劣等生のハイランカー

双葉 鳴|◉〻◉)

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最弱種族の下剋上

潜入捜査

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 ボクは六王君の指示の元、似合わない制服に袖を通し、不慣れなコミュニケーションの元、学校に保護してもらうことに成功した。

 北海道支部生であることは生徒手帳の確認で済んだ。
 けど、寧々達には秒でバレた。

 分かる人にはわかっちゃうもんなんだよね。
 けど、向こうから接触してきてくれる分には都合が良かったよ。
 無理な演技に付き合わせなくてもいいからね。

「ちょっと、真琴姉さん。どんな理由でそんな格好を?」

「これにはいろいろ理由があるんだよ。詳しくはこれで」

 六王くんからもらった紙切れ(ジェネティックスライム)を寧々へ手渡す。

「なるほどね、把握したわ。つまり私たちに協力を頼みたいと?」

「どういうこと、寧々さん」

「ムックンがうち達に協力を要請したいほど困ってるってこと?」

 一度に話を求めるメンバーに、寧々は困ってるようだった。
 ボクが話に入っても、余計馬を拗らせるだけなので、寧々がなんて言い出すのかをそっと見守ることにする。

「違うわ、海斗がそんなことで私たちに何かを要求することはありえないわよ。ただ今回はなんていうか、敵の仕掛けたトリックが歯応えありすぎていつも通りの作戦が通用しないのだそうよ?」

「なるほど。こうして自らが動かず、使いをよこした理由もそこにかかっているということですね?」

 ボクはこくりと頷く。
 そこは正解だ。ただ、それだけじゃない規模の問題での話でもある。
 人目の多いここで、なんて切り出せばいいやらもわからない。

「遮音結界と人除けの結界を張ったわ。心置きなく話してちょうだい」

「では、改めて」

 ボクは他所行きの演技を取りやめ、普段通りの話し方で協力者へ接した。

「今回、ボクが表立って動けない理由は三つある」

「一つはお忍びでここに来たことと関係してるの?」

「うん。今回表の名前を出せない理由は、単純に安全な脱出ルートの確保がまだ整ってないんだ」

「その言い方だと、危険が付きまとうけど脱出ルートを確保したって聞こえるんだけど?」

「そうだね、ソウルグレード……六王君のような王様や、それに連なる従者、つまりボク達のような契約者なら問題なく通れる」

「けど、それ以外は無傷でいられない?」

「うん。今回ここに侵入する際の制服なんかがいい例だね」

 そう言って、無事じゃいられなかった制服の残骸を寧々達に手渡した。

「これは?」

「ボクが着る予定だった制服。その脱出ゲートを通ってしまったがためにこうなってしまったの」

「つまり、一般の生徒がそのゲートを渡るのは推奨されないってことね」

 流石、寧々はこっちが全てを言わなくても把握してくれる。

「でも真琴はどうやって制服揃えたの? 一見無事に見えるけど?」

「ああ、これ。こういうやつでさ」

 六王君に連絡して、操作してもらう。
 突然溶け出して動き出す。

「ひっ」

「モンスター? というかその擬態能力って」

「ああ、ジェネティックスライムね。それを着せられてるの。御愁傷様」

「さっさと脱ぎたいんだけど、代わりの制服を支給してもらえたりなんかは?」

「うちにそんな余裕あると思う?」

「だよねー」

 当分、この制服で過ごすことを認めるほかなさそうだ。

「脱出口の件、理解したわ。他に海斗が動けない理由は?」

「実はここのダンジョンとゲートを繋げる時に結構な無理をしちゃって、10日くらい本調子じゃないみたいなんだ。それで、本人は地上で療養中。精神だけジェネティックスライムに移して行動中なの」

「ああ、私の結界で阻まれちゃうのね。確かに学園を守るために強めの結界張ってたわ」

「理解が早くて助かるよ」

「それでもう一つ、六王君の他に、御堂さん」

「はい?」

「君のお父さんが一緒に行動してる」

「そう聞いています。花婿修行も兼ねていると」

「知ってたんだ」

「むしろ私が兄様に頼んで紹介してもらいましたから」

「そうだったんだね。随分と仲が悪いことを聞いてたからさ。それすら嫌がられたら面倒だなって」

「ただ、まぁ。好きか嫌いかでいえば大嫌いですけど」

 なんていうか、感情を表に出さない感じがそっくりな気がするね、この親子。うちの親父とは大違い。
 まず感情が顔に出るもん。

「それで、もう一つの要件とは?」

「ああ、うん。弱体化中の念話傍受能力が極端に下がったのと、他に水中内で呼吸できるスキルが手に入ったからそれの情報供給?」

「水の中で? それは本当?」

「つまり水の中から食材を摂ってこれるってことなんだね?」

「久遠の場合は、壊さずに摂ってこれるかまでが試練ね」

「ぶー、そうやってすぐウチを野蛮人扱いするー」

「事実でしょうが」

「みんなしてどうしたんだ? 俺も混ぜてくれよ」

「ああ、そうそう。今回はそっちの六王君の情報のアップデートも兼ねてたんだ」

 ボクは直接手渡された書類を偽六王君に突き刺す。
 すると一つになって光出した。

「よし、乗っ取り成功。待たせたな、みんな」

「海斗」

「海斗さん」

「ムックン?」

「ああ、今回こそ俺だ。留守中、偽物が変なことしてなかったか? 俺はそれだけが心配でな」

「べ、べべべ別に。海斗は海斗だったわよ?」

「そうですよ。なんの不都合もありませんでした」

 なんで急に寧々や凛華は顔を真っ赤にしたんだろう?

「うちはー、ムックンとラブラブだったよー」

「久遠の反応で大体わかった。なんというか、すまん。今度から余計な行動はしないように制限するから」

 謝る六王君に、凛華は遠慮は不要とばかりに声を上げる。
 察するに、まんざらでもなかったような顔だ。

「謝らないでください。その……普段と違ってとても新鮮だっただけです」

「あんまり変なふうに受け取らないで欲しいんだけど、凛華の言い分もわかるのよね。普段の海斗は無理しすぎで、見ていて辛いのよ。だから普段とは違った海斗が見れたことを悪く受け取らないで欲しいわ」

「なるほどな。そこら辺は御堂さんにも注意されたことだ。自分では我慢してるつもりなんてなかったんだけどさ、そう言ったちょっとした蓄積が俺に重くのしかかってるらしい。なので今回は、全部自分でやらずに、凛華達の世話になろうとこうして頭を下げに来たというわけだ」

「海斗……」

「海斗さん」

「ムックン」

「とまぁ、ボクも六王君に無理させないためにこうして出張ってきたわけだ。ひとまず合流できたことを喜ぼうじゃないか」

 年長者らしく音頭をとったのに、似合わないと言わんばかりの面々。
 みんなしてひどくないー?
 ここに荒牧がいたら、さすがギルド長って褒めてくれるのにさー。


 ◇


「と、いうわけでこれからのことなんだけど。まず最初に、みんなには俺と一緒に来てほしい。単純に手数が増えるというのもあるが、手元に置いて安心したいっていうのが本音だ」

「でも学校側の手数が減ってしまうのよね」

 六王君の提案に、即座に否定の言葉を掲げるのはやはり寧々だ。

「ああ、だがそうしないためにも俺が出張ってきたというわけだ」

「海斗のアップデートにそんな理由が?」

「俺がここにいれば、すべての状態異常を無効化できる。ユグドラシルのコピーをジェネティックスライムに持たせているからな。それを学校の校庭に植えてもらう。それが条件の一つだ」

「傷を治せる効果であるとバラすの?」

「いや、気分が良くなる程度でいいだろう。こちらが勝手に言っても、多くの生徒は邪推してしまうだろう。だったら、自分たちで気づいてクチコミしてもらった方が早い。それがゆくゆくは心の安寧につながると思う」

「そうね、あれこれ全部こちらで世話するのは違うと思っていたわ。中には教師が生徒を引率しないで、完全に私たち頼りの行動してる時は呆れちゃったもの」

「無理もないさ、想定外のことがこうも起きたんじゃ。それよりも、明海との連絡は取れたか?」

 六王君の疲労の原因の一つ。それが妹さんの安否確認がまだできてないということ。
 しかし寧々たちは申し訳なさそうに首を横に振った。

「ごめんなさい。私たちも探ってはいるのだけど」

「いや、無茶振りしてる自覚はあったから。ひとまず凛華達が無事で良かったよ。心の不安が一つ取り除かれた」

「そうね、私たちも同じ気持ちよ」

「これから明海たちを探しに行くってことだよね?」

「ああ、手を貸してくれるか?」

「もちろんよ」

「その前に、偽物に学園の敬語を任せるのだけが気にかかります。その……海斗さんのように羽目を外されたら私のイメージが崩れないかという懸念がですね」

 身をもって別人すぎる六王君を体験した凛華からすれば、確かにそこは懸念すべきところだろう。
 しかしそれは同時に全てを終わらせた後のことを考える余裕があるということだ。

 御堂さんや六王君の想定敵を軽く見てるとも取れるが、あまりにも強大な敵を想定して、逃げ出すよりは精神衛生上いいのかもね?

 と、いうことで。
 ボク達はジェネティックスライムに学園守護を任せて六王君の元へと集まった。

「ようこそ、こんな辺鄙な場所で申し訳ないけど歓迎するよ」

「辺鄙、という以前に……ここは……」

 凛華が戸惑いながら、集合場所について感想を漏らす。

「水中でおもてなしされるなんて思わなかったよー」

「ここでなら邪魔されないと思ったわけね?」

「そうじゃないけど、邪魔されても対処可能だから集合場所にしたんだ」

「対応可能?」

「ああ、この水そのものを支配域に置いた、といえばわかるか?」

「待って、支配できるってことはこの湖そのものがモンスターなの!?」

 六王君はニッと笑ってご明察とばかりに微笑む。

「ああ、精霊種。元素系モンスターでも最上位に位置する水霊。アクアマリンを使役した。一見して水だが、意思のある水だよ。俺の支配域にある限り、侵入者には容赦しないさ。だから、ここを選んだ」

「少し見ないうちにまた遠くにいっちゃったのね」

「いや、使役モンスターが増えたくらいじゃ、凛華達の研鑽に追いつけただなんて思わないさ。特に今の俺は、弱体化中だ。だが、弱体化しててもダンジョンテイマーとしての能力は使える。参謀として頼ってくれていいぞ?」

「心強いわ」

「さすがです、海斗さん」

「さて、では改めて本作戦を行う上での注意事項を手短に話そうか」

 今までずっと置物だった御堂さんが仕切り始めると、凛華たちが突然不機嫌そうにし始める。
 六王君が宥めてようやく場がまとまる限り、このチームの行く末は火を見るより明らかだ。

 この人が仲間にいるだけで、なんでこうも不穏な空気になるのか。
 ボクからしてもクソな時点でお察しだ。

 それでもさ、六王君がいる手前くらい体裁くらい整えるくらいはしたら?
 はしたない子だと思われちゃうよ?
 だなんて老婆心ながらに思うのだった。
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