130 / 147
最弱種族の下剋上
アロンダイト救出
しおりを挟む
「こっちだ」
お義父さん先導のもと、俺たちは意識を特定の場所へと向けた。
右も左も分からない、真っ暗闇のダンジョンを、スズメの鳴き声に応じて進む様はシュールを通り越してなんと言うべきか。
そんな思考のまま、まっすぐに進むと前方から激しい戦闘音が聞こえてきた。
「聞こえたか?」
「ええ。何やら争ってる音が聞こえます。
「敵対者でもいたのか?」
「わかりません。俺たちに対してはやたらと上位者ぶってましたが、もしかしたら同じくらいの存在と揉めてるのかもしれませんし」
「同格の存在、つまりは敵か?」
「表立って動かない方が良さそうですね」
ただでさえ、相手にこちらが一筋縄ではいかない情報を握られている。
今は敵対してても、条件達成の為に手を組まれても厄介だ。
「その相手と敵対するにせよ、我々に有用な情報を落としてくれたらいいが……」
お義父さんの懸念案件は、あれと敵対してるのも下っ端で、なんの情報も持ってないことだろう。
「まずは様子見といきましょうか。気配遮断の術はお持ちで?」
「僕を誰だと思っているのかね?」
言うなり、お義父さんは足元から伸ばした影に潜った。
ああ、これ恭弥さんが扱ってたものだ。
当たり前のように使えたかー。そっかー。
「ご一緒させてもらっても?」
「構わん」
「ではご相伴に預からせてもらいます」
影の中へご一緒に。
そして案内役のスズメに導かれるままに進むと。
「あれは……アロンダイトの貝塚さん? なんでまたこんな場所に」
「アロンダイトというと、北海道の二大ギルドの?」
「ええ」
「しかし相手はソウルグレード上の強敵。打ち合えるほどの力量があるようには思えぬが?」
「あー……それなんですが」
これについてはなんと言っていいか言葉を言いあぐねていると。
「訳ありかね?」
何かを察したのかお義父さんから質問される。
ここはあれこれ言い訳するより率直に話してしまった方が変な誤解をさせずに済むか。
「実は俺の契約者です」
「うちの娘がいながら他に契約者を作っていると?」
お義父さんの口調が強まる。
「彼女はダンジョンチルドレンですよ。あなたの研究材料です」
「いや、もしそうだとしても……僕にはあれが検体には見えないんだが?」
ダンジョンチルドレン。魔石病患者にはいくつかの特徴がある。
それが探索者の身内であること。そして20に満たない女性であること。魔石を埋め込まれてから長い年月をかけたほど、強力な能力を得ること。
だから、目の前で大太刀回りしている貝塚さんがその該当者であるとは認められないと言っている。
「俺も詳しくは知らないんですが、彼女曰く、魔力を練り上げて筋肉の鎧を纏うことで追手を巻いていたらしいです。本当の姿は幼さの残る顔立ちの少女ですよ。年齢の割にちょっと幼すぎる気もしますが」
「いまだに信じられんが、君の契約者の時点で女性であることは疑っておらんよ」
何か棘のある言葉だな。
俺の契約者が女しかいないことを責めているんだろうか?
お義父さんも人のこと言えないくせに。
「この話もう辞めません?」
「そうだな。続ければどちらもダメージを受けそうだ」
以前に、そんなトークしている余裕もない。
俺たちは暗躍中だ。
影の中にいるとはいえ、察しのいい奴には見つかる恐れだってあるのだ。
「それはそれとして」
「ええ」
「言うほど劣勢に見えないが」
蛇髪の女三人と貝塚さんのバトルを見ているお義父さんが率直な感想を漏らす。
「腐っても俺の契約者ですからねぇ」
目の前で戦う貝塚さんは、蛇髪の女達と互角どころか一方的にやり合ったいた。
むしろ押しているようにも見える。
「君の契約者だから状態異常の類を受けないと?」
「アーケイドとの盟約で、耐性だけならソウルグレード3相当まで耐えますから」
「だからって攻撃が通じるトリックの検討もつかんぞ? 僕たちがやった時より一方的じゃないか?」
「ジェネティックスライムの模倣は本物の領域には遠く及びませんからね」
全く同じスキルを扱うだけで、熟練度までは引き継がない。
それでも十分厄介だが、それ以外を本領とする俺たちなら大きく能力が低下する。
「とは言え、だ。仲間に引き入れたら戦力増強は見込めるのではないかね?」
「まずは彼女の隊員の救助を優先しましょう。彼女が一人だけと言うのもおかしいです。彼女のギルドはメンバーを大切にします。それが一人も見当たらないと言うのもおかしな話ですから」
「一人で戦わなくてはいけぬ事情ができたパターンか」
「どちらにせよ、接触する必要はありますね」
「だが、敵の行方をみすみす逃すのも得策とはいえぬぞ?」
そこはお義父さんのスズメ頼りで。
「ならば御堂さんは敵の情報を。俺は貝塚さんへの事情説明と状況確認を請け負います。連絡は現実で」
「わかった」
そう言うことになった。
しかしあれだな、いくら打たれ強くなったからと貝塚さんてソロだとあんなに強いのか。
いつもはギルドを足元から支えるボスって感じだったけど、単独での勇ましさは、荒牧さんが惚れ込むのもわかる実力だ。
普段があんなだからギャップもすごい。
「敵が撤退したみたいだな。それなりの使い手が二名も負傷したんじゃ仕方ないが、相当切羽詰まってるみたいだ。このままダンジョンから逃走されても敵わん。僕は後を追う。君はあちらを頼んだぞ?」
「任せてください」
こそこそと影に潜み、戦闘終了後で気を抜いた貝塚さんへと念話を送る。すぐに声をかけてもいいが、相手の警戒心を解く方が先だ。
『誰か、聞こえるか! 助けに来たぞ! 誰でもいい、応答してくれ!』
まずは不自然じゃないように、ダンジョンに単独侵入してきて、なりふり構わずに年和を送ってるように演じる。
すぐに答えなくてもいい。
貝塚さんだってこれがトラップの可能性もあるはずだと身構えるからだ。
その少し後に、俺が姿を現す。
心配そうな顔を貼り付けて、心身ともに疲れ果てた演技もオマケする。
流石に味方が消えて創作しにきたのに、余裕綽々だと違和感がすごいからな。
依代にしているジェネティックスライムはモンスターだからそう言う演技ができない。俺が意識をさし向けて、ようやく俺本来の焦りが相手に伝わるのだ。
「くそ、ここにもいないか。凛華たちは一体どこに攫われてしまったんだ。俺が不甲斐ないばかりに、くそ!」
苛立ちを隠せぬように、壁に拳を打ちつけ、そして他の場所を探そうと踵を返したところで隠れていた貝塚さんから声がかかった。
いや、かかったのは念話の方だ。
『六王君か? 今どう言う状況になってるかわからぬが、ボクらは突然このダンジョンに閉じ込められた。至急、こちらへきてもらいたい』
『貝塚さん!? よかった、無事だったんですね! みんな、地球上から突如として消えたから心配してたんです!』
その後、周囲を警戒して無事合流する。
久しぶりに見た彼女の顔は、先ほどの先頭の時とは打って変わってどこか憔悴しているように思えた。
ギルドメンバーの姿が周りにないので、今は縮んで本来の貝塚d=さんに戻っている。
「六王君、突然で悪いが負傷者の手当てを頼みたいんだ」
「怪我人ですか? やはりモンスターと?」
さっきの蛇髪のモンスターとの戦闘を見ている限りではなんら危なげもなかったが、それはやはり俺の契約者という意味での安心感。
それ以外の探索者には荷が重すぎたようだ。
「いや、その……」
貝塚さんは目を泳がせてボソッとこぼす。
「食中毒を起こしててさ」
「貝塚さん……まさかあなたが料理を?」
「ち、違うんだよ! ボクが食べる分にはなんの問題もなかった食材をさ、みんなに分けたらみんなお腹を抑えて悶え苦しんで……」
どこか言い訳するように説明してくれた。
つまりはだ、ここ数週間呑まず食わずで少ない食料で食い繋いできた。
一人づつ倒れていき、不安も最高潮に達したところで、本人は起点を効かせたつもりなのだろう。
茹でれば食べれなくもない植物を煮込んで食べてみせた。
この時点で貝塚さんはピンピンしてた。
しかしその後に悲劇は起こったのだという。
「状況は理解しました。荒牧さんも?」
「あいつも最後までボクを支えてくれてたんだよ。でもつい数時間前に……」
貝塚さんの毒牙にかかったと。
俺の確認に、貝塚さんは項垂れるように頷いた。
全く、しょうがないやつだな。
だが、こんな場所では本来のパフォーマンスを出せなくても仕方あるまい。ただでさえ拐われた身。
誘拐された人質が、犯人を倒して自力で家に戻ってこれるわけもなく、極限サバイバルまでさせられたら全滅しててもおかしくないしな。
「わかりました。人数分の食事、食中毒の緩和、全て俺が世話しましょう。その代わり、ここでの情報をいくつかください。俺はここで足踏みしてる時間もないんです」
「寧々達がボク達と同様に攫われたんだよね? 気持ちはわかるよ」
「悪いのはこんなことをしでかした奴です。貝塚さん達の責任じゃありませんよ」
「それでも、団員を巻き込んだ自覚はあるからさ」
ギルドリーダーとしての責任を、貝塚さんは団員の全てが回復するまで向き合っていた。
「助かったぞ、六濃君! 君はワシらの命の恩人じゃ!」
「それよりもですね、ここからの脱出手段を考えないといけません。荒牧さんは何か手がかりの一つでも持ってますか?」
「悪いがその情報についてはワシらは貢献できそうもない。ただでさえ視界が悪い場所だ。食料もなく、生き延びるだけでも精一杯だった」
「そうですか。ではここを拠点として、俺たちに協力してもらえますか?」
「そういうことなら喜んで!」
俺たちは心強い仲間を手に入れた。
お義父さん先導のもと、俺たちは意識を特定の場所へと向けた。
右も左も分からない、真っ暗闇のダンジョンを、スズメの鳴き声に応じて進む様はシュールを通り越してなんと言うべきか。
そんな思考のまま、まっすぐに進むと前方から激しい戦闘音が聞こえてきた。
「聞こえたか?」
「ええ。何やら争ってる音が聞こえます。
「敵対者でもいたのか?」
「わかりません。俺たちに対してはやたらと上位者ぶってましたが、もしかしたら同じくらいの存在と揉めてるのかもしれませんし」
「同格の存在、つまりは敵か?」
「表立って動かない方が良さそうですね」
ただでさえ、相手にこちらが一筋縄ではいかない情報を握られている。
今は敵対してても、条件達成の為に手を組まれても厄介だ。
「その相手と敵対するにせよ、我々に有用な情報を落としてくれたらいいが……」
お義父さんの懸念案件は、あれと敵対してるのも下っ端で、なんの情報も持ってないことだろう。
「まずは様子見といきましょうか。気配遮断の術はお持ちで?」
「僕を誰だと思っているのかね?」
言うなり、お義父さんは足元から伸ばした影に潜った。
ああ、これ恭弥さんが扱ってたものだ。
当たり前のように使えたかー。そっかー。
「ご一緒させてもらっても?」
「構わん」
「ではご相伴に預からせてもらいます」
影の中へご一緒に。
そして案内役のスズメに導かれるままに進むと。
「あれは……アロンダイトの貝塚さん? なんでまたこんな場所に」
「アロンダイトというと、北海道の二大ギルドの?」
「ええ」
「しかし相手はソウルグレード上の強敵。打ち合えるほどの力量があるようには思えぬが?」
「あー……それなんですが」
これについてはなんと言っていいか言葉を言いあぐねていると。
「訳ありかね?」
何かを察したのかお義父さんから質問される。
ここはあれこれ言い訳するより率直に話してしまった方が変な誤解をさせずに済むか。
「実は俺の契約者です」
「うちの娘がいながら他に契約者を作っていると?」
お義父さんの口調が強まる。
「彼女はダンジョンチルドレンですよ。あなたの研究材料です」
「いや、もしそうだとしても……僕にはあれが検体には見えないんだが?」
ダンジョンチルドレン。魔石病患者にはいくつかの特徴がある。
それが探索者の身内であること。そして20に満たない女性であること。魔石を埋め込まれてから長い年月をかけたほど、強力な能力を得ること。
だから、目の前で大太刀回りしている貝塚さんがその該当者であるとは認められないと言っている。
「俺も詳しくは知らないんですが、彼女曰く、魔力を練り上げて筋肉の鎧を纏うことで追手を巻いていたらしいです。本当の姿は幼さの残る顔立ちの少女ですよ。年齢の割にちょっと幼すぎる気もしますが」
「いまだに信じられんが、君の契約者の時点で女性であることは疑っておらんよ」
何か棘のある言葉だな。
俺の契約者が女しかいないことを責めているんだろうか?
お義父さんも人のこと言えないくせに。
「この話もう辞めません?」
「そうだな。続ければどちらもダメージを受けそうだ」
以前に、そんなトークしている余裕もない。
俺たちは暗躍中だ。
影の中にいるとはいえ、察しのいい奴には見つかる恐れだってあるのだ。
「それはそれとして」
「ええ」
「言うほど劣勢に見えないが」
蛇髪の女三人と貝塚さんのバトルを見ているお義父さんが率直な感想を漏らす。
「腐っても俺の契約者ですからねぇ」
目の前で戦う貝塚さんは、蛇髪の女達と互角どころか一方的にやり合ったいた。
むしろ押しているようにも見える。
「君の契約者だから状態異常の類を受けないと?」
「アーケイドとの盟約で、耐性だけならソウルグレード3相当まで耐えますから」
「だからって攻撃が通じるトリックの検討もつかんぞ? 僕たちがやった時より一方的じゃないか?」
「ジェネティックスライムの模倣は本物の領域には遠く及びませんからね」
全く同じスキルを扱うだけで、熟練度までは引き継がない。
それでも十分厄介だが、それ以外を本領とする俺たちなら大きく能力が低下する。
「とは言え、だ。仲間に引き入れたら戦力増強は見込めるのではないかね?」
「まずは彼女の隊員の救助を優先しましょう。彼女が一人だけと言うのもおかしいです。彼女のギルドはメンバーを大切にします。それが一人も見当たらないと言うのもおかしな話ですから」
「一人で戦わなくてはいけぬ事情ができたパターンか」
「どちらにせよ、接触する必要はありますね」
「だが、敵の行方をみすみす逃すのも得策とはいえぬぞ?」
そこはお義父さんのスズメ頼りで。
「ならば御堂さんは敵の情報を。俺は貝塚さんへの事情説明と状況確認を請け負います。連絡は現実で」
「わかった」
そう言うことになった。
しかしあれだな、いくら打たれ強くなったからと貝塚さんてソロだとあんなに強いのか。
いつもはギルドを足元から支えるボスって感じだったけど、単独での勇ましさは、荒牧さんが惚れ込むのもわかる実力だ。
普段があんなだからギャップもすごい。
「敵が撤退したみたいだな。それなりの使い手が二名も負傷したんじゃ仕方ないが、相当切羽詰まってるみたいだ。このままダンジョンから逃走されても敵わん。僕は後を追う。君はあちらを頼んだぞ?」
「任せてください」
こそこそと影に潜み、戦闘終了後で気を抜いた貝塚さんへと念話を送る。すぐに声をかけてもいいが、相手の警戒心を解く方が先だ。
『誰か、聞こえるか! 助けに来たぞ! 誰でもいい、応答してくれ!』
まずは不自然じゃないように、ダンジョンに単独侵入してきて、なりふり構わずに年和を送ってるように演じる。
すぐに答えなくてもいい。
貝塚さんだってこれがトラップの可能性もあるはずだと身構えるからだ。
その少し後に、俺が姿を現す。
心配そうな顔を貼り付けて、心身ともに疲れ果てた演技もオマケする。
流石に味方が消えて創作しにきたのに、余裕綽々だと違和感がすごいからな。
依代にしているジェネティックスライムはモンスターだからそう言う演技ができない。俺が意識をさし向けて、ようやく俺本来の焦りが相手に伝わるのだ。
「くそ、ここにもいないか。凛華たちは一体どこに攫われてしまったんだ。俺が不甲斐ないばかりに、くそ!」
苛立ちを隠せぬように、壁に拳を打ちつけ、そして他の場所を探そうと踵を返したところで隠れていた貝塚さんから声がかかった。
いや、かかったのは念話の方だ。
『六王君か? 今どう言う状況になってるかわからぬが、ボクらは突然このダンジョンに閉じ込められた。至急、こちらへきてもらいたい』
『貝塚さん!? よかった、無事だったんですね! みんな、地球上から突如として消えたから心配してたんです!』
その後、周囲を警戒して無事合流する。
久しぶりに見た彼女の顔は、先ほどの先頭の時とは打って変わってどこか憔悴しているように思えた。
ギルドメンバーの姿が周りにないので、今は縮んで本来の貝塚d=さんに戻っている。
「六王君、突然で悪いが負傷者の手当てを頼みたいんだ」
「怪我人ですか? やはりモンスターと?」
さっきの蛇髪のモンスターとの戦闘を見ている限りではなんら危なげもなかったが、それはやはり俺の契約者という意味での安心感。
それ以外の探索者には荷が重すぎたようだ。
「いや、その……」
貝塚さんは目を泳がせてボソッとこぼす。
「食中毒を起こしててさ」
「貝塚さん……まさかあなたが料理を?」
「ち、違うんだよ! ボクが食べる分にはなんの問題もなかった食材をさ、みんなに分けたらみんなお腹を抑えて悶え苦しんで……」
どこか言い訳するように説明してくれた。
つまりはだ、ここ数週間呑まず食わずで少ない食料で食い繋いできた。
一人づつ倒れていき、不安も最高潮に達したところで、本人は起点を効かせたつもりなのだろう。
茹でれば食べれなくもない植物を煮込んで食べてみせた。
この時点で貝塚さんはピンピンしてた。
しかしその後に悲劇は起こったのだという。
「状況は理解しました。荒牧さんも?」
「あいつも最後までボクを支えてくれてたんだよ。でもつい数時間前に……」
貝塚さんの毒牙にかかったと。
俺の確認に、貝塚さんは項垂れるように頷いた。
全く、しょうがないやつだな。
だが、こんな場所では本来のパフォーマンスを出せなくても仕方あるまい。ただでさえ拐われた身。
誘拐された人質が、犯人を倒して自力で家に戻ってこれるわけもなく、極限サバイバルまでさせられたら全滅しててもおかしくないしな。
「わかりました。人数分の食事、食中毒の緩和、全て俺が世話しましょう。その代わり、ここでの情報をいくつかください。俺はここで足踏みしてる時間もないんです」
「寧々達がボク達と同様に攫われたんだよね? 気持ちはわかるよ」
「悪いのはこんなことをしでかした奴です。貝塚さん達の責任じゃありませんよ」
「それでも、団員を巻き込んだ自覚はあるからさ」
ギルドリーダーとしての責任を、貝塚さんは団員の全てが回復するまで向き合っていた。
「助かったぞ、六濃君! 君はワシらの命の恩人じゃ!」
「それよりもですね、ここからの脱出手段を考えないといけません。荒牧さんは何か手がかりの一つでも持ってますか?」
「悪いがその情報についてはワシらは貢献できそうもない。ただでさえ視界が悪い場所だ。食料もなく、生き延びるだけでも精一杯だった」
「そうですか。ではここを拠点として、俺たちに協力してもらえますか?」
「そういうことなら喜んで!」
俺たちは心強い仲間を手に入れた。
43
お気に入りに追加
220
あなたにおすすめの小説

スキル:浮遊都市 がチートすぎて使えない。
赤木 咲夜
ファンタジー
世界に30個のダンジョンができ、世界中の人が一人一つスキルを手に入れた。
そのスキルで使える能力は一つとは限らないし、そもそもそのスキルが固有であるとも限らない。
変身スキル(ドラゴン)、召喚スキル、鍛冶スキルのような異世界のようなスキルもあれば、翻訳スキル、記憶スキルのように努力すれば同じことができそうなスキルまで無数にある。
魔法スキルのように魔力とレベルに影響されるスキルもあれば、絶対切断スキルのようにレベルも魔力も関係ないスキルもある。
すべては気まぐれに決めた神の気分
新たな世界競争に翻弄される国、次々と変わる制度や法律、スキルおかげで転職でき、スキルのせいで地位を追われる。
そんななか16歳の青年は世界に一つだけしかない、超チートスキルを手に入れる。
不定期です。章が終わるまで、設定変更で細かい変更をすることがあります。
ダンジョン美食倶楽部
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
長年レストランの下働きとして働いてきた本宝治洋一(30)は突如として現れた新オーナーの物言いにより、職を失った。
身寄りのない洋一は、飲み仲間の藤本要から「一緒にダンチューバーとして組まないか?」と誘われ、配信チャンネル【ダンジョン美食倶楽部】の料理担当兼荷物持ちを任される。
配信で明るみになる、洋一の隠された技能。
素材こそ低級モンスター、調味料も安物なのにその卓越した技術は見る者を虜にし、出来上がった料理はなんとも空腹感を促した。偶然居合わせた探索者に振る舞ったりしていくうちに【ダンジョン美食倶楽部】の名前は徐々に売れていく。
一方で洋一を追放したレストランは、SSSSランク探索者の轟美玲から「味が落ちた」と一蹴され、徐々に落ちぶれていった。
※カクヨム様で先行公開中!
※2024年3月21で第一部完!
お持ち帰り召喚士磯貝〜なんでも持ち運び出来る【転移】スキルで異世界つまみ食い生活〜
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ひょんなことから男子高校生、磯貝章(いそがいあきら)は授業中、クラス毎異世界クラセリアへと飛ばされた。
勇者としての役割、与えられた力。
クラスメイトに協力的なお姫様。
しかし能力を開示する魔道具が発動しなかったことを皮切りに、お姫様も想像だにしない出来事が起こった。
突如鳴り出すメール音。SNSのメロディ。
そして学校前を包囲する警察官からの呼びかけにクラスが騒然とする。
なんと、いつの間にか元の世界に帰ってきてしまっていたのだ!
──王城ごと。
王様達は警察官に武力行為を示すべく魔法の詠唱を行うが、それらが発動することはなく、現行犯逮捕された!
そのあとクラスメイトも事情聴取を受け、翌日から普通の学校生活が再開する。
何故元の世界に帰ってきてしまったのか?
そして何故か使えない魔法。
どうも日本では魔法そのものが扱えない様で、異世界の貴族達は魔法を取り上げられた平民として最低限の暮らしを強いられた。
それを他所に内心あわてている生徒が一人。
それこそが磯貝章だった。
「やっべー、もしかしてこれ、俺のせい?」
目の前に浮かび上がったステータスボードには異世界の場所と、再転移するまでのクールタイムが浮かび上がっていた。
幸い、章はクラスの中ではあまり目立たない男子生徒という立ち位置。
もしあのまま帰って来なかったらどうなっていただろうというクラスメイトの話題には参加させず、この能力をどうするべきか悩んでいた。
そして一部のクラスメイトの独断によって明かされたスキル達。
当然章の能力も開示され、家族ごとマスコミからバッシングを受けていた。
日々注目されることに辟易した章は、能力を使う内にこう思う様になった。
「もしかして、この能力を金に変えて食っていけるかも?」
──これは転移を手に入れてしまった少年と、それに巻き込まれる現地住民の異世界ドタバタコメディである。
序章まで一挙公開。
翌日から7:00、12:00、17:00、22:00更新。
序章 異世界転移【9/2〜】
一章 異世界クラセリア【9/3〜】
二章 ダンジョンアタック!【9/5〜】
三章 発足! 異世界旅行業【9/8〜】
四章 新生活は異世界で【9/10〜】
五章 巻き込まれて異世界【9/12〜】
六章 体験! エルフの暮らし【9/17〜】
七章 探索! 並行世界【9/19〜】
95部で第一部完とさせて貰ってます。
※9/24日まで毎日投稿されます。
※カクヨムさんでも改稿前の作品が読めます。
おおよそ、起こりうるであろう転移系の内容を網羅してます。
勇者召喚、ハーレム勇者、巻き込まれ召喚、俺TUEEEE等々。
ダンジョン活動、ダンジョンマスターまでなんでもあります。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!!
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

目立つのが嫌でダンジョンのソロ攻略をしていた俺、アイドル配信者のいる前で、うっかり最凶モンスターをブッ飛ばしてしまう
果 一
ファンタジー
目立つことが大嫌いな男子高校生、篠村暁斗の通う学校には、アイドルがいる。
名前は芹なずな。学校一美人で現役アイドル、さらに有名ダンジョン配信者という勝ち組人生を送っている女の子だ。
日夜、ぼんやりと空を眺めるだけの暁斗とは縁のない存在。
ところが、ある日暁斗がダンジョンの下層でひっそりとモンスター狩りをしていると、SSクラスモンスターのワイバーンに襲われている小規模パーティに遭遇する。
この期に及んで「目立ちたくないから」と見捨てるわけにもいかず、暁斗は隠していた実力を解放して、ワイバーンを一撃粉砕してしまう。
しかし、近くに倒れていたアイドル配信者の芹なずなに目撃されていて――
しかも、その一部始終は生放送されていて――!?
《ワイバーン一撃で倒すとか異次元過ぎw》
《さっき見たらツイットーのトレンドに上がってた。これ、明日のネットニュースにも載るっしょ絶対》
SNSでバズりにバズり、さらには芹なずなにも正体がバレて!?
暁斗の陰キャ自由ライフは、瞬く間に崩壊する!
※本作は小説家になろう・カクヨムでも公開しています。両サイトでのタイトルは『目立つのが嫌でダンジョンのソロ攻略をしていた俺、アイドル配信者のいる前で、うっかり最凶モンスターをブッ飛ばしてしまう~バズりまくって陰キャ生活が無事終了したんだが~』となります。
※この作品はフィクションです。実在の人物•団体•事件•法律などとは一切関係ありません。あらかじめご了承ください。

八百長試合を引き受けていたが、もう必要ないと言われたので圧勝させてもらいます
海夏世もみじ
ファンタジー
月一に開催されるリーヴェ王国最強決定大会。そこに毎回登場するアッシュという少年は、金をもらう代わりに対戦相手にわざと負けるという、いわゆる「八百長試合」をしていた。
だが次の大会が目前となったある日、もうお前は必要ないと言われてしまう。八百長が必要ないなら本気を出してもいい。
彼は手加減をやめ、“本当の力”を解放する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる