションBだ!」
秋庭君があるかもわからないフォーメーションを高らかに掲げ、他三人が元気よく返事する。
「死ぬなよ!」
「逃げるのは得意なんだ、俺たち!」
「それは褒められたもんじゃないな」
「言ってろ! どでかい土産持って帰ってくるからな!」
俺の言葉を受け、片手を上げて戦場に向かう。
ほとんどの生徒が悪魔の攻撃に為す術もなく負傷して帰ってくる中、教師陣はといえば。
「ここで敵を通せば拠点がめちゃくちゃだ! 絶対に死守しますよ!」
教頭、足柄山公雄が先頭に立ち、どちらかといえば自分たちが助かるために学園中の結界の強度をあげていた。
「早くおうちに帰りたい~~!」
「ふひひ。俺、家に帰ったらプロポーズするんだ!」
「イマジナリー彼女に傾倒するのはやめろ! 全て終わるまで諦めるな!」
ほとんどの教師達は、自暴自棄になりつつも、元の世界への帰還をエネルギーに変えて頑張る。
しかし、それをあざ笑うかのように悪魔は簡単にバリアを砕いて砕いて侵入してきてしまった。
「ぐわぁああああ!」
「佐々木先生!」
一人目の犠牲者は、イマジナリー彼女を頭の中に住まわせる、座学教師の佐々木だった。
しかし学園の敷地内には至る所にユグドラシルが植えてある。
放っておけば復活するので、特にこちらから動くことはしなくても良さそうだ。
一度復活するときに、前後の記憶があやふやになる性質を用いて、さっき負けたような気がしたけど、夢だった。を全校生徒が体験してるのもあり、今死んだとしても「気のせい」で済ませるくらいには被害は出ていた。
ここがダンジョンの中だからこそ、俺の【才能】が発揮できるのだが、まぁあまり褒められた防衛ン方力ではないことだけは確かである。
「うわぁあああ! 悪魔が攻め入ってきたぞぉお!」
悪魔の一部侵入を許してしまう。
『ククク、ここが我が主人に逆らうクズどもが屯する拠点であるか。随分ともろい。これではせっかく私が出張ってきた甲斐がありませんね』
一般悪魔から遅れて現れたのは、頭に巻き角を生やした紳士服を纏う狡猾そうな男だった。
「脆弱な防衛で悪かったな。で、お前はここになんの要件で訪れたって?」
俺が悪魔の紳士の前に現れると、途端に目の色を変える。そんなに気絶しないことが驚きだったのだろうか?
大勢の内政とはバタバタ気絶していくから、簡単に悪魔に捕まってるんだよな。
俺がこの学園にユグドラシルを植えてる理由は、何かの拍子で相手側に操られた場合を想定してのことだった。
中には生徒を爆弾に変えて自爆特攻させる奴もいないとも限らないし、一応は念のため……という名目で学園内の景観に紛れて植え替えた。
『ほう、私のオーラに触れて怖気付かないクズがいるなんて驚きです。名を聞きましょうか?』
「あいにくと、自分から名乗らない相手には名乗らないことにしてるもんでな」
『この私相手にどこまでも不遜な態度。いいでしょう、格の違いというものを見せてあげますよ。やれ!』
悪魔の紳士が片手をあげて号令をかける。
すると悪魔兵士が生徒を連れてきて。その場で一人づつ命を奪っていった。
『どうしました? 道端の草を踏みつけにしただけで、そんなに怒ることはないでしょう。それとも、大切な存在が混ざっていましたか?』
俺の驚きの表情をそう受け取ったのか。
無駄だからやめとけって、そう言おうと思ってたんだが、まぁそう思いたいんならそう思っておけばいいか。
「権限せよ、ユグドラシル」
ゴォッ!
一陣の風が学園内に吹き荒れる。
つい先ほど失われた命が、瞬く間に復元し、何事もなかったように退避行動をとった。
今その場で自分が殺されたことなど記憶になく、少し遅れをとったぐらいの認識だろう。
「お前ら下がってろ、こいつは俺がやる!」
全員にアピールするように凛華のいる場所を指し示す。そこには重数本のユグドラシルが植えられているので、一本燃やしたところで、即座の復活が可能なエリアだ。
「手強いぞ。サポートの要請はいつでも受け付ける。無理はするな!」
「ありがとうございます、先輩」
凛華の元へ走り去る先輩を見送り、校庭には俺と悪魔の兵士、悪魔の紳士だけが残った。
『これは……一体なんのトリックですか?』
理解に苦しむとばかりに震える悪魔紳士に、俺はどうかしたのかと問いかける。
「誰が教えてやるかよ。お前にとってはただの雑草だ。雑草がまた生えてきた時も、同じように疑問に持つのか?」
『戯言を! どうやら惨たらしく殺されたいようですねぇ! いいでしょう、お望みを叶えて差し上げますよ!』
悪魔の紳士の体高が大きく膨れ上がる。
「巨大化なんて、まとが大きくなるだけだぞ?」
『ほざけ!』
手元に圧縮させた闇のエネルギーをグミ撃ちで発射させる悪魔紳士。
しかし……
「悪いな。その攻撃の耐性を持ってるんだ」
俺には通用しない。
遠距離が通用しないとわかるなり、肉弾戦に切り替える紳士。
「ははは、こんなにも簡単に引っかかってくれるなんてありがたい──いただきます」
突き出した拳を掴み、引き寄せ、ガラ空きになった首へと噛みつく。
そのまま暴食による吸血。
全身に活力がみなぎる。
これは、ソウルグレードが更新されたかな?
今見たら案の定上がってた。
ソウルグレードは3+。
ナーガラージャからレッサーデーモンになっていた。
蛇の王から悪魔の兵士とは、なんとも微妙な進化だが、嬉しいのはそれだけではない。
ブラッドの上限が50000→80000になっていたこと!
これで新しく契約を結べる上限が上がった。
無理を押して、本体を学園に大輝させててよかった。
凛華達がだいぶ心配をしてたのは、これが大きな理由か。俺は賭けに勝った。
『凛華達に通達。俺のソウルグレードは3+に上昇。パッシブに飛行が追加された』
『道理で、攻撃が通るようになった気がするわけだよ!』
早速返事をくれたのは久遠だった。
一番てきと戦闘してるからこそわかる実感というものだろう。
『助かるわ、敵からの攻撃がシビアになってきたから、これで防衛の方も抜かりなく耐えられると思う。あなたの能力って、周り回って私たちもパワーアップするから抜け目ないのよね』
寧々の結界の防御力も上昇したようだ。
『まだ他に、見通す目というものが備わっているように思います。これは相手の思っていることをわずかながら判断できるようなものですわね。格上相手には抵抗されるようですが、同等価格下のソウルグレードに特効だと思います』
凛華は、直接広範囲を見通しているからこそ、俺に新しく備わった能力にいち早く気づけたらしい。
よく見たら、確かについてた。
俺が見落としたものすら、上手に使うのだから、痒い所に手が届くというか。
まぁ、助かってるよ。
「さて、お前らの隊長は俺が倒した。次に相手になりたいものはいるか!?」
口元を拭い、高らかに宣言する。
こういうのは性に合わないが、寧々曰く勝鬨は士気を上昇させるのに必要不可欠なんだとか。
結果、悪魔は逃げ出さずに俺に立ち向かってきたが、返り討ちにして鍋の具材になった。
生徒達は悪魔の肉を食うのは躊躇したが、腹ペコで帰ってきた一番槍の久遠が真っ先に口にして美味しそうに食べたのを見てから見境なく食べるようになった。
案の定、久遠は俺と同じ耐性があるから腹を下さなかったが、食べた連中が立て続けに集団食中毒を起こした。
ユグドラシルがあるから即座に完治したが、それから好んで食べる勇者はついぞ現れなかった。
41
お気に入りに追加
220
あなたにおすすめの小説

スキル:浮遊都市 がチートすぎて使えない。
赤木 咲夜
ファンタジー
世界に30個のダンジョンができ、世界中の人が一人一つスキルを手に入れた。
そのスキルで使える能力は一つとは限らないし、そもそもそのスキルが固有であるとも限らない。
変身スキル(ドラゴン)、召喚スキル、鍛冶スキルのような異世界のようなスキルもあれば、翻訳スキル、記憶スキルのように努力すれば同じことができそうなスキルまで無数にある。
魔法スキルのように魔力とレベルに影響されるスキルもあれば、絶対切断スキルのようにレベルも魔力も関係ないスキルもある。
すべては気まぐれに決めた神の気分
新たな世界競争に翻弄される国、次々と変わる制度や法律、スキルおかげで転職でき、スキルのせいで地位を追われる。
そんななか16歳の青年は世界に一つだけしかない、超チートスキルを手に入れる。
不定期です。章が終わるまで、設定変更で細かい変更をすることがあります。
ダンジョン美食倶楽部
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
長年レストランの下働きとして働いてきた本宝治洋一(30)は突如として現れた新オーナーの物言いにより、職を失った。
身寄りのない洋一は、飲み仲間の藤本要から「一緒にダンチューバーとして組まないか?」と誘われ、配信チャンネル【ダンジョン美食倶楽部】の料理担当兼荷物持ちを任される。
配信で明るみになる、洋一の隠された技能。
素材こそ低級モンスター、調味料も安物なのにその卓越した技術は見る者を虜にし、出来上がった料理はなんとも空腹感を促した。偶然居合わせた探索者に振る舞ったりしていくうちに【ダンジョン美食倶楽部】の名前は徐々に売れていく。
一方で洋一を追放したレストランは、SSSSランク探索者の轟美玲から「味が落ちた」と一蹴され、徐々に落ちぶれていった。
※カクヨム様で先行公開中!
※2024年3月21で第一部完!
お持ち帰り召喚士磯貝〜なんでも持ち運び出来る【転移】スキルで異世界つまみ食い生活〜
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ひょんなことから男子高校生、磯貝章(いそがいあきら)は授業中、クラス毎異世界クラセリアへと飛ばされた。
勇者としての役割、与えられた力。
クラスメイトに協力的なお姫様。
しかし能力を開示する魔道具が発動しなかったことを皮切りに、お姫様も想像だにしない出来事が起こった。
突如鳴り出すメール音。SNSのメロディ。
そして学校前を包囲する警察官からの呼びかけにクラスが騒然とする。
なんと、いつの間にか元の世界に帰ってきてしまっていたのだ!
──王城ごと。
王様達は警察官に武力行為を示すべく魔法の詠唱を行うが、それらが発動することはなく、現行犯逮捕された!
そのあとクラスメイトも事情聴取を受け、翌日から普通の学校生活が再開する。
何故元の世界に帰ってきてしまったのか?
そして何故か使えない魔法。
どうも日本では魔法そのものが扱えない様で、異世界の貴族達は魔法を取り上げられた平民として最低限の暮らしを強いられた。
それを他所に内心あわてている生徒が一人。
それこそが磯貝章だった。
「やっべー、もしかしてこれ、俺のせい?」
目の前に浮かび上がったステータスボードには異世界の場所と、再転移するまでのクールタイムが浮かび上がっていた。
幸い、章はクラスの中ではあまり目立たない男子生徒という立ち位置。
もしあのまま帰って来なかったらどうなっていただろうというクラスメイトの話題には参加させず、この能力をどうするべきか悩んでいた。
そして一部のクラスメイトの独断によって明かされたスキル達。
当然章の能力も開示され、家族ごとマスコミからバッシングを受けていた。
日々注目されることに辟易した章は、能力を使う内にこう思う様になった。
「もしかして、この能力を金に変えて食っていけるかも?」
──これは転移を手に入れてしまった少年と、それに巻き込まれる現地住民の異世界ドタバタコメディである。
序章まで一挙公開。
翌日から7:00、12:00、17:00、22:00更新。
序章 異世界転移【9/2〜】
一章 異世界クラセリア【9/3〜】
二章 ダンジョンアタック!【9/5〜】
三章 発足! 異世界旅行業【9/8〜】
四章 新生活は異世界で【9/10〜】
五章 巻き込まれて異世界【9/12〜】
六章 体験! エルフの暮らし【9/17〜】
七章 探索! 並行世界【9/19〜】
95部で第一部完とさせて貰ってます。
※9/24日まで毎日投稿されます。
※カクヨムさんでも改稿前の作品が読めます。
おおよそ、起こりうるであろう転移系の内容を網羅してます。
勇者召喚、ハーレム勇者、巻き込まれ召喚、俺TUEEEE等々。
ダンジョン活動、ダンジョンマスターまでなんでもあります。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!!
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

目立つのが嫌でダンジョンのソロ攻略をしていた俺、アイドル配信者のいる前で、うっかり最凶モンスターをブッ飛ばしてしまう
果 一
ファンタジー
目立つことが大嫌いな男子高校生、篠村暁斗の通う学校には、アイドルがいる。
名前は芹なずな。学校一美人で現役アイドル、さらに有名ダンジョン配信者という勝ち組人生を送っている女の子だ。
日夜、ぼんやりと空を眺めるだけの暁斗とは縁のない存在。
ところが、ある日暁斗がダンジョンの下層でひっそりとモンスター狩りをしていると、SSクラスモンスターのワイバーンに襲われている小規模パーティに遭遇する。
この期に及んで「目立ちたくないから」と見捨てるわけにもいかず、暁斗は隠していた実力を解放して、ワイバーンを一撃粉砕してしまう。
しかし、近くに倒れていたアイドル配信者の芹なずなに目撃されていて――
しかも、その一部始終は生放送されていて――!?
《ワイバーン一撃で倒すとか異次元過ぎw》
《さっき見たらツイットーのトレンドに上がってた。これ、明日のネットニュースにも載るっしょ絶対》
SNSでバズりにバズり、さらには芹なずなにも正体がバレて!?
暁斗の陰キャ自由ライフは、瞬く間に崩壊する!
※本作は小説家になろう・カクヨムでも公開しています。両サイトでのタイトルは『目立つのが嫌でダンジョンのソロ攻略をしていた俺、アイドル配信者のいる前で、うっかり最凶モンスターをブッ飛ばしてしまう~バズりまくって陰キャ生活が無事終了したんだが~』となります。
※この作品はフィクションです。実在の人物•団体•事件•法律などとは一切関係ありません。あらかじめご了承ください。

八百長試合を引き受けていたが、もう必要ないと言われたので圧勝させてもらいます
海夏世もみじ
ファンタジー
月一に開催されるリーヴェ王国最強決定大会。そこに毎回登場するアッシュという少年は、金をもらう代わりに対戦相手にわざと負けるという、いわゆる「八百長試合」をしていた。
だが次の大会が目前となったある日、もうお前は必要ないと言われてしまう。八百長が必要ないなら本気を出してもいい。
彼は手加減をやめ、“本当の力”を解放する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる