劣等生のハイランカー

双葉 鳴|◉〻◉)

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最弱種族の下剋上

悪魔襲来

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「ふん、奴らも所詮は獣か。ヒュームなどに討ち取られるとは、何とも愚かなものよ」

 報告を受けたダークエルフの女王は、嘲笑しながら重い腰を上げた。

「アクシアル様、ご報告にございます」

「なんだ、申してみよ」

「その獣たちのダンジョン内にて、例の襲撃者の姿を見つけた次第とのことです」

「ほう、それは愉快だな。が、なぜその場から動かずにその場に止まっている? あの者たちの実力であるのなら、いつでもこちらに侵攻できるはず。なのに一切してこないのは不思議であった。なぜだと思う?」

「それなのですが……ダンジョンを渡る技能に長けていないのではないかと」

 従者の言に、ふむと顎に手を添えるアクシアル。

「何と、そのようなことがあるのか?」

「生まれが低いからこそ、そのような術があることを知らない可能性があるのでしょう。我らダークエルフのように世界から世界を渡る種族でもない限り、同じソウルグレードの種族でも同様のことは難しいのではないかと思います」

「一つ所の戦場にでのみ優れた種族ということか。つまり、相手の得意フィールドで戦うから私は敗退したと、そういうのだな?」

「可能性は高そうです」

「ならばここは一つ、同盟を組むとしようか」

「どちら様とでしょうか?」

「ユーフェミア殿はジャヴィド様とは随分とご無沙汰のようだしな。一つ寵愛権で釣れぬかと思うが、どう思う?」

「よろしいのですか?」

「良い。機会の損失は種族的優先度を低く見積もるが、そこはプライドの問題だ。それよりも格下の存在に負けたという事実の方が私のプライドに大きく傷をつけた。あれは何かの間違いではないか。自分の得意なフィールドでやりあえば、勝てる。そう確信したい」

 従者の瞳は「それはそれでプライドはないのか?」と言いたげだが、みないことにするアクシアル。

「不服か?」

「不服など。ただ、いずれのし上がるランキングを大きく落としてまで、拭たい傷など、見当もつきませんでしたので」

「これは私にとってのけじめなのだ。知っているか? ジャヴィド様は弱いメスを側に置かぬ。ジャヴィド様に敗れ、故郷を滅ぼされた我がダークエルフの一族ではあるが、妾ランキングで上位に食い込めるのは、我々が継戦能力に特化しているからだ。主に場外戦術においてイニチアシブを取れているからこその寵愛だ。だが、それが崩れた今、見向きもされなくなる。だからそいつらを潰すことで水に流そう」

「だから、負けた過去を清算したいと?」

「器が小さいと思うか?」

「いえ、アクシアル様のみ心のままに。我らダークエルフは貴方様をトップとして認めております故。先方への連絡はいかほどになさいましょう?」

「私自らが向かおう」

「よろしいので?」

「いくら立場が上と言っても、ソウルグレードの壁を乗り越えられなければ意味がない。いくらでも向こうの気分次第で保護にされるんだ。なるべくなら成功率は高くしたい」

「ご武運を」

「ああ、土産話を期待しておれ。この戦、再び我らに勝利を導こうぞ」

 そう言って、アクシアルは足元に出した魔法陣から直接上位次元へと潜り込んだ。

 再び地上に現れると、そこは薄気味悪い笑気が漂っている世界へと切り替わる。
 すぐにアクシアルの元へ集まる視線。

「私はダークエルフの女王、アクシアル! 此度は貴殿らの女王、ユーフェミア殿と話がしたく参上仕った! どうか道を開けてほしい!」

「そんな話女王より聞いておらぬ。お帰り願おうか」

 群衆より現れ出たのは額に角を生やした見上げるほどの大男。人垣より頭一つ二つ抜きん出ていることから、この地域のトップ的存在であることは明白だ。

「それが兄上のジャヴィド様との仲直りの機会を与える権利であると知ってもか?」

「必要ない。女王自らが遠ざけた存在だ。あのお方は、我らを切り捨て、自らが神へと至ると故郷を捨てたのだ。女王はそれについては何も言っておらん。貴殿の横入りは不要だ。どうぞお引き取りを……」

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 兄妹の関係であるならば引き合いに出せば乗って来ると踏んだが、どうにもこの兄妹は複雑すぎる。
 仕方ない、手を組む相手を変えるかと踵を変えソプとした時……

「待って!」

 大男の背後より、幼き声がかかった。

「ユーフェミア殿」

「女王様、ダメです、このような素性もわからぬものの声を真に受けるなどあってはならぬこと……」

「お兄様とお話ができる権利というのは本当? お兄様はわたくしの過ちを許してくれるというの?」

 素性もわからないとは酷くないか?
 先ほど名乗りを上げたばかりなのにと憤慨するアクシアルに対し、大男の悪魔は取り付く島もない。

「そればかりは貴方様次第ですよ。私はその場を設けるだけ。もしその権利を主張するならば一言お申し付けください」

「貴殿のような立場の存在が、わざわざその権利をちらつかせるとは、一体何が望みだ」

「何、少し立場を解らせたい奴がいるだけです。その時に、ユーフェミア殿からご助力を願いたい」

「そのために、自身の立場を下げる真似もすると、そういうのだな?」

「負けっぱなしは癪に触るのですよ。あなた方もメンツに非常にこだわる。そうでしょう?」

「知ったような口を……女王様、いかがなさいますか?」

「やるわ!」

「その言葉、二言はありませんね?」

「手伝うのはやぶさかではありません。しかし相手の素性も聞かされぬままでは、どれだけ備えれば良いものか……」

「なぁに、相手はヒューム。少し空間を歪めてもらえれば大丈夫です」

「ほう、負けた相手はヒュームか。それは王か? 序列戦に挑んだか。ヒュームだと思って侮って負けたのではないか? 王となればヒュームとて侮れんぞ?」

「ソウルグレードの境界を乗り越えるもの……お兄様が焦がれ、手中に収めたものですわね」

「ユーフェミア様、行かれるのですね?」

「ええ、そのものを打ち滅ぼし、わたくしも序列戦に挑みます。此度は良い話を持ってきてくれました、ダークエルフの女王。謹んでこのお話、引き受けましょう」

「ありがとうございます。ただし、トドメを刺すのは私に任せてもらえませんか?」

「あら? 相当に鬱憤が溜まっておいでなのね」

「遭遇直後に抵抗したとはいえ、何の伺いもせずに操ろうとしてきた相手です。あれらのどちらかが王であることは確定しています。王の権利はお譲りしましょう。ですが決着はこちらの手で、つけさせてください」

「もちろんです。それくらいは譲歩しましょう。待っていて、お兄様。ユーフェミアが今から会いに行きますからね!」

 普段から陰鬱な、この世の終わりのような顔を晒していた女が、今は花が咲いたような笑みを見せる。
 元の様子を取り戻されておいでだ、と悪魔の大男は喜び勇み、ダークエルフの女王アクシアルは勝ちを確信した。




 ◇◆◇



「ムックン! 見慣れないモンスターが大挙して押し寄せてきたよ!」

「とうとう来たか」

「随分と待たされたな。が、無理はするな?」

「たくさん休暇をいただきましたからね、本調子ではないですが……」

 開いた拳を握りしめる。

「やれます」

「サポートは任せたまえ」

「ええ、この苦難。見事俺たちで乗り越えて見えますよ。久遠、敵の規模はどれくらいだった?」

「たくさん!」

 彼女に聞いた俺が馬鹿だったか?
 いや、それだけ大量であることは疑う余地もない。
 どうせ視界が覆われるほどの規模だろう。
 モンスターは空を飛ぶ奴もいる。
 視界面積が覆われれば覆われるほど、数の認識もあやふやになるはずだ。

「寧々、物理結界と魔法結界を二重で」

「相手の属性は? 属性ごとに結界も張れるわよ?」

「必要ない。守りたいのは学舎だからな。生徒たちは前線に送り出す。待ちに待ったストレス発散の場だぞ? カースト制度で鬱屈した気持ちが溜まっていることだろう。発散の場を与えずしてどうする?」

「教師たちは?」

「もちろん働いてもらう。こんな学園でわざわざ教鞭を振るう物好きだ。普段威張ってる分、生徒よりも前に出てもらおう。なぁに、即座に怪我が治る敷地内での戦闘だ。むしろヌルゲーなんじゃないか?」

「きっと、面目躍如に泣いて喜ぶと思うわ」

 寧々は肩をすくめて、心にもないことを言った。
 
「食事当番は交代制。怪我人と腹を空かせた連中は俺のところに集めろ」

「貴方は前に出ないの?」

「俺が出るのは敵の大将がお見えしてからだ。これだけの大群を率いてくるんだ、敵さんも本腰を入れてきたんだろう」

「だといいけどね。嫉妬の王みたいなこそこそ隠れるような奴ではないことを祈るばかりだわ」

「その時はまたうちが見つけるよー」

 久遠の嗅覚は非常に優れている。
 野生的本能というべきか、悪意を察知して、その出所をいもずr牛気に手繰り寄せることができるのだ。
 俺にそこまでの精度の高い察知能力はないので、非常に助かる。

「さて、それまでは持久戦だ。一人もかけることなく、勝利を収めるぞ!」

「「「オォオオ!!」」」



 ◇◆◇


 海斗が表向きの陣頭指揮を取る裏では……御堂明が貝塚真琴を連れて影の中に潜んで別動隊として動いていた。

「さて、貝塚君。我々も動くとしよう」

「ああ、ボクらは浮き足立ってる相手からの情報を獲得するんだね?」

「そういうことだ。戦いが始まれば、指揮官は勝負の行方に気を配る。そういう時、本音は少なからず漏れ出るものだ。それの収集だよ。簡単だろ?」

「そこを掬い上げるんだ? 本当になんというか、そういうのが得意だよね貴方は」

「好きで得意になったわけでもないが……そぉれ、それなりに立場を持ってそうな個体が来たぞ。迎撃準備を」

「まぁ他操って影に隠れて潜むのか?」

「抵抗された時の保険だよ、君は」

「ボクの能力悪用されすぎてない?」

「ははは、ソウルグレードを無視してダメージを通せる戦力なんて、ついぞ僕の元に現れなんだが、取り逃していたのだな」

「本当に、あの時逃げ出してて良かったよ。さて、それはそうと対象は随分と周囲の警戒をしてないかな?」

 影の中に潜む御堂一行。
 なぜこんなに相手に警戒されているかといえば、御堂明がすでに仕掛けて抵抗されたからである。

「早速君の出番が来たようだ」

「待って、もしかしてもう仕掛けたの?」

「こういうのは早い方がいい」

「せめて実行する前にボクに一言話しかけるとかさぁ! まぁ、やるんだけど! グラビティハウリング」

「ガッ!?」

 影の中に潜み、足元の中心から後の爆発を体の芯へと叩き込む真琴。
 対象は素早く意識を手放し、よろけそうになる。
 しかし御堂明が即座に肉体を乗っ取り、掌握した。

『どうしたお前、作戦前に。気が弛んでるぞ?』

『あ、ああ。大丈夫だ。少し目眩がな』

『敵からの襲撃か?』

『かもしれん。グレゴリウス様に報告だ』

『俺も詳細を話す義務がある。ついていこう』

 そんな敵武官の足元に、ついていく不自然な影。
 
「よしよし、上手いこと言ったな」

「ねぇ、あんな人前で乗っ取るとか一体どういうつもりなんだい? 危うくバレるところだったよ?」

「なぁに、状況によっては操れる場所など限られてる。今回は特に、仲間意識の強いグループ。誘き出して乗っ取る方法が使えない以上、集団の中での傀儡は致し方ないことだ。君も早く慣れなさい」

「もうやだー、この人ー」

 貝塚真琴の嘆きは、御堂明に一蹴され、海斗の元に届くことはなかった。
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